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長雨(大雨・豪雨)対策マニュアル(作物)

印刷ページの表示 ページ番号:0000292227 更新日:2014年8月19日更新

長雨(冬期~春期)

(麦類)
1.被害の発生様相
(1)播種時の長雨は播種期の遅延をもたらす。
 
(2)播種後の冠水は著しく発芽を悪くする。
  
(3)冬期の長雨による過湿は、根の呼吸の減退、根の細胞の活力低下による伸長停止、葉の黄化をもたらす。(土壌中の孔げきが多く30~35%に達していると湿害は起こりにくい)
 
(4)春先の長雨による過湿は冬期よりも被害は大きい。地温が上昇しているため土壌を還元化し、過湿状態が1週間続くと、根腐れ、壊死、木化等の湿害が発生する。
 
(5)分げつ期の長雨による過湿は分げつを抑制し、茎数を減少させるとともに根腐れをおこす。
 
(6)登熟中の長雨は光合成を抑制し、減収、品質劣化をもたらす。
 
(7)成熟期前後の長雨は粒の腐敗、穂発芽をもたらし、品質を低下させるとともに収穫皆無になる場合もある。
 
(8)降雨が続くと日照不足をもたらし、うどんこ病等病害が多発する。
 
(9)出穂期以降、高温、多雨が続くと赤かび病が多発し、より大きな被害を受ける。
 
 
2.対策
(1)湿害回避のため高畦栽培とする。
 
(2)弾丸暗渠の設置や団地化するなど基本的な排水対策をあらかじめ徹底するとともに、表面水を速やかに排水できるよう排水路の手直しを行う。
 
(3)赤かび病防除適期の期間が短いので、雨が降り続く場合は合間を見て必ず散布する。
 
 

水害(大雨)

〔水稲〕
1.被害の発生様相
(1)移植直後では冠水によって苗は異常に伸長するが、その後の回復力は大きい。普通この時期は水温が低いので被害は少ない。
 
(2)分げつ期では冠水で分げつが止まったり、遅れたり、株が枯死する場合もある。また、水が引いた後も成長が止まり穂数が減少する。
 
(3)幼穂形成期では幼穂が枯死して穂数が減少する。
 
(4)冠水期間が5日以上に及ぶと籾数が減少し、奇形穂の発生かみられ穂揃いも悪くなる。
 
(5)減数分裂期の被害は最も大きく、籾数の減少と不稔籾数の増加とによって収量に大きな影響を与える。冠水期間が7日以上の時は収穫皆無になることが多い。
 
(6)登熟期では出穂期後10~15日頃の被害が大きく、屑米が増加して登熟歩合か低下する。
 
(7)成熟期の被害は比較的小さいが冠水期間が長いと穂発芽を生じ、品質が低下する。
 
(8)浸冠水の被害は水温が27~28℃を越えたり、水が汚濁していたりするときに増大し、ゆるい流れでは軽減する。
 
(9)葉先や穂先が数cmでも露出しているような浸水の状態では、冠水した状態に比べ被害ははるかに軽い。
 
 
2.対策
(1)成熟期に近いものは事前に刈り取る。
 
(2)浸冠水した水田は1日も早く排水する、冠水した場合はせめて葉先だけでも早く水面に出す。
 
(3)水温が高かったり、水が汚濁しているときは、出来るだけ新しい水を流し込むように工夫する。
 
(4)石、礫、,土砂、流木が流入し、稲が完全に埋没したものは、トラクタによる耕起が可能であれば、石、礫、流木を持ち出し、耕起、整地後に畑作物を作付けする。
 
(5)畦畔の決壊、河川の氾濫で圃場の一部に土砂が流入し、局所的に稲が埋没したものは、仮のあぜを設け、通常の管理をする。
 
(6)土砂が流入したところは出来るだけ早く土砂を搬出し、耕起、整地し、苗が確保出来れば再度移植する。苗の確保が困難な場合は畑作物を作付けする。
  
(7)土砂の流入がなく、冠水のみで済み、正常な生育をしているものは10a当たり1~2kgの窒素を追肥し生育の促進を図る。その後は通常の肥培管理を行う。
  
(8)水路の決壊、土砂の流入で通水が不能となり、無被害の圃場でも旱魃状態になっている場合は揚水ポンプを使用して、灌漑水の確保に努める。
  
(9)植え替える場合、本県の出穂限界は9月10日となる。7月20日までに移植出来なければ植え替えはしない。なお、移植しても収量は2~3割減収し、品質も劣る。
  
(10)病害虫の発生は白葉枯病、黄化萎縮病、ウンカ類の多発が予想される。各々、地域の防除暦に従って防除を徹底する
 
(11)農業機械で浸冠水したものは機械を早急に乾燥させ、エンジンを始動させずに販売店で点検、整備をしてもらう。
 
  
〔大豆〕
1.対策
(1)播種直後、または出芽後土砂が流入し埋没したもので、耕起が可能であれば播きなおす。
 
(2)出芽後、上位葉のみを残して土砂で埋まったものは、中耕を行い、根部への酸素供給を促す。埋没したものは同一品種を早急に追播する。
  
(3)冠水のみで、根が露出したものは早急に中耕、培上を行い、根を保護する。
 
(4)播き直す場合は8月5日までに播種する。
 
(5)肥料は無施用とし、栽植本数は10a当たり2万本程度を確保する。
 
(6)圃場の排水を徹底する。
 
(7)小面積で、耕起が困難な場合は棒で播き穴をあけ、2~3粒ずつ播き、出芽後3~5葉期に中耕、培土する。
 
  

夏期の長雨・日照不足

〔水稲〕
1.被害の発生様相
(1)分げつ期においては、分げつが抑制され平年より減少する。
 
(2)幼穂形成期においては、日照不足は籾数を減少させる。
 
(3)登熟期においては、充実不足や白未熟粒発生が増える。
 
2.対策
圃場ごとの個々の生育に応じた適切な対応を行うことを基本とする。
(1)幼穂形成期(穂肥期)を迎えているものは、草丈が高く葉色が濃い可能性が高いことから、倒伏やいもち病の多発生が懸念される。穂肥は量を控えめに施用する。また幼穂形成時期が遅れていることが予想される。施用時期もそれに応じて遅らせることが必要。
 
(2)これまでの長雨により湛水状態が続いた圃場が多いことが予想される。中干し時期は既に過ぎていることから、今後は生育ステージにかかわらず間断灌水を励行し、根に酸素を供給することで健全化を図る。水が落ちにくい場合は溝切りが有効である。
  
※ただし天候が回復し好天が続く場合は、乾きすぎに注意する。(特に幼穂形成期~開花期の乾燥は籾数減、登熟期間の過乾燥は品質低下を招く)。
※台風通過時は深水管理とする。
 
(3)ケイ酸や石灰質資材の施用と有機物の投入、深耕等による土づくりが基本。
 
  
〔大豆〕
1.被害状況
(1)長雨が続き中耕培土ができていない圃場では、雑草の多発生や湿害による生育不良が発生する。
 
(2)適期に播けず播種が遅れたものは生育量不足により収量減が懸念される。
 
2.対策
(1)圃場の見回りを頻繁に行い、停滞水がある場合は落水に努める。
 
(2)土入れが未実施の圃場は極力実施する。ただし開花期前までとする。
 
(3)雑草防除を確実に行う。県防除指針を参考に、草種に応じた除草剤を利用する。また極力中耕培土による除草も実施する。
 
(4)開花後の長雨による紫斑病多発が懸念される。紫斑病及びカメムシの防除を雨間をぬって実施し健全育成に努める。
 
 

夏期の低温

〔水稲〕
1.被害の発生様相
(1)夏季の低温は日照不足と降雨を伴う場合が多く、稲体は軟弱徒長となる。
 
(2)土壌中の窒素の分解が遅れ、肥料の残留が多くなる。
 
(3)「稲の葉色が濃く、茎も細く、倒伏の可能性も高くなる。
 
(4)分げつ数は少なく、出穂期も遅れる場合が多い。
 
(5)高標高地の飯田地区では特に被害が大きくなる。
 
(6)早期水稲は出穂期が遅れるとともに、いもち病の発生が多くなるので注意する。また、軟弱徒長で経過していると稈長も弱く、倒伏をまねきやすい。
 
(7)稲が低温に最も弱い時期は出穂前10~14日で、17℃以下が2~3日続くと不稔の原因となる。
  
2.対策
※前述の「夏期の長雨・日照不足対策」も参考にすること。
(1)水管理の徹底を図る。山間部など、20℃以下の低温水地域では生育障害をおこし、草丈の伸長が抑制されるとともに、稔実も抑制される。とくに幼穂形成期~減数分裂期頃は低温の影響を受けやすいので注意が必要。
 
(2)漏水を防止し、日中は止水で水温の上昇を図る。
 
(3)病害虫防除の徹底を図る。いもち病の発生しやすい環境条件にあることから、予防防除に努めるとともに、初期発生に注意し早期防除を実施する。
    (防除方法は県主要農作物病害虫雑草防除指針を参照)
 

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