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− 不登校の理由とはどういったものですか 不登校のきっかけには、友だちとの関係が悪くなった、勉強がわからない、友だちをつくれない、などさまざまありますが、最近では世の中の状況を反映してか、家庭の状況も大きく関係しているように思います。家庭の経済状態が厳しかったり、親の勤務の関係で親子が接する時間が少なかったりで、親に伝えたいことを上手く伝えられず、自分の殻にこもってしまうようです。 そうすると、学校に行こうとするとお腹が痛くなったり、吐き気がしたりで学校に行きづらくなります。また、登校していても、保健室の利用が増えるなどします。中には、自分の身体を傷つける、家を出るといった行動を起こす場合も。これらは、自分の行き場や居場所を求めているのです。どんなケースでも、学校と家庭が協力し、時間をかけてその生徒に応じた対策を考えていかなければいけません。 − 不登校の生徒に対して、どんな取り組みを行っていますか 担任や生徒指導の先生と協力して家庭訪問を行ったり、保護者の方からの相談に応じたりしています。また、別府市には不登校の児童生徒のための適応指導教室「ふれあいルーム」が設置されています。そこでは消防署の見学や自分たちで栽培した野菜の販売など、社会と関わる体験活動を行っています。学校には行けない子どもでも、週に何日かは「ふれあいルーム」へ通い、段階を踏んで学校に登校できるような体制づくりをしています。 − 今、不登校の子どもたちに伝えたいことは できれば学校、地域社会の中で育っていってほしいです。不登校の子どもは、一人で一生懸命考えているんです。でも学校でしか得られない経験を得られないのはもったいないです。受け止められないほど辛いことがあった時”避難する“という選択肢はあっていいと思いますが、少し休んで力が回復したら、また社会に出て動き出してほしいですね。 − 家庭に対しては 一度不登校になったらもうだめだ、と思わないでください。10年後には意味のある経験だったと本人が思えるように、その子の生命力が伸びる通過点としてサポートしていってほしいです。また、学校の先生方も家庭訪問を行い、子どもや保護者と多く接しています。先生方の子どもたちへの愛情もスクールカウンセラーとして強く感じています。 学校と家庭、そして地域も入って、一緒に協力しあって子どもの成長を見守っていきましょう。
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