武多都自然環境保全地域

　本地域は、国東半島の北部に位置し、低地丘陵帯に発達した常緑広葉樹林がまとまって残存している極相状態にある天然林の地域であるとともに、この森林を構成する樹種のうちには、この群集における特異な樹種も数種みられ、学術的な価値が高い地域である。
　また、この地域は地域的にも特異な自然環境を維持している地域でもあるので、大分県自然環境保全条例第2条第1項第5号の規定による県自然環境保全地域に指定するものである。

天然林の地域である武多都社の境内林を県自然環境保全地域に指定する。
１　面積　3.3ヘクタール
２　関係町　大分県国東市国見町
３　土地所有関係 民有地（武多都社所有地）

１　保全すべき自然環境の特質
　この森林は、スダジイを林冠群の優占種としているが、組成的にはコジイを含むスダジイ林になる。
　構成樹種は、スダジイ群団の標徴種のスダジイ、タブノキ、クロキ、カクレミノ、モチノキ、コヤブラン等がみられるほか、この地域における特徴的な樹種としてコジイ、モッコク、ツルグミ、の自生がみられる。
　植生単位としては、コジイ＝クロバイ群集、クロキ亜群集に近い植物社会となっている。

２　自然環境の保全に関する基本的な事項
（ア）特別地区の指定及び保全のための規制に関する基本方針
　本地域のなかで最も自然度が高く常緑広葉樹林の典型的な林相を維持している地域を特別地域に指定する。その面積は1.8ヘクタールである。
　この特別地区内において、許可を受けないで行うことができる木材の伐採の方法及び限度は次のとおりとする。

【木竹の伐採の方法及び限度】
　禁伐とする。
　ただし、森林の群落構成を変える等自然環境に著しい変化を招くおそれの少ない場合には単木伐採（択伐率現在蓄積の10%以内）を行うことができる。

（イ） 保全施設に関する基本方針
　本地域における保全のための施設は、次のとおりとする。
　・巡視歩道
　・標　　 識

３　地区の区域設定に関する計画
（ア）特別地区

名称	位置	区域	総面積（ha)	土地所有別面積(ha)	摘要
武多都特別地区	大分県国東市国見町地内	大分県国東市国見町大字竹田津字宮ノ尻3598番地の一部 大分県国東市国見町大字竹田津字永福平20番地の一部 大分県国東市国見町大字鬼籠字羽山6-1番地の一部	1.8	国有地　－ 公有地　－ 民有地　1.8

（イ）野生動植物保護地区
該当なし

（ウ）普通地区

名称	位置	区域	総面積（ha)	土地所有別面積(ha)	摘要
武多都普通地区	大分県国東市国見町地内	大分県国東市国見町大字竹田津字宮ノ尻3598番地の一部 大分県国東市国見町大字竹田津字永福平14番地 大分県国東市国見町大字竹田津字永福平20番地の一部 大分県国東市国見町大字鬼籠字羽山6-1番地の一部	1.5	国有地　－ 公有地　－ 民有地　1.5

４ 保全のための規制に関する計画
（ア） 木竹の伐採に関する計画

特別地区名	位置	区域	総面積（ha)	土地所有別面積(ha)	伐採の方法及び限度
武多都特別地区	大分県国東市国見町地内	大分県国東市国見町大字竹田津字宮ノ尻3598番地の一部 大分県国東市国見町大字竹田津字永福平20番地の一部 大分県国東市国見町大字鬼籠字羽山6-1番地の一部	1.8	国有地　－ 公有地　－ 民有地　1.8	禁伐とする。 　ただし、森林の群落構成を変える等自然環境に著しい変化を招くおそれの少ない場合には単木択伐（択伐率現在蓄積の10%以内）を行うことができる。

（イ） 排水に関する計画
該当無し

５ 保全のための施設に関する計画
（ア） 巡視歩道

番号	路線名	起点及び終点	主要経過地	工種	摘要
１	武多都巡視歩道	起点－大分県国東市国見町大字竹田津（県自然環境保全地域界） 終点－大分県国東市国見町大字竹田津（県自然環境保全地域界）	武多都社境内林	歩道工

（イ）標識

番号	施設箇所	施設の種類	位置	工種	摘要
１	武多都社前	標　識	大分県国東市国見町大字竹田津	標識工