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丸山自然環境保全地域
丸山自然環境保全地域(昭和59年10月6日大分県指定)
指定の理由
この森林は、九州南部や四国、本州に分布しているシイ林とは組成的に異質とされ、九州北東部と中国西南部の内陸丘陵地に特有のシイ林である。コジイ=シイモチ群集(シイモチ=シリブカガシ群集の異名群集)と呼ばれ、大分県におけるこの群集の基準群集となる残存林の一部である。
林内には、九州南部にまれにしか発生しないウスキキヌガサタケが自生するのをはじめ、維管束植物では、タカオシケチシダ、ナチクジャク、ヤノネシダ、コバノチョウセンエノキなど、全県的に特異な分布を示し、希少種とされているものが産する。また、昆虫では、原生林をもつ祖母・傾山系やくじゅう山群に特異な分布を示し、希少種とされていたオオホシオナガバチが生息している。
このように、特定の植物の自生地や野生動物の生息地を有する本地域は、かつて大鶴谷おおっていた日田地方特有のコジイ林の残存林として貴重な森林である。したがって、この地域を大分県自然環境保全条例第2条第1項第5号の規定による大分県自然環境保全地域に指定するものである。
保全区域
1 面積 1.7ヘクタール
2 位置及び区域 大分県日田市大字鶴河内字丸山4365番地
3 土地所有関係 民有地
保全計画
1 保全すべき自然環境の特質
本地域では、九州北東部と中国西南部の内陸丘陵地に特有とされるコジイ=シイモチ群の森林で、優占種のコジイ、クロキのほかシイモチ、シリブカガシ、リンボウ、タラヨウなどを標徴種にもつ植生の地域である。
この森林は本県では、従来、耶馬溪地方に断片的に残っているとされていたが、群集決定には至らず、近年、日田地方で本地域を含む大鶴谷に点在するコジイ林が、大分県におけるこの群集の基準群集とされるようになった。
この群集は、九州南部や四国、本州に分布しているシイ林とは組成的に異質とされ、地域性の強いコジイ群集である。林内には特定の植物として九州南部にまれに発生するウスキキヌガサタケをはじめ、タカオシケチシダ、ナチクジャク、ヤノネシダ、コバノチョウセンエノキなど全県的に特異な分布や生育地を有し、希少種とされる種などをふくんでいる。また、特定の動物では、これまで県内では、原生林をもつ祖母・傾山系やくじゅう山群に特異な分布を示し、低地ではまれとされていたオオホシオナガバチの生息が確認されている。
2 権利制限関係等の概要
鉱業権
鉱業権者 | 新エネルギー総合開発機構 |
鉱業種 | 石炭 |
登録年月日 | 大分県採掘権登録 昭和18年1月22日 福岡県採掘権登録 昭和32年2月1日 |
3 自然環境の保全に関する基本的な事項
(ア)特別地区の指定及び保全のための規制に関する基本方針
本地域には、全域にわたって希少性、特異性の価値を有する動植物が生息分布し、また、人為の影響が少なく、自然性も高いので全域を特別地区とする。
この特別地区内において、許可を受けないで行うことができる木材の伐採の方法及び限度は次のとおりとする。
【木竹の伐採の方法及び限度】
択伐(択伐率は現存蓄積の30%以内)とする。
(イ) 保全施設に関する基本方針
本地域における保全のための施設は、次のとおりとする。
・巡視歩道
・標識
4 地区の区域設定に関する計画
(ア)特別地区
名称 | 位置及び区域 | 総面積(ha) | 土地所有別面積(ha) | 摘要 |
丸山特別地区 | 大分県日田市大字鶴河内字丸山4365番地 | 1.7 | 国有地 - 公有地 - 民有地 1.7 | 丸山自然環境保全地域の全域を特別地区に指定する。 |
5 保全のための規制に関する計画
(ア) 木竹の伐採に関する計画
特別地区名 | 位置及び区域 | 総面積(ha) | 土地所有別面積(ha) | 伐採の方法及び限度 |
丸山特別地区 | 大分県日田市大字鶴河内字丸山4365番地 | 1.7 | 国有地 - 公有地 - 民有地 1.7 | 択伐(択伐率は現存蓄積の30%以内)とする。 |
6 保全のための施設に関する計画
番号 | 施設の種類 | 位置 | 規模・構造 | 工種 | 摘要 |
1 | 丸山巡視歩道 | 起点-日田市大字鶴河内 終点-日田市大字鶴河内 | 延長355m、幅員1m | 改良 | |
2 | 標識 | 日田市大字鶴河内 | 新設 | 解説板、植物名称札を含む(必要箇所に設置する。)。 |