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新時代おおいたNo.108

印刷ページの表示 ページ番号:0002017015 更新日:2016年9月27日更新

表紙

【HTML版】
特集1/味力たっぷり!おおいたの畜産業を盛り上げる
特集2/ふるさとをきれいに!元気に!おおいたうつくし作戦
風紋/能力開発
県民ひろば1/農地を守り、活かし、次世代につなげましょう!
県民ひろば2/おおいたの日本遺産
おおいたゆかりの図書 心ひらいて とよの国の食彩   

【PDF版】
新時代おおいたNO.108 [PDFファイル/7.42MB]

【電子書籍版】
おおいたイーブックスのページへ(外部サイトへリンク)

 特集1 味力たっぷり!おおいたの畜産業を盛り上げる

 和牛とは、明治以降、日本在来牛に外来種を交配し、改良を重ねた「黒毛和種」などの4品種の肉牛を指します。
 大分県が誇る「おおいた豊後牛」もそのひとつ。積み重ねた血統と農家の皆さんの丁寧な手仕事が高い品質と豊かな味わいを生み、そのブランドを支えています。
 今回は肉用牛を中心に、県内の畜産業を応援する取組を紹介します。

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おおいたが誇る和牛ブランド

 県産黒毛和牛の特徴は、きめ細かな霜降りとまろやかな風味。口に入れると、とろけるような味わいが広がります。
 中でも、県内で生まれ育った肉質等級2等級以上の黒毛和牛は「おおいた豊後牛」、4等級以上のものは「おおいた豊後牛 頂」となります。また、美味しさの新たな指標とも言われるオレイン酸の含有率が55%以上のものには、「豊味いの証」シールを貼付してPRをしています。

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高品質で美味しい県産牛肉の目印

 これらのブランドを更に広め、価値を高めていくために、県では東京や大阪など大消費地でのフェアをはじめ、国内外からの観光客を見据えた旅館やホテルへの売込の強化、海外への販路開拓、地産地消や食育の推進などを行っています。
 また、来年9月には、和牛のオリンピックとも言われる5年に1度の全国和牛能力共進会が宮城県で開催されます。この結果が、ブランド力や子牛の価格に大きく影響するため、県では出品牛の選定や育成に力を入れています。

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畜産業の未来を担う

〇肉用牛ゼミナール 
 平成26年7月から2年間実施した「肉用牛ゼミナール」では、県内の若手肉用牛生産者30人が参加。県外の市場や牧場の視察、流通業者との意見交換、アドバイザーによる指導、参加者同士の交流会などを通して、生産技術や経営、流通などを学びました。
 これからの産地を担う若手生産者に期待がかかります。 

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〈地域を支える担い手に〉 
 竹田市で繁殖農家を営む渡邉雅俊さんも、肉用牛ゼミナールに参加した一人です。「普段なかなか接することがない地域外の担い手や肥育農家の方と交流ができ、良い機会になりました」と成果を話してくれました。
 畜産業は、ITやカメラの導入などにより昔に比べて負担は減っているものの、生き物が相手の大変な仕事です。それでも「育てた牛が高い評価を受けるとやりがいを感じます」と渡邉さん。
 就農した時は12頭だった飼養する牛も、現在は60頭。意欲的な増頭に取り組み、地元の後継者グループ「はなぐり会」でも活躍しています。「今後は更に頭数を増やし、良い牛を作っていきたいですね。後継者仲間や同年代の友人たちと、色々な場面で地域に貢献できたらと思っています」
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渡邉 雅俊さん            肉用牛ゼミナール

〇畜産クラスター 
 畜産クラスターとは、畜産農家を中心に自治体や流通加工業者、農業団体などが連携して地域ぐるみで高い収益を目指す体制です。肉用牛や豚、酪農など今後の畜産業の基盤となる取組として、県内各地で協議会が設立されています。
 このクラスターが生産規模を拡大するために必要な施設の整備や機械のリースをする場合、国と協力して助成を
行います。

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おおいた豊後牛の産地を守る

 肉用牛の農家は、母牛に子牛を生ませる「繁殖農家」と、子牛を大きく育てる「肥育農家」があります。県内では9割が繁殖農家で、良質な子牛は競りにかけられ、全国へと出荷されています。また、肥育農家で丹精込めて育てられた牛は「おおいた豊後牛」となり、どちらも高い評価を受けています。
 しかし現在、担い手の高齢化や後継者の不在により、肉用牛農家の廃業が相次いでいます。加えて口蹄疫や東日本大震災などの余波もあり、全国的に子牛が不足。昨秋から子牛価格の高騰が続き、生産現場に大きな影響を及ぼしています。
 県では、産地の縮小を食い止め、将来へとつなげていくため、さまざまな支援を行っています。

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〈主な取組〉

1.優秀な血統を持つ種雄牛をつくる

 上質な肉用牛となるためには、繁殖雌牛に交配する種雄牛の存在が欠かせません。県農林水産研究指導センター畜産研究部では、特に優秀な牛を選んで交配を繰り返すことで、生産性や肉質など遺伝的能力の高い牛づくりを進めています。
 また、農家への技術支援や研修を通して、生産者と一体となった魅力ある産地づくりを目指します。

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安森照(やすもりてる)                      桜花国(さくらはなくに)

2.繁殖農家の母牛を増やす

 子牛価格の高騰は、繁殖農家にとって収益を上げるチャンスです。一方で、子牛の出荷が優先されることで、将来母牛となる後継牛が減り、産地の縮小が危ぶまれています。
 そこで、繁殖農家が母牛を増やすための経費を支援し、生産規模の維持・拡大を図ります。

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3.預かった子牛を肥育農家が育てる

 子牛価格の高騰は、買い手である肥育農家の負担ともなっています。県では、家畜市場で(株)大分県畜産公社が購入した子牛を肥育農家が預かり、肉牛として出荷後、販売代金から子牛代を公社に支払う預託制度を創設。資金繰りの面から支援します。
 他にも、空き牛舎を活用した飼育管理を委託する制度を設け、産地の基盤強化を図ります。

4.新しい食肉処理施設が稼働

 (株)大分県畜産公社の新しい食肉処理施設が、7月に豊後大野市に完成。牛と豚の処理ラインを完全に分離するなど品質や衛生の管理を向上させました。今後は、欧米への輸出に向けた体制を整え、販路の拡大を図ります。
 また、見学用の通路を新たに設け、安全・安心な県産食肉の情報発信や食育などにも役立てます。

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おおいた印の豚肉を作る

 県内の豚の生産も、飼養頭数は横ばいながら、平成12 年は130戸だった飼育農家が平成27年には50戸に減少しています。
 安全・安心で美味しい県産豚の生産基盤を強くするため、安い輸入豚肉との競合や飼料価格の高騰といった課題を前に、生産コストの削減や販路の拡大、知名度や品質の向上などへの取組を進めています。

〈統一ブランドの立ち上げ〉

 「おおいた豊後牛」で培ったブランド化のノウハウを活かして、県産豚の統一ブランド化を目指し、7月に「おおいた米ポークブランド普及促進協議会」を設立。ブランド豚肉の安定供給や県外市場での競争力の強化、農家の収益向上を図ります。
 また、美味しさの指標となるオレイン酸の含有量を測定する機器を(株)大分県畜産公社に整えて、表示することで他の産地との差別化を図るとともに、より質の高い豚肉づくりに取り組みます。

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問/畜産振興課 ☎097-506-3674

大分県畜産振興課(県庁内リンク)   

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