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ようこそ知事室へ

令和8年6月2日知事定例会見

印刷ページの表示 ページ番号:0002333966 更新日:2026年6月2日更新

動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ                                    
日時:令和8年6月2日(火曜日)13時30分~
場所:第一応接室

記者会見時に配布した資料を掲載します。

記者会見

 

台風第6号への備えについて

台風第6号が現在北上しており、本日(令和8年6月2日)の夜のはじめ頃に本県へ最も接近する見込みとなっています。土砂災害に厳重に警戒していただき、低い土地の浸水や河川の増水、氾濫にも警戒してください。

先月末(令和8年5月末)に気象庁が発表した新しい防災気象情報に注意し、最新の気象情報や自治体からの避難情報を確認してください。高齢者等はレベル3までに、それ以外の方はレベル4までに危険な場所から離れるようお願いします。また、自宅周辺の安全な避難場所やハザードマップの確認、食料等の備蓄などの備えをお願いします。

報道もされていますが、本日(令和8年6月2日)午前9時半に佐伯市で避難情報が出ています。現在、津久見市と佐伯市に災害対策連絡室が設置されています。今の状況は以上のとおりですが、これから台風が近づいてくると、また様々な対応が必要になる可能性もありますので、よろしくお願いいたします。

第167回九州地方知事会議及び第49回九州地域戦略会議の結果について

令和8年5月27日、28日に山口県下関市で開催された九州地方知事会議および九州地域戦略会議についてです。これらの会議には九州・山口の各県が参加しており、私も参加してきました。関係県全ての知事が参加し、有意義な意見交換ができたと思います。

九州地方知事会議では、国に要望する15項目を決定しました。中東情勢に伴う燃料等の供給確保、中小企業の経営支援、広域道路ネットワークの予算確保等が盛り込まれています。

また私からは、令和7年11月18日の佐賀関の大規模火災の際に、熊本県と福岡市から防災ヘリによる消火支援をいただいたことへのお礼と、九州各県の皆様から寄せられた義援金等へのお礼を申し上げました。

九州地域戦略会議は、現在は九州経済連合会の池辺会長と、九州地方知事会の河野会長が共同議長を務めています。会議では「第3期九州創生アクションプラン」の7つのプロジェクトについて、進捗状況の報告や取組の議論を行いました。

大分県は「防災・減災対策高度化プロジェクト」のリーダーを務めているため、私からは、南海トラフ地震を想定した九州各県との広域連携訓練の状況や、佐賀関の火災の際にドローンが熱源探査で非常に威力を発揮した事例など、先端技術を活用した取組について説明しました。

その後、久留米市でも森林火災があり、服部福岡県知事からも「久留米の火災のときもドローンで熱源を探査し、そこを集中的に防災ヘリで散水して鎮圧した」というお話がありました。今後もそのような先端技術を活用した防災対策が重要であるという議論になりました。

また、九州地域戦略会議として、新生シリコンアイランド九州の実現のためにインフラを整備すべきであり、そのための財政支援をしっかりとしてほしいという国への要望を決議しました。

私からは、広域的な道路ネットワーク(例えば中九州横断道路や豊予海峡ルートなど)は半導体産業のみならず、九州で非常に重要な産業となっている自動車産業や農林水産業の販路拡大、観光振興など、様々な面で大変重要であるというお話をしました。特に、平成30年の西日本豪雨で山陽自動車道が寸断された際には、国道九四フェリーの利用台数が最大で6割も増加し、リダンダンシー(多重性・予備手段)の確保という意味でも、強く豊かな日本列島をつくるために両地域をつなぐ豊後伊予道路、いわば「豊予海峡の道路版」を国が主体となって進めていくことが重要であるというお話もしました。

今後とも、この九州地方知事会議と九州地域戦略会議を通じて経済界と知事が一緒に議論する場を積極的に活用していきます。このような場は、様々なブロックの中で九州・山口だけだと思います。これを積極的に活用して九州全体の発展のための議論を深め、本県の声についても国に届けていきたいと考えています。

「基本計画路線に係るケーススタディ」への参画に向けた東九州新幹線鉄道建設促進期成会の決議について

九州地方知事会議および九州地域戦略会議の際に、「東九州新幹線鉄道建設促進期成会」に関係する知事が集まりましたので協議を行いました。

この期成会には、鹿児島県、宮崎県、福岡県、大分県の知事と、北九州市長が加入しています。北九州市長は九州地方知事会のメンバーではありませんが、期成会のメンバーであるため出席いただき、臨時の会議を開きました。

国土交通省は今年の予算で初めて基本計画路線に係るケーススタディを行うこととしています。東九州新幹線整備の実現を促進するため、4県1市が連携を一層強化してその参画を目指すことを決議しました。

これまでも宮崎県の河野知事とともに私が一緒に東九州新幹線の要望を行ってきましたが、首長がこうやって勢揃いして思いを共有し、これから一緒に取り組んでいこうという確認・決議ができたのは初めてのことです。一歩前進であり、大変有意義であったと思います。

東九州新幹線等の基本計画路線の整備が、国家プロジェクトとして進められることが重要だと考えています。このような機会を通じて、また働きかけを強めていきたいと考えています。

令和9年度政府予算等に関する要望・提言活動について

明日(令和8年6月3日)から、令和9年度の予算等に関する国への要望・提言活動を行います。

まずは、中東情勢を踏まえた物資の安定供給の確保と価格高騰の抑制に向けた必要な対策を要望します。

次に、佐賀関の大規模火災からの復興に向けた道路整備予算の確保、そして、医療的ケア児に係る支援の拡充を新たに盛り込んでいます。

広域交通ネットワークについては、東九州新幹線の整備や、高規格道路の早期完成として中九州横断道路、中津日田道路、豊予海峡ルートなどについても対応を求めていきます。

その他にも、現在も雨が心配されますが、災害に対応するための県土強靱化の推進、物価高騰により厳しい状況にある県内の中小企業への支援、観光振興、農業・農村等の整備、遠隔教育の推進などを盛り込んでいます。

遠隔教育については、何度かご説明していますが、来年にかけて県内すべての普通科に広げていく予定です。しかし、現在の制度では配置した教員が定数の中に含まれていません。したがって、現在は県の単独予算で配置した教員の予算措置を講じています。加配定数があれば良いのですが、加配定数の総枠が増えていないため、結局は県単独で措置することになります。これを定数として中に入れてほしいということをずっと求めてきましたが、まだ実現できていないため、そのような要望を行っていきます。

令和9年度予算に向け、これから「骨太の方針」なども議論されますので、必要な内容がしっかりと反映されるよう、精力的に取り組んでまいります。

​配 布 資 料:政府予算等に関する要望・提言活動について [PDFファイル/321KB]

令和8年度一般会計6月補正予算案(第1号)について

今回の補正予算ではまず、中東情勢の影響を踏まえ、国の対策と歩調を合わせLPガス料金等の支援を行います。また、事業者の資金繰り支援や、中東情勢等により中長期的に効果がある省エネ設備の導入などを支援します。さらに、後ほど詳しくご説明しますが、宿泊税の導入に向けて6月議会に条例案を提出したいと考えていますので、そのための環境整備の予算を計上しています。

補正額は、補正概要にある通り75億9,696万4千円の増額で、補正後の予算総額は7,376億5,496万4千円となります。

財源はその下の「歳入の内訳」にある通り、重点支援地方交付金が40億7,871万1千円、おおいた元気創出基金繰入金が5億1,825万3千円、その他諸収入として30億円となっています。

補正事業の内容について、特にいくつか新しいものをご説明します。

(1)中東情勢の影響などを踏まえた対策についてです

まず「LPガス等価格激変緩和対策事業」です。これまでも何度か実施してきましたが、今回も措置することとし、4億3,683万円を計上しています。国の電気・ガス料金支援と歩調を合わせ、LPガス料金等の支援を行います。期間は令和8年7月から9月の間で、支援額はLPガスで1契約当たり580円です。中小企業などが使用する特別高圧については、1キロワットアワー当たり1.8円から2.3円の支援を想定しています。

次に「中小企業金融対策費」です。予算額は30億4,175万8千円です。中小企業の資金繰り支援として、保証料率がゼロの経営環境変動対応融資の枠を、現在は100億円用意していますが、足りなくなる可能性あるため、この融資枠を200億円に拡大するための予算です。

3番目は「社会福祉施設等省エネルギー化緊急支援事業」で、14億9,391万6千円です。エネルギー価格の高騰下でも安定的に社会福祉サービスを提供できるよう、社会福祉施設等が行うLED照明などの省エネ設備の導入を支援します。

これには「賃上げ枠」を設け、賃上げをしやすい環境づくりと合わせて措置しています。

以降に「新」と記載されている事業は、ほとんどのケースで賃上げ枠を設けます。

4番目と5番目は「農林水産業の支援」です。

4番目は「農林水産業燃油・物価高騰対策緊急支援事業」として7億8,062万3千円を計上しています。農林水産業者の経営安定を図るため、ハウスの温度を調整するヒートポンプなどの省エネ設備の導入を支援します。また、供給不足や価格高騰により入手が困難になっている尿素や化学肥料の代わりに、堆肥由来肥料などの緊急的な購入を支援するための予算も含まれています。

5番目は「自給飼料生産拡大対策事業」で、5,617万5千円です。畜産農家の経営改善を図るため、牧草や飼料用米、トウモロコシなどの自給飼料の生産拡大を支援します。

6番目は「中小企業等エコエネルギー導入緊急支援事業」として7億3,380万円を計上しています。中東情勢のリスクを緩和し、影響を受けにくい体制を整えるため、中小企業が行う太陽光発電などのエコエネルギーの導入を支援するものです。こちらも賃上げ枠を設けています。

7番目の「おおいたグリーン事業者認証推進事業」は1億2,040万円です。脱炭素化に取り組む「おおいたグリーン事業者」に対する省CO2設備の導入補助について、補助率を引き上げるなどして助成制度を拡充します。

8番目の「県産食材県内消費拡大緊急対策事業」です。これまでも「全国豊かな海づくり大会」の後に県産魚の消費拡大などを行ってきましたが、今回は1億7,700万円を計上しています。食材価格が高騰していることから、学校給食における県産農林水産物の購入経費を助成するものです。

 次は(2)の宿泊税についてです。今回の議会で大きなテーマになります。

宿泊税については、18市町村長と知事による「新しいおおいた共創会議」において、各市町村長から「導入については県が一括して行ってほしい」というお話をいただきました。分配や用途をどうするかなど様々な議論を重ねてきましたが、県と市町村が持続的に観光施策を実施する上で、宿泊税を導入すべきという結論に、共創会議でも、専門家の検討会議でも至りました。そのため、今期の議会に「宿泊税条例」と、宿泊税として入ったお金を一時的に積み立てる「宿泊税基金条例」の2つの条例案を提出する予定です。

あわせて、この導入に向けた環境整備が必要であるため、必要な予算を計上しています。

9番目の「宿泊税導入支援等環境整備事業」は6億6,753万6千円です。宿泊税の徴収環境を整えるため、特別徴収義務者となるホテルや旅館などの事業者が行うレジシステムの改修等を支援します。また、リーフレットの作成・配布などにより、宿泊者向けの制度周知に取り組みます。

10番目の「県税システム改修事業」は4,779万8千円、11番目の「税務業務アウトソーシング推進事業」は1,556万7千円です。県税の総合情報管理システムを改修したり、申告情報の入力業務を外部委託したりするなど、宿泊税の導入に必要な県側の体制を整備するものです。宿泊税については以上です。

最後に12番目の「県営都市公園施設整備事業」です。

ハーモニーパークは県の公園になっていますが、ここに2,556万1千円を計上しています。ハーモニーパークはゴールデンウィークなどに周辺道路が渋滞します。それを緩和するため、現在は駐車場に入るところで駐車料金の支払いの手続きをしてから入場する仕組みになっており、そこで車が詰まって渋滞が発生しています。そのため、指定管理者が行う車両ナンバー読み取り機の設置や、駐車場入場ゲートの改修等を行い、混雑を解消してスムーズに駐車場へ入場できるようにします。

​配 布 資 料:令和8年度一般会計6月補正予算案(第1号) [PDFファイル/727KB]

"Stanford e-Oita College program"の募集開始について

これまでも高校生を集めてスタンフォード大学SPICEとの間でオンライン教育プログラムを実施していますが、昨年、県内大学の学長等に集まっていただき意見交換をした際、「大分県の大学生等に向けてもスタンフォード大学SPICEのオンライン講座を実施してほしい」というご意見をいただきました。

そこで「Stanford e-Oita College program」を今年の10月から開講することを決定し、本日から受講者の募集を開始しました。

募集定員は30名で、受講料は無料です。県内には11の大学・短期大学・高等専門学校がありますが、そこから学生を募集します。授業はすべて英語で行われるため、応募要件として英検2級相当以上の英語力を有することとしています。

内容は、1回90分の講義を全10回行います。今年のテーマは「ダイバーシティ(多様性)」と「アントレプレナーシップ(起業家精神)」です。ゲストスピーカーによる講義や参加学生同士のディスカッションを行い、最後に学生の皆様から締めくくりのプレゼンテーションを行っていただき、修了者にはスタンフォード大学SPICEが修了証を発行します。

スタンフォード大学はシリコンバレーの真ん中に位置し、シリコンバレーの「知の拠点」となっている大学です。ぜひ県内の大学等から多くの学生に参加していただき、グローバルな思考や行動を生み出す契機となることを期待しています。

​配 布 資 料:Stanford e-Oita College programチラシ [PDFファイル/686KB]

大分県総合防災訓練の実施について

大分県総合防災訓練を、令和8年6月5日金曜日に実施します。14時からは、南海トラフ地震が発生したという想定で図上訓練を行います。そして16時からは、私と各部局長が参加して災害対策本部会議の運営訓練を行います。

今回の訓練では、能登半島地震を踏まえた防災対策の強化として、次の3つのテーマを掲げています。

1点目が「孤立集落対策の強化」、2点目が「被災者支援の強化」、3点目が「応援・受援体制の強化」です。これらのテーマごとの対応手順や連携の確認を行っていきます。

これから梅雨に入ります。平年でいうと6月4日ごろに梅雨入りとなりますので、出水期を迎えるタイミングです。南海トラフ地震は地震災害ですが、県庁内、そして防災関係機関と連携しながら、このような体制の強化や連携方法についての訓練を行っていきたいと考えています。

​配 布 資 料:令和8年度 大分県総合防災訓練(図上)の概要 [PDFファイル/231KB]

記者質問

台風第6号への備えについて

(記者)

現時点での台風の被害情報と、県側の対応体制(災害対策本部の立ち上げ準備や市町村との情報連携など)について。

(佐藤知事)

まだすぐに災害対策本部を立ち上げるという状況ではありませんが、県災害対策連絡室を設置し、各市町、特にすでに設置している佐伯市や津久見市などと連携を図る体制を整えているところです。今のところ、目立った被害等の情報は入っていません。

令和8年度一般会計6月補正予算案(第1号)について

(記者)

補正予算案にある省エネ促進などのエネルギー政策に関連して、現在の中東情勢を踏まえた大分県のエネルギー政策や多角化への見通しは。

(佐藤知事)

中東依存度を下げなければならないという議論は、過去のオイルショックなどの際にもなされてきましたが、平時になると元に戻ってしまい、また現在の状況を迎えています。

もちろん、90日分の備蓄などの対策はとられてきましたが、より中東依存度を下げていくこと、そして自然エネルギーの活用を進めていくことが重要です。その一つとして、太陽光発電と蓄電池をセットで使用するなどの方法があります。

また、省エネを進めていくことも不可欠です。自動車を例に挙げると分かりやすいですが、昔は1リットルあたり9キロや10キロしか走らなかったものが、今では30キロも走るようになっています。これは省エネが進んだ結果であり、非常に効果があります。そのため、高効率の給湯器などの導入をさらに進めていくことも、世界のエネルギー情勢の変化に強い社会をつくっていく上で大事なことです。

大分県には特に地熱などの、日本で一番豊富な資源がありますので、そのようなものの活用をより進めていくことも大事です。

それから、LPガス(液化石油ガス)の施策も盛り込んでいます。LPガスは地域ごとに事情が随分異なるため、国ではなく県単位で実施することになります。LPガスはもともと中東からの輸入が中心でしたが、現在はシェールガスの台頭により、主な輸入元はアメリカ、カナダ、オーストラリアとなっています。つまり、中東のような紛争地域ではない先進国からエネルギーを調達するルートを増やしていくことが、エネルギー体制を強固にする上で非常に重要です。環境にもLPガスの方が優しいという面もありますので、ここをしっかり進めていくことになります。

一方で、ポリエチレン(電線の被覆材などに使用するもの)の原料となるナフサなどは石油からしか作ることができません。これらについては安定供給が必要です。しかし、連休前あたりから調達が難しくなっており、例えばナフサの誘導品であるシンナー(トルエンやキシレンなど)は実際に調達できない可能性が出てきています。塗料が作れなくなると、橋などの防錆塗装ができなくなり、様々な工事が止まってしまいます。

そのため、私たちは声をすべて集めて国に伝えています。実際には九州経済産業局が窓口となっていますので、個々の事業者から「いつもどこから調達していたものが、どこで調達できなくなっているか」という具体的な情報まで連絡するようにしています。それを受けて九州経済産業局から供給元に対して、どのような状況なのかを一つずつ確認してもらっています。九州地域では、九州経済産業局が目詰まりの起こっているところをほぐす作業を行っています。総量の問題と、目詰まりの問題や一部で起こっているかもしれない買い占めなども、合わせて丁寧に解消していくことが大事です。

このような取組を進めながら、融資枠を100億円から200億円に広げる金融措置を講じます。保証料ゼロの融資を措置し、リーマンショック並みのインパクトがあるのではないかという観点から、当時と同等の金融措置に拡充しました。緊急事態に直面している中小企業の皆さんには、何とかこれで乗り切ってもらいたいと考えています。

(記者)

宿泊税の導入に関する条例案がいよいよ議会に上程されるが、改めていつから導入したいと考えているか、また知事の決意や活用方法について。

(佐藤知事)

新たな税の負担をお願いすることになりますので、慎重に議論しなければならないと考え、新しいおおいた共創会議においても2回にわたり議論や報告を行いました。また、各地で説明会を開催し、特に徴税の事務負担をしていただく宿泊業者の皆さんにしっかり説明をさせていただきました。

観光はこれからますます重要な産業になっていきますが、それを振興するためには費用がかかります。しかし、市町村によっては人的・財政的な理由から、やりたいことがなかなかできないという地域もたくさんあります。そのため、新しいおおいた共創会議において、県がまとめて徴収し、それを市町村の方にも配分するやり方で進めてもらいたいという要請を受け、その方針で行うことにしました。

配分割合を「県3:市町村7」とすることも新しいおおいた共創会議の中で説明し、その形で分配することになりました。それぞれの市町村に、7割の財源を活用して観光振興をしていただきますが、県全体としての取組や、市町村が連携した取組、さらには県境を越えた取組を求める声も強くあります。例えば、阿蘇や祖母・傾などは熊本県や宮崎県にまたがっています。観光客の皆さんから見れば県境はあまり関係がありませんので、そのような広域の取組をどう進めていくかが大きな課題です。

このような広域の取組については、3割の部分で県が全体を見ながら行ってほしいという強い要望があります。別府市や由布市のようにブランドが確立しているところは、宿泊実績に応じて配分される財源で様々なことができますが、規模の小さい自治体は単独では実施が難しいため、広域でつなげてほしいという要望です。

そのため、(公社)ツーリズムおおいたも体制を強化し、観光局の隣に移転して連携しながら進めていくことにしました。財源の面と体制の面の両方が整備できたので、これから強力に観光行政を進められるのではないかと期待しているところです。

条例案は令和8年6月の議会で審議いただきます。可決していただければ、一番早くて来年の1月頃には導入していきたいと考えています。

(総務部長)

条例ですので、まずは議会で議決していただく必要があります。提案日に詳細な内容を議会に提案する形になりますが、現状の条文上は、成立後一定期間の範囲内で施行することとしており、具体的なスタート時期は正式に知事に決めていただくことになっています。

(佐藤知事)

私の気持ちとしては、来年の早い時期、1月頃には導入できるといいなと思っています。

(記者)

今回の補正予算に上がっているような事業は、将来的に宿泊税が財源として充てられることになるのか。

(佐藤知事)

今回の補正予算の方が時期として先になりますので、仮に令和9年の1~3月に宿泊税が入ってきたときに、それをどう充てるかはテクニカルな部分があります。ただ、次年度以降に宿泊税が措置されていれば、このような予算も含めて宿泊税が充てられることになると思います。全体的な税システムを変える部分と、宿泊税に特化した部分など、いろいろと整理しながら進めていくことになると思います。

(記者)

宿泊税条例とは別に、市町村へ配分するための基金条例も作るのか。

(佐藤知事)

収入としての宿泊税をストックするだけではなく、市町村と分配しなければならないため、そこから市町村へ出していく形になります。

(記者)

市町村側でも別途条例を作る必要があるか。

(総務部長)

市町村側の条例については、宿泊税は形式上あくまで県税ですので、基本的に市町村の条例が必ず必要というものではありません。ただ、県と同じように基金で管理したいという自治体があれば、市町村それぞれの判断で整備されることになると思います。いずれにしても、市町村が条例を作らないとスタートできないというわけではありません。

(記者)

条例が施行されれば、市町村の環境整備を待つ必要はないということか。

(総務部長)

県ですべての事務を行いますので、条例を施行するにあたって市町村が事前にしなければならないことは基本的にはありません。

(佐藤知事)

市町村にお金が入った段階で、それぞれの予算に計上して使っていただくことになります。仕組みとして新しく何かを作る必要は、おそらくないと考えています。

(記者)

県営都市公園施設整備事業において、ハーモニーランドの渋滞対策が盛り込まれている理由は。

(佐藤知事)

ハーモニーランドは、県の都市公園に施設が設営されています。駐車場はサンリオエンターテイメントの駐車場と、県営の駐車場の2つあります。

5月の連休や年末年始の時期には大変な渋滞が発生しますが、その原因は駐車場のゲートで手作業による駐車料金のやり取りや処理を行っているためです。そのため、そこのゲートを無人化するように変更するための予算です。現在、サンリオが指定管理を行っており、ゲート自体は県が管理を委託している形になりますので、県の公園予算で実施することにしました。

民間の敷地内にある駐車場(例えばラクテンチなど)については、それぞれの会社の資金でやっていただくことになります。そこへのアクセス道路をどうつなぐかといった道路政策については、また別途必要になってくると思います。

「涼しいおおいた」くじゅう地域・ユネスコエコパークの魅力発信について

(記者)

観光プロモーション動画で子どもが大人におねだりするような描写があるが、ターゲットは家族ということか。

(生活環境部審議監)

今回の「涼しい大分」のプロモーションは、子どもからお父さん、お母さんに対して「連れて行ってください」と発信することで、若い世代や家族連れをターゲットとして制作しているイメージです。

(記者)

家族や複数世帯をターゲットとした狙いは。

(生活環境部審議監)

観光については、滞在型でできるだけ県内にお金を落としていただきたいと考えています。少人数でも構いませんが、夏休み期間中はぜひ家族連れで来ていただきたいと考えています。

(記者)

冊子は海外向け、動画は家族や複数世帯もターゲットとしているということか。

(佐藤知事)

ちょうど夏休みになりますから、家族が良いのではないかと思います。日本語のものは日本人の家族向けですが、もう一つインバウンドもターゲットにしています。もともとこれを始めたきっかけは、台湾のタイガーエア台湾の会長から「九州の夏は暑いから何とかなりませんか」と言われたことです。「いやいや、大分には涼しい場所がありますよ」ということで、多言語(韓国語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、日本語)でインバウンドの旅行者などにも売り込んでいます。様々な人たちに、ぜひ涼しい大分を知ってもらいたいと考えています。

中東情勢の影響について

(記者)

中東情勢の影響がかなり多くある中で「リーマンショック並み」という言葉があったが、県内への悪影響や危機について、それほどの規模を見込んでいるのか。

(佐藤知事)

相談窓口を設置し、中小企業の方から13件、農業の方からも3件の相談が寄せられています。しかし、実際にはこれは氷山の一角です。私がさまざまな場所に出かけたり、総会シーズンなどで皆さんとお話をしたりする中で、あちこちで物資が調達できない、あるいは調達できなくなる恐れがあるという話をたくさん聞きます。また、資材が高騰しているという話も聞いています。

そのような意味では、今回の中東での事態は、それが起きなければ発生しなかった緊急事態であると認識しなければいけないと思っています。ある日、突然襲ってきたリーマンショックによって、大分県内の中小企業が苦しい目に遭った状況と同じ認識ですし、お聞きするインパクトからも、かなり大変な状況になると受け止めています。例えば、「尿素が入手できないので、これから農作物を作っても秋以降の収穫が心配だ」といった話も入ってきています。そのような意味では、やはりリーマンショックのときのような対応をしていく必要があると考えています。

また、国の方でも現在、検討を進めていると認識しています。これからさらに補正予算がどのように組まれるかを見ながら、必要な対策を持ち合わせて対応していくことも必要になってくるかもしれません。

(記者)

リーマンショックとなると、国内的には相当な経済的ショックだったと思うが、それに準ずる、あるいはそれに近いものが県内でも起こりうる可能性があるということか。

(佐藤知事)

この状況がずっと続けば、その可能性はあります。ただ、以前と比べると、いくつかの船がホルムズ海峡を通れている状況もありますので、その影響がどれくらい緩和されるかという側面もあります。ですから、停戦や終戦が実現して緩和されれば元に戻ると思いますし、石油の値段も下がってくると思います。

要するに、状況がずっと続いた場合にはそのような可能性もあるという懸念です。また、すでに「現にシンナーが調達できないので大変困っている」という具体的なお話もいただいています。

先日も電線設備の協会の会長をはじめとする方々がお見えになり、「工事をする上で必要なワイヤーケーブルが作れなくなっている。周りを覆うポリエチレンがないため、電線が導入できないという話が来ている」という報告をいただきました。

このような状況が現に起こっていますので、政府も状況を認識して対応してきていると思います。

以前は「総量は足りています」という説明で、大体そこまでだったのですが、それだけでは収まらないという認識を持ってもらっている状況です。

先ほども少し触れましたが、九州経済産業局において、流通のどこで目詰まりが起こっているかを1つずつ書き込むホームページが用意されています。そこに「このようなことが起こっています」と書き込むと、1つずつ問題を解消して返事を出すという作業を現在行っています。それは、個別の目詰まりをどのように解消していくかという取組です。総量の問題と合わせて、流通の過程のどこかで買い占めなどが起こっている可能性もありますので、そのようなところも合わせて是正していきます。

ただし、現に厳しい状況になってしまい、「このままでは事業を続けられません」ということになった場合には、倒産や廃業につながってしまいます。そのようなことにならないよう、資金をしっかり措置して、とにかく事業を繋いでもらうということをやっていくということです。

(記者)

経済的な損失などの具体的な数値を基に「リーマンショックに近い」と言っているのではなく、あくまでそのインパクトについてという意味か。

(佐藤知事)

はい、その通りです。

これによってどれくらいの倒産件数が出ているか、あるいは金額がどれくらいかといった数値で言っているわけではありません。

今お話を聞くと、やはりそのような事態になる可能性が非常に高い、あるいは非常に心配しているという声がたくさん寄せられている状況です。それが一番正確な表現かと思います。

このような状況が続くと、全く物を作れなくなるという懸念ですね。

(記者)

懸念している経済団体の状況が当時に似ているということか。

(佐藤知事)

さらに言うと、続けば本当にそのような事態になってしまうということです。

一方で、継続する可能性もあれば、ある日、突然改善することもあり得ます。リーマンショックと比べると、その点は不確定要素があり、事態が停戦・終戦となれば改善に向かうという救いもあるかもしれません。ただ最近では、「終戦しても、機雷が巻かれていたりすると、しばらくの間は航行がなかなか大変だ」という議論もあります。

(記者)

そもそも政府は「総量は足りている」と説明しているが、知事としては、現状ではまだ容量は足りていないという認識か。

(佐藤知事)

足りていないですね。輸入量が令和8年4月は前年同月の半分ほどになっているわけです。

先ほど「足りている」と言った意味は、備蓄を放出するなどして補っているためであり、無条件で足りているわけではありません。

それは国も分かっていることで、「総量としては全体として、備蓄の放出等も合わせてつじつまが合っていますよ」と言っているだけです。やはり去年と比べたら、原油の輸入が半分しか入ってこないわけですから、本質的には足りていないのです。

(記者)

政府に対して求めたいことはあるか。

(佐藤知事)

先ほど申し上げた通り、経済産業局でも取組をしてもらっていますが、まずは目詰まりがあるところはしっかりと直してもらうこと、そして買い占めなどについては是正をしてもらうことが大事だと思います。

オイルショックのときに「石油需給適正化法」という法律ができました。現在もまだ生きていると思いますが、当時はトイレットペーパーなどがなくなり、みんなが買い占めたことで、誰も使えなくなるような状況が起こりました。それを踏まえてできた法律です。

ある意味、さまざまな流通過程の人たちが「自分たちのところで在庫がなくなると困る」と考え、少しずつ在庫量を増やしただけでも、全体として物資が足りなくなるということが起こり得ます。今回もそれが起こっている可能性が高いと思いますので、そのような目詰まりをどのように解消していくかが課題です。そこは日本全体の需給の話ですので、中央政府にやってもらわなければ対応できません。

また、省エネについても、現在は従来と同じ程度にするよう言われていますが、今の段階ではそのような判断もあると思います。しかし、将来にわたっていつまでもホルムズ海峡を通航できないときは、やはりもっと厳しい制限をかけていくことも当然必要になってくるでしょう。

節約といいますか、過去にも電力需要が満たせないときに「夏の冷房温度を28度より下げないでください」といったことが何回かありました。状況が続けば、同じような対応がまた必要になってくる可能性もあるということです。

 

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