新新時代おおいた　Vol.45（2006年3月発行）

特集1　集落営農で農業を元気に、集落を豊かに
特集2　買い手の気持ちを考えた商品づくりで販路を拡大しよう
 特集3　県振興局の再編
風紋　「農業の担い手」大歓迎
地産地消・とよの国の食彩
 県民レポーターによる訪問記
 心ひらいて
 風の四季
 地域の風だより

米水津の塩、荻のトマト、津久見のブリ―県内だけでなく、県外の消費地にも活路を見いだす県産品が増えてきました。こうした商品に続き首都圏や東アジアへ販路を拡大しようと、事業者の動きも活発です。そこで県では、こうした事業者を支援し、県産品のレベルアップや販路拡大を図ろうと、商談会の開催や東京へのフラッグ（アンテナ）ショップの開設など、さまざまな取り組みを進めています。

　「誰に、どこで、いくらで、どういう形で売りたいのか、はっきりした戦略がないとだめですね」1月19日、大分市内のホテルで開催された「大分県物産品求評・商談会」に招かれた、都内百貨店のバイヤーからの言葉です。
　加工食品を中心に、県内82の業者から180品目あまりの商品を集めての求評・商談会では、あちこちで鋭いアドバイスが飛び交っていました。
　「菓子でも調味料でも干物でも、量販店には競合する商品がたくさんあります。その中から消費者に選んでもらうには、まず、需要の有無や消費者の好みを調べることが必要です。その上で、大分ならではの地域性を打ち出し、ほかの商品とはここが違う、というところを見せなければ選んでもらえません」
　味も品質も優れた大分県産品ですが、それを消費者に選んでもらうためには、ニーズをつかみ、見せ方・売り方を工夫することが必要なのです。
　求評・商談会で高い評価を受けた商品は、フラッグショップでのインターネット販売商品の候補にもなります。フラッグショップのアドバイザー、木村ふみさんも「商品の裏にある物語を、うまく消費者に伝えることが大切ですね。物語が伝われば、消費者は商品に興味を持ちます。そして、作り手・売り手・買い手が物語を共有することで、産地も支えられるんです」と語ります。

冷凍モイカの刺身を味見して。「味はいいのに、パッケージで安く見えますよ」フラッグショップのアドバイザー、木村さんからのアドバイス。	ユニークな関さば最中にサブレ。フラッグショップのインターネット販売商品の候補の一つです。
「健康応援隊」という表示が入るといいですね。－求評・商談会では、県産業科学技術センターのブースでも様々な相談を受け付けました。

　「どこかが上海でナシを売り出せば、ほかの県でもナシを持ってくる。その中でどれを選ぶかとなると、表示や売り方に工夫があるところになるのは当然のこと。大分の場合は、売り込みを頑張っていますね。だからトン単位で津久見の『ブリフィレ（切り身のブロック）』を輸出することができるし、ほかの商品の商談も進むんです」と言うのは、乾めんやゆずごしょうなどの商談に大分を訪れた、上海石橋水産品有限公司の石橋修さんです。「ブリフィレ」に続いて上海の食卓をにぎわすのは、どんな県産品でしょうか。

　院内の豆乳やゆずごしょう、蒲江の熱めし、津江のゆずジャム―それぞれが商品の奥に、生産者の思いや工夫など、たくさんの物語を持っています。　その物語を消費者に伝え、消費者の好みに合致したものを提供すること。独りよがりの産品ではなく、市場や消費者のことを考えた商品づくりをすること。それには、ものづくりとともに「人づくり」も重要と考え、県では「豊の国商人塾」など人材育成にも力を入れてきました。　県産品を首都圏や東アジアで「売れる」商品にしようとする試みは始まったばかり。作り手・売り手の挑戦は、これからが本番です。

厳選された材料、生産者の思い、商品開発の苦労－たくさんの物語を秘めた院内のこっとり豆乳。
大分こっとり豆乳の写真

県内一のユズの産地、院内。櫛野農園のユズ園で。

〒104-0061
東京都中央区銀座2丁目2番2号新西銀座ビル8Ｆ
http://www.oita-brand-create.com/

フラッグショップとは？ 　
　大分ブランドのイメージを高めるため、「大分」という旗をかかげて情報を発信し、消費者がどんなものをほしがっているかを探るお店です。
　大分の旬の食材をふんだんに使ったレストランが、「どこか懐かしい未来」を演出します。レストランや特産品のインターネット販売のほか、観光情報なども発信し、大分の魅力を全国にPRする拠点として、平成18年4月東京・銀座にオープンします。
（営業時間等は、下記ホームページをご覧ください。）

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