特集1 災害から生命と財産を守るために

特集2 地域のみんなで支える子育て

特集3 おおいたをおいしく食べる・おいしく育てる

風紋 「やさしくしなやかな社会をめざして」

地産地消・とよの国の食彩

県民レポーターによる訪問記

心ひらいて

風の四季

地域の風だより



地域のみんなで支える子育て

  少子高齢化や核家族化が進む中、子育てに関して不安や悩みを抱えたまま、相談できる場所や相手を探せず孤立してしまう親が増えています。こうした子育てへの不安や悩みを解消し、親の負担軽減を図るための取り組みを行う市町村に対し、県からの助成が始まりました。
 
豊後高田市 親子で気軽に「つどいの広場」
 「おはよう、たいせいくん。りょうくんが来てるよ、一緒に遊んでね」朝10時を過ぎた頃、次々にやってくる親子連れの姿で豊後高田市の健康交流センター「花いろ」の一室がにぎわい始めます。ここは市が運営するつどいの広場「花っこルーム」。子育て中の親子が気軽に集い、親同士、子ども同士が楽しく交流する場として、今年6月に開設されました。手作りおもちゃで遊ぶ子どもに、情報交換する母親。お昼を食べに帰宅する親子もあれば、室内でお弁当を広げるグループもあります。堅苦しさがない、とてもリラックスした雰囲気です。来られているお母さんたちに話を伺ってみました。
  「今は妊娠中なので、特に雨の日や暑い日などは屋根のある花っこルームがとてもうれしいです」「夏休みで実家に帰ってきたのですが、子どもがみんなと遊べる場所があって助かります」大変好評のようです。ところで「花っこルーム」はどんなきっかけで開設されたのでしょう。
  「市定住促進策の一つとして子育て支援の拠点に『子育て支援窓口』やつどいの広場『花っこルーム』を新設しました。『花っこルーム』は乳幼児を子育て中の方が対象で、事前の予約や申し込みは不要です。公園のように来たい時間に来て、帰りたい時間に帰るイメージですね。ここに集う親たちが『親育ち』して、次は自分たちが他の親を支援できるような存在になってほしいと願っています」市の子育て支援係秋吉さんの話です。
  今後は、仕事を持つ親が利用できるように金曜日の利用時間の延長や「花いろ」内にある高齢者デイサービスセ ンター利用者との交流も計画するとのこと。子育て中の親や子どもをはじめ、高齢者も含めた交流の場として”屋根のある公園“「花っこルーム」の役割は今後ますます重要なものになっていきそうです。
 
  親子連れでにぎわう「花っこルーム」
 
日田市 ボランティアが支える夏休み
 夏休みのある日、日田養護学校のプレイルームから「シャボン玉」の演奏が響いてきました。室内には子どもたちとボランティアの姿。これは日田市が障害児の長期休暇支援のために実施している事業のひとこまです。長期休暇中に家族以外と過ごす機会が少ない障害児に充実した日中活動の場を提供しようと始めました。
  この日集まったのは、養護学校や市内の障害児学級に通う子どもたち12名15名のボランティア。指導しているのは日田市の身体障害者療護施設「ひばり〜ヒルズ」のコーディネーター石松さんです。
  音楽活動を締めくくるのはハンドドラムを持ったえりかちゃん。彼女がたたくハンドドラムの合図で、ムーブノッカーを持った子どもたちが「ドレミ・・・」の音階を演奏して、活動終了です。石松さんは「私が終わりのあいさつをするのではなく、えりかちゃんのハンドドラムを活動終了の合図にする。そうすることで子どもたちが活動の主役になれます」と語ります。
  ボランティア集めも課題の一つ。「市報や社協だより等で募集しています。参加予定者数は延べ約280名ですが、行事等で参加できない方も多いので、もっと増やしたいですね」と言うのは、市の委託を受けて事業を実施している日田市社会福祉協議会の矢幡さん。
  県のボランティア大学校修了者も活躍しています。第3期修了者の伊藤さんは「修了後、社会の役に立ちたいと考え登録しました。障害についての知識もないし最初はなかなかうまくいきませんでしたが、今では、担当している『てっちゃん』との意思の疎通もいくらかできるようになったかな、と思います」と話してくれました。
  障害を持った子どもたちを家庭や学校だけでなく、地域全体で支えるための取り組みは始まったばかりです。こうした取り組みにはボランティアの方々の参加が不可欠です。身近な地域でできるボランティア活動にあなたも参加してみませんか。
 
ボランティアの伊藤さん(左)と
てっちゃん(右)
ハンドドラムで合図するえりかちゃん
 
「シャボン玉」を演奏する子どもたち  

 


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