令和8年5月7日知事定例会見
動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和8年5月7日(木曜日)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。
第21回大分県パラスポーツ大会について
障がいのある方々が一堂に会する大分県内最大のパラスポーツイベント「第21回大分県パラスポーツ大会」開催のお知らせです。
昨年度まで「大分県障がい者スポーツ大会」としておりましたが、スポーツ基本法の改正により「障がい者スポーツ」という表現から「パラスポーツ」へと置き換わったことなどもあり、今年度から「大分県パラスポーツ大会」へと名称を変更いたしました。
この大会は、パラスポーツの普及と障がいに対する理解を深め、障がい者の社会参加を後押しする活躍の場であるとともに、令和8年10月に青森県で開催される「第25回全国障害者スポーツ大会」への県派遣選手の選考も兼ねています。
令和8年4月5日(日曜日)に先行開催したアーチェリー競技を皮切りに、令和8年5月23日(土曜日)のボウリング競技まで、個人種目の7競技を開催することとしており、延べ約1,200名の選手が参加します。私も、令和8年5月16日(土曜日)にクラサスドーム大分で開催する陸上競技とフライングディスクの合同開会式に出席する予定です。
当日は、障がいのある方々が制作した雑貨の販売、キッチンカーの出店等も予定しています。
県民の皆さんにも、是非、会場に足を運んでいただき、目標に向かって全力を尽くす選手たちへの声援をお願いしたいと思います。また、パラスポーツの魅力というのも、最近、パラリンピック等で認識されています。例えば、車椅子バスケットやラグビー、テニスなど健常者の競技以上に迫力のある競技も出てきています。ぜひまた足を運んで見ていただければと思います。
配 布 資 料:第21回大分県パラスポーツ大会 概要 [PDFファイル/252KB]
婚活イベント等の実施について
令和8年5月16日(土曜日)に、知事公舎において、婚活イベント「ガーデンスイーツパーティー in 知事公舎」を開催いたします。
定員は、男女各20名、計40名としており、明日令和8年5月8日(金曜日)の正午まで申し込みを受け付け、抽選により参加者を決定いたします。出会いを希望されている方は、奮って申し込みいただきますようお願いいたします。
このイベントは、毎年好評で、昨年は定員の3倍以上の応募がありました。希望される方に、できるだけ多く参加いただけるよう、今年度は、知事公舎でのイベントを2回に増やすとともに、ハーモニーランドでの開催も予定しています。
また、さらなる出会いの場の創出に向けて、今年度から、商工団体や農業団体などが開催する婚活イベントに対し、最大30万円の助成を行うこととしています。こちらの問い合わせ、申し込み先は、「OITAえんむす部 出会いサポートセンター」となっています。必要に応じて、センターが企画・運営のサポートもしますので、是非ご活用いただければと思います。
令和7年は、大分県での成婚数が令和元年以来6年ぶりに増えました。令和6年が3,608件、令和7年が3,825件で、増加率が全国で2位の4.4%です。ちなみに1位が東京都の4.8%で、3位が大阪府の3.3%です。なぜ大都市の中に2位にランクインしたのかというのは分析中でありますが、各市町村も婚活イベントを始め色々な取組をしていることが、効果として現れてきたのではないかと考えています。
そして、婚姻数が増えますと、時期をずれて出生数が増えてきますので、大変明るい兆しであると考えています。この兆しを確かなものにするための取組を、これから行っていき、出生数の増、ひいては、人口減少に歯止めをかけて反転させていくという取組につなげていきたいと考えています。
配 布 資 料:縁結びガーデンスイーツパーティin知事公舎 チラシ [PDFファイル/186KB]
婚活イベント応援助成金 チラシ [PDFファイル/240KB]
令和7年度移住支援策による移住者数について
令和7年度の移住支援策による県外からの移住者数について報告いたします。
7年度の移住者数は、6年度の1,746人を上回る1,751人で、6年連続で過去最多となり、9年連続の1,000人超となりました。
移住希望者のニーズに応じたきめ細かな移住支援策を、市町村と連携して、実施してきた結果と捉えています。
特に、若者と子育て世帯に重点化した取組を進めてきたことから、年代別では、30歳代、20歳代、10歳未満と、若年者の割合が多くなっています。また、移住前の住所別を見ますと、近隣の九州や人口の多い首都圏が上位となっています。
先ほども触れましたが、婚姻数の伸びがひいては自然増、出生数の増になると期待していますが、併せて、社会増についても努力をさらに進め、人口減から反転していくような取組を、自然増、社会増両方で取り組んでいきたいと考えています。
施策で言いますと、まず、移住支援金は国の施策として、東京圏からの移住世帯に一律100万円、子育て加算もあります。加えて、東京圏外からの移住者には本県独自で支援をしています。
また、就業要件なしの移住応援給付金については、本県独自で世帯20万円、そして子育て加算が10万円かけるこどもの数、それから若年者加算や、職種加算ということで特に人手が不足している職業につく方は10万円を世帯ごとに支援しています。
それから空き家の利活用ということで、家財処分や改修・購入への補助金。そして子育て加算も加えており、改修・購入にあたっては18歳未満がいるときには50万円を加算します。
その他に市町村も手厚い制度を設けています。例えば、豊後高田市は土地を無料で提供して、そこに住んでもらうということをやっていますし、今年度からは由布市の庄内地区で、同じような施策を進めています。
また、スキルアップ移住ということでIT関係の資格取得や、語学の習得についての支援。それから、相談窓口を東京都等で作り、相談会も行っています。
配 布 資 料:令和7年度の移住支援策による移住者数 [PDFファイル/535KB]
令和7年度農林水産業への新規就業者・企業参入の状況について
令和7年度の農林水産業への新しい担い手である新規就業者と企業参入の状況をあわせてご報告いたします。
まず新規就業者については、農林水産業合わせて454名です。目標を440名としているのですが、最近の数字から見ると少し減っています。自営と雇用の割合で、自営が少し減っているのが影響していますが、雇用の方は引き続き堅調ではないかと見ています。特に林業や水産業の雇用は令和6年度より増えているのですが、自営が減ってきており、全体として少し減っているということです。自営については、物価高騰によって就業時のハードルが上がっているということも一因ではないかと考えられますので、就業希望者の実情に応じた、支援制度の活用を積極的に進めていきたいと考えています。
なお、令和7年度は、就業相談件数が1,661件と過去でもっとも多く、今年の農業大学校への入校生も増加するなど、農林水産業への関心は高いと考えております。今後も、農林水産業の魅力発信、それから収益の上がる、儲かる農業というのが、だんだんと確立されてきていることを発信しながら、就業体験の提供、そして研修開始から就業までを産地と一体となって切れ目なく支援することで、新規就業者の確保に繋げてまいります。
続いて、農業への令和7年度の企業参入についてです。
本県では、地域をけん引する中核的な経営体の確保・育成を基本目標に、農業への企業参入に力を入れてきました。「農林水産業元気づくりビジョン2024」においても、こうした取組を重要な柱に位置付け、中核的な経営体となり得る一定規模以上の参入を対象とし、年間に6件、令和15年度までに60件の参入を目標としております。
令和7年度は、ちょうどその目標の6件の参入がありました。
梅やキウイ、スイートピー、バジル、キャベツ、青ネギ、白ネギ等々、大分県での生産が全国的にも強く、また、全国的に大きいマーケットがあるところに参入をいただいています。
このうち、左下のクライム株式会社は、もともと佐賀県の企業なのですが、由布市で20haの青ねぎ生産を計画しています。耕作者不在が見込まれる農地を活用することで、中山間地域が抱える課題解決に寄与するものとして、大いに期待しています。
大規模園芸団地に向けた計画的な整備や企業参入により、雇用型の農業就業者も増えています。また、こうした取組が新たな産地を作るという好循環にもなります。こうした流れを、地域の産地づくりや雇用創出、そして、農林水産業の成長産業化、収益の上がる農業の取組ということで、進めていきたいと思います。
小田開発工業株式会社は建設業ですが、キウイに参入しています。こちらは、高校や大学の野球経験者のためにチームを作って、ゆくゆくは建設業や農業事業で活躍してもらいましょうという取組をしています。女性活躍や、繁忙期の人員確保や地域活性化にも取り組んでいただいています。ちなみにキウイは、植えてから3年ぐらいしないと収穫できませんが、そういった息の長い取組をしていただいています。
配 布 資 料:令和7年度 農林水産業の新規就業者の状況 [PDFファイル/304KB]
令和7年度 農業への企業参入の実績 [PDFファイル/749KB]
記者質問
令和7年度移住支援策による移住者数について
(記者)
福岡県からの移住が多い要因及び、日田市への移住が多い要因は何か。また、県全体の移住者が増加している要因、ポイントとなる取組などはあるか。
(記者)
市町村別で見ると、例年同じような傾向があり日田市が多いです。福岡県に隣接しているということがあると思います。また、継続的に移住施策に取り組んでおり、例えばNPO法人リエラさんというところと行政が一緒になって移住体験ツアーを行うなど、移住希望者へのサポートがしっかりしており、一体となって取り組んでいるところが大きいと思います。
次が大分市ですが、これは自然もあり、また都市の利便性もあるということです。あとはやはり産業や商業地が多いので、雇用も確保しながら暮らしやすいということですね。
それから由布市が次に多いのですが、ここはやはり大分市にアクセスしやすいというベッドタウン的なところもあると思います。そして湯布院などの自然や温泉もあり、都市の利便性と観光、暮らしやすいということが特徴だと思います。
さらに移住を増やすためには、やはり先ほどのような移住支援策を充実することも必要だと思いますし、特に若い子育て世代の方々に移住してもらうという点では、子育てのしやすい環境が整っているということが非常に大事だと思います。もう1つは、働く場ですね、収入の場があることが大前提になりますので、企業誘致なども合わせてということになると思います。働く場が確保できるような産業振興が大事です。
大分県下で人口が増えているところは、大分市の大在、鶴崎、坂ノ市地域です。企業立地や、既存の事業所が能力を増強していることもあり、それに応じて移住した方がいます。それから大在東小学校が2024年に開校するなど、街が大きくなっています。企業が立地しているというところは大きいと思いますので、いろんな施策を講じながら社会増も取り組もうと思います。
(記者)
単身の移住が多いと思われるか。
(佐藤知事)
移住者に比べて世帯数が多くないことから、単身や少人数の方が多いと思います。これから子育てする方などが多いのではないかと思いますが、家族で移住する方もいますのでそちらも増やしていきたい。
記者)
全国的に競争が厳しい中、移住者を延ばすポイントとして考えていることはあるか。
(佐藤知事)
魅力ある地域を作っていくことですね。ただ魅力といっても、住む魅力や、子育てがしやすい、安全安心に暮らしていけるなど、いろんな意味での魅力を作ることが基本だと思います。
一方、インセンティブを高めることも大事なので、大分県独自の制度として、東京圏外からの移住に対する支援措置や、スキルアップ移住についても生成AIコースを令和8年度から作っています。こういった資格を取得すると比較的どこに住んでいても、資格を活用してオンラインで仕事ができます。また令和8年度から、簿記や宅建、調剤薬局事務、令和7年度にはファイナンシャルプランナーなどの資格が取得できるスキルアップ移住の支援を行っています。語学習得への支援も令和8年度から始めました。外国から観光でお越しになる方が増えていますので、ニーズも高いということです。こういったスキルアップをしながら移住をしてもらう仕組みです。
また、特に富士通さん等と一緒にずっとやってきているのが「転職なき移住」です。会社を辞めず、仕事等はこちらでできて、月に1回くらい本社に行くというような働き方です。働き方のバリエーションを広げていこうということで、毎年そういった取り組みをする企業に集まっていただき、どういうビジネスモデルで進めているかというのを報告してもらっています。また、そういうビジネスプランで働いている方々の体験も話してもらうなど、いろんな取り組みをしています。
それから、やはり広域交通ネットワークがしっかりしているのも実は大事なことです。先ほどの、月に1回くらい本社に行かないといけないというときに、4~5時間かかるとなかなかきついのですが、座って3時間くらいで行けると非常にハードルが下がりますので、広域交通のネットワーク整備も、移住促進の上では非常に重要だと思います。
部活動における生徒輸送時の事故防止について
(記者)
福島県でマイクロバスでの高校生の死亡事故があったが、知事としての受け止めは。
(佐藤知事)
高校生が1人亡くなられたということで、お悔やみと事故に遭われた方にお見舞い申し上げたいと思います。
安全確保が何より重要ですので、今回、教育委員会から学校に対して注意喚起すると聞いています。まずは現場で、1つ1つの移動や、取組の際に安全の確認・点検して、こどもたちの安全を確保しながら活動をすることが、大事だと改めて感じたところです。
(教育庁次長)
レンタカーを運転する場合には校長が運転者の免許や運転経験、事故歴等を確認して認める、または、バス会社やタクシー会社等いわゆる二種免許を所持している人に運転してもらうように規定を定め、徹底しています。
本県では、平成23年に日出ジャンクション付近で事故が発生して以来、特に大きな事故はありませんが、改めて今回の事故を受けて、文書を出して徹底するようにしています。
中九州自動車道の整備について
(記者)
半導体ベルトなどの期待も高まり、国内外で注目を浴びているが、改めて整備の必要性や意義について、知事の考えを伺いたい。
先日、報道会社主催の座談会で熊本市の大西市長が、10年ぐらいで全線開業、開通させるくらいの気合いがないとアジアでは生き残れないと発言されたのですが、佐藤知事としてはどれくらいの期間内に全線開通をさせるべきだと考えているか。
(佐藤知事)
やはり10年のうちには開通してもらわないといけないのではないかと思います。
本年度、滝室坂道路が開通予定です。開通しても、そんなに時間は変わりませんが、山越えのためすぐ不通になり、熊本のTSMCと大分との行き来が大回りしないといけない状況でした。それが改善されるという意味では、交通の円滑化が進められると思います。大分と熊本の間は120キロありますので、これを可及的速やかに全線開通させることが重要であり、4月の終わりにも国土交通省に行き、改めて早期の全面開通、完成について要請したところです。
大分側では、犬飼と宮河内のところは、環境影響評価中ですが、もうすぐ2年経ちますので、次はいよいよ事業着手になります。事業計画を作って事業着手するまでにもう少し時間がかかりますが、これを極力短くして、早く事業に着手していただきたいです。着手した後は、予算に応じて進捗スピードが決まりますので、県も負担しますが、最優先で進めてもらうべく引き続き国に要請します。
効果としては、もちろんTSMCをはじめ熊本側の半導体企業、それから大分側では松岡の株式会社ジャパンセミコンダクターや、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社など、様々な半導体関連企業が一体となり、九州の新生シリコンアイランドの中核をなす、ベルト地帯がこの中九州横断道路になってくると思います。
県北の方にはルネサスエレクトロニクス株式会社やTOTOファインセラミックス株式会社等いろんな半導体の関連企業がありますが、九州の中の横断軸を形成する中九州横断道路が、九州全体の新生シリコンアイランドの中核の道路になると考えています。
竹田や豊後大野など、どちらかというと今まで農業地帯であった地域の産業化のニーズも出てくると思います。また、竹田や豊後大野はトウモロコシ、甘太くん、トマト、カボスなどいろんな農産物が生産され、それが関西方面に出荷されています。その出荷の時間が短くなるので、マーケットが広がるなど農林水産業についても、大きな効果が期待できます。そのため、可及的速やかに完成させることが望まれます。
(記者)
竹田阿蘇道路に関しては、いつ頃までの開通を望まれているでしょうか。
(佐藤知事)
木村熊本県知事も、早くやっていく必要があると話しています。大分県側は事業着手していますから、早く進むことを期待しています。
(記者)
中九州横断道路と豊予海峡との繋がりについて期待されていることは。
(佐藤知事)
宮河内から東に伸ばすと、佐賀関に着きます。そこから豊予海峡を通じて四国の佐田岬に上がり、佐田岬からメロディーラインはほとんどノンストップで保内インターチェンジまで行けます。豊予海峡を繋ぐだけで、中九州横断道路と四国の高速道路ネットワークが繋がることが期待できます。それにより、半導体で言うと四国の新居浜にある住友化学株式会社や、西条のフジボウ愛媛株式会社の研磨剤の工場などと繋がります。さらに、四国から関西まで繋がると、産業面での大きな効果も期待できます。
また、リダンダンシーの確保や観光、様々な面で非常に大きな効果が期待できると思いますので、「中九州横断道路の完成」で終わりではなく、その先に中九州横断道路と九州の高速ネットワーク網と、四国の高速ネットワーク網を豊予海峡ルートによって繋がるということが、西日本全体の発展に非常に大きな効果があると期待しています。
4月21日に発生した日出生台演習場における戦車の砲弾破裂事故について
(記者)
大分県平和運動センター等から原因究明と再発防止を防衛省に求める要請を受けての県の対応や進展は。
(佐藤知事)
いまのところ進展はありません。今は原因究明と再発防止を自衛隊の中で検討しているのではないかと思います。
日出生台演習場における米軍実弾射撃訓練の使用火器見直しについて
(記者)
説明を受けての県の対応は
(佐藤知事)
負担が前よりも小さくなるという説明を受けていますので、そのような状況になるかどうかを検証しています。
佐賀関大規模火災について
(記者)
今月で半年となるが、現状の復興支援についてどう見ているか。また、県として今後、支援などで取り組むことがあれば教えていただきたい。
(佐藤知事)
連休中に早吸日女神社のお祭りでたくさんの方が集まり、復興を支援していこうというメッセージが発信されたと聞いています。
大分県でも、令和8年度予算でコミュニティ維持のための予算や、道路整備を農山漁村地域整備交付金の予算を使って国と県と市とで一緒になって取り組む予定です。
関ばっくす(SEKI BACKS)のカフェの運営支援や、コミュニティやインフラ復旧を引き続きやっていきます。大分市から説明を受けながらいろんな支援をしており、技術的なアドバイスもしてきています。国道交通省九州地方整備局も一緒になって取り組んでいます。
これから長い時間がかかると思います。いろんな要望・リクエストが出てきているので、調整するのは主に大分市の役割になりますが、やはり、被災者の方々にしっかり寄り添った取組というのが重要だと思います。
大分県も、大分市をはじめ関係者と連携しながら取り組んでいきたいと思います。
人口減少への対策について
(記者)
人口減少に対する対策をどのように進めていきたいか
(佐藤知事)
人口減になかなか歯止めがかからないことは全国でも同じ状況であります。よく、人口が減少した、縮小した社会を見据えて、その社会に見合った取組をすべきだという議論があるのですが、そういう議論は危険ではないかなと思っています。といいますのは、人口減がどの辺で収束するかという見通しが立たないためです。
大分県では、今、生まれてくるお子さんが6,000人弱、亡くなる方が1万6,000人くらいいますので、本県は110万を切るくらいの人口ですが、毎年1万人くらい減ってくる状況です。さらに人口コホートを考えると、その1万人というのがどんどん増えていくフェーズが続くと思います。そうすると、100年経つと人口がゼロになるわけです。ですから、やはりどこかで人口減に歯止めをかけて反転させなければならないということになると思います。
人口減少対策は、社会増と自然増のそれぞれに対して講じる必要があります。
社会増に対しては、先ほどのような、移住や定住、交流人口の増など、大分県に魅力を感じてもらう人が増えて、住んでみたい・訪れてみたいという方を増やしていく施策が有効です。
自然増に対しては、まず「健康寿命日本一」という目標を掲げており、多くの高齢者の方々が元気で明るく、健康に過ごしてもらう期間を伸ばしていくために、健康教室や、減塩・野菜を食べましょうとか、健康アプリ「あるとっく」など、健康を伸ばしていくためのいろんな取組を行っています。
そして、こども子育て支援を充実することで、亡くなる方が1万6,000人、生まれてくるお子さんが6,000人ですが、例えば亡くなる方が1万人まで減り、生まれてくるお子さんが1万人に増えてくると自然増に転じることができますので、そういう方向になるように、生まれてくるお子さんをプラスに転じるための施策をやっていく必要があると思います。
結婚した方は平均で2.7人くらいお子さんが欲しいと聞きますし、これが3人生まれるとなると人口増に転じます。生まれてくるこどもが少ないというのは、結婚する人が少なくなっているというのが大きな理由です。従って、先ほどの、婚姻数を増やしていくための施策をしっかりやっていくことが大事だと思います。それは先ほどの婚活でありますとか、そういう形で、結婚する方々を増やしていくための施策をしていきます。
それから希望は2.7人ですが、実際にこどもを産んで育てようとならないのは、やはり経済的な負担が大きいとか、将来への不安があるということです。将来の見通しで一番大きいのは、やはり賃金が上がり生活がしっかりできるという見通しが立つということで、物価と賃金の好循環、これをしっかり作っていくということです。
また、経済的負担について、大分県はおそらく全国の中でもかなりしっかりした施策が今もできていると思いますが、例えば、小さいときは保育料やこどもの医療費、それから給食費や学校にかかる費用などできるだけ負担を下げて、経済的な負担をあまり心配せずに、お子さんを育てたいという希望に沿うような、施策の充実をさらに図っていきます。
保育料も第二子以降は0歳から無料になっています。全国では3歳から無料ですので、大分県は手厚いのですが、そういった経済的負担の軽減について、さらにどう充実させていくかです。
やはり若い人たちがこどもを産んで育てようと思える社会というのは、例えば高齢者が安心して元気で暮らしている社会であれば、自分たちの将来も明るいのでこどもを産んで育てようとなりますし、障がいを持つこどもたちも社会みんなで明るく育てているというような安心感のある社会にしていかないといけません。自分の将来が暗いかもしれないから、こどもを産んで育ててもこどもがかわいそうだなと思われる社会だと出生率は上がってきませんので、未来に向けて希望を持ち、安心してこども子育てができる県、国だと思ってもらえる社会をどのように作っていくかということです。
1つ1つ分解するといろんな施策があるのですが、それを吟味、精査をしてさらに充実すべきところはないかということで、4月からこども政策局ができました。子育て満足度日本一、障がい者活躍日本一、健康寿命日本一を掲げていますが、こういう取組によって、人口減少のうちの自然減のところを何とか歯止めをかけて反転させるという取組を、これから強力にやっていかなければならないと思っています。
社会増減もやはり同じで、取り合いになっているイメージがありますが、そうではなく、魅力があり選んでもらえる県づくりをする必要があります。場合によっては交流人口も増やすということで、例えば2か所住みという方も増えると思います。豊かになると、月曜から金曜は都会のマンションで、土曜と日曜は少し緑に囲まれたところが良いというライフスタイルの方も増えてきますので、そこに応えられることも大事です。そう考えると、働き方と併せて広域ネットワークもしっかり作っていくことも大事だと思います。
色々お話ししましたが、何とか人口減社会に歯止めをかけて反転させる取組が、今まで明かりが見えなかったのですが、婚姻数が増えているというのはほのかな明かりではないかなと思っています。
婚姻数の増は1位が東京都なのですが、出生数も増加に転じていますが、これは10数年ぶりだそうです。小池東京都知事がチルドレンファーストの政策を中心にずっとやってきた成果がやっと見えてきたとのことで、出生数が2025年1.3%増、婚姻数が4.8%増とのことです。
大分県の出生数は減少傾向にありますが、その減少幅は縮小しています。婚姻数は全国2位で4.4%増でした。東京都は若い人が入ってくるから、婚姻数も当然増えるだろうという議論もありますが、大分県はそうではなく増えてきていますので、いろんな取組が少し効果を示してきているのかもしれません。人口減の中で、生まれてくるお子さんを何とか反転させるというところを中心にやっていきたいと思っています。
人口ビジョンについて
(記者)
人口ビジョンでは、2035年に100万人維持を目標としているが、現状の推移をどのようにみているか。
(佐藤知事)
100万人を維持するというのは、今のトレンドでいうとやはり難しいです。1万人以上減ってきていますし、これから人口コホートが上がっていくと、亡くなる方が増えます。団塊の世代の大きい山があるのですが、そこが亡くなる世代に入ってきます。生まれてくるお子さんはずっと減っていますし、結婚する人が増えた世代もありません。その中で成婚数を増やして、生まれてくるこどもを増やすということですので、人口コホートで考えるとより困難になります。
人口減がしばらく続くのは間違いないので、100万人を維持するというのは大変高いハードルとは思います。ただ、明かりが見え始めているのではないかというふうに思っています。そこを何とか確かなものにできるかですね。そういう意味では2年連続続けて成婚数が増えるかどうかを注目したいなと思っています。
もう1つは働き方改革が大事です。お父さんとお母さんが一緒になってこどもを育てる環境がもっとできると、お子さんの数を増やそうというところが増えたりすると思います。そのためには、女性も子育てをしているけれど周りがサポートをして、仕事を頑張りたい人もしっかり仕事ができ、仕事の上で不利にならないような環境ができていることも大事ですし、それから男性もしっかり育児を一緒にやるために男性の育児休業などの制度も必要になってきます。
中小企業だと、育児休業で業務が回らなくなるというところがあり難しいのですが、まず公共部門である県庁がモデルを示して、そしてそれが広がっていくような取組をしていくことも公的な役割として大事だと思います。働き方改革で、ライフワークバランスも取れ、子育てもできて、男性も女性も活躍できる社会をどのように作っていくかということになります。
豊予海峡ルートにおける道路トンネルの検討結果について
中東情勢について
(記者)
燃油高騰・物価高の影響により、企業の撤退・倒産に対するフォローはどのように考えているか。
(佐藤知事)
燃料代や資材の高騰だけではなく、調達が困難になっているという話も入ってきていますので、改めて状況を把握して国に届けたいと思います。国は全体としては足りているとメッセージを出しています。それはそれで正しいとは思いますが、実際は思っているより厳しく、調達できずに出荷ができないとか、例えば農薬・肥料が調達できなくなるとその次の年の生産に影響が出るのではないかという声も聞きます。改めて、そういうところはしっかり聞きとっていきたいと思います。
そして、金融の窓口も商工観光労働部はもちろん、農林水産部と両方に設けていますので、事業者の方はぜひ相談していただきたいと思います。調達できないというのは本当に困ると思います。農業用の資材や食品加工品を出荷するための資材などが足りずに、調達できなくなる可能性があると、先月末くらいからそういった話を聞きますので、しっかりと対応していきたいと思います。
(記者)
参入企業の撤退状況などは把握しているか。
(農林水産部審議監)
中東情勢の直接の影響としてはありません。
(佐藤知事)
報道等で撤退の事例は承知しています。





