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治山林道事業の概要(東部振興局農林基盤部)
治山(ちさん)事業の推進
東部振興局の管内(別府市、杵築市、国東市、姫島村、日出町)には、火山灰土等の特殊土壌地帯や急峻な地形が多く、毎年頻発する台風や局地的集中豪雨の増加により山地災害が多発しており、迅速な復旧と山地災害の未然防止が必要です。
このため、森林の維持造成を通じて、山地災害から県民の生命・財産を保全するとともに、水源の涵養や生活環境の保全・形成等を図るための「治山事業」を推進します。
また、災害復旧や災害を未然に防止するための施設整備(ハード対策)には莫大な経費と期間が必要であり、これらの対策のみでは安全の確保が十分ではないため、防災に対する意識の醸成などを図ることで、災害時に命を守る行動を学ぶための「ソフト対策」にも取り組んでいます。
【治山施設(治山ダム)の整備前と整備後の状況(別府市大字南立石:長谷川地区)】
【整備前】 【整備後】
【満砂した治山ダム(写真右側が川の上流)】
林道事業の推進
東部振興局管内の森林(人工林)は、県内の他の地域よりも木の植えられた年代が比較的遅く、未成熟な森林(人工林)が多いこともあり、林道などの森林内の道路網の整備が遅れています。
今後、森林資源の成熟に伴い、森林の伐採の増加が予測されることから、木材の生産性の向上を図るため、森林を整備(手入れ)する際に必要となる「林道」の計画的な整備が必要です。
このため、伐採(収穫)の時期を迎えつつある森林が一定量存在している地域において、林道の計画的な整備を進めるとともに、林道に森林作業道等を組み合わせた森林内の道路網を構築することにより、木材を生産(伐採・搬出)する際のコストの低減を図り、森林所有者の所得向上と伐採後における再造林の意欲の増進を目指します。
【完成した区間の林道(国東市安岐町:両子富清線)】
◎人工林
木材として利用するために、人の手によって植えられた森林のことで、大分県の人工林はスギやヒノキがほとんどを占める。
◎森林作業道
伐採した木材の集材や搬出、再造林等の森林の整備を目的として作られた林業機械走行用の道。
◎再造林
人工林の伐採跡地に再び苗木を植栽すること。県内では再びスギやヒノキを植栽することが多い。