大分県庁のホームページ 『新時代おおいた』のバックナンバー
特集1 ITで切り開く大分県の未来
特集2 平成20年度大分県予算
風紋 ふるさとは…
県民ひろば
心ひらいて
とよの国の食彩
 


平成20年度大分予算 〜チャレンジ!おおいた国体・おおいた大会の成功と魅力ある大分県づくりに挑戦する気くばり予算〜
 平成20年度一般会計当初予算が3月の県議会で成立しました。 今年度はいよいよチャレンジ!おおいた国体(第63回国民体育大会)・チャレンジ!おおいた大会(第8回全国障害者スポーツ大会)が開催されます。厳しい財政状況の中ですが、まずは両大会を成功させること。そして「住んで良かった」「住んでみたい」と思われるよう、魅力ある大分県づくりという「攻め」の施策と小規模集落対策をはじめとする「守り」の施策の両面に気を配りながら予算を編成しました。 それでは今年度予算の概要と主要事業をピックアップしてご紹介します。

歳入合計図
平成20年度一般会計当初予算5,902億500万円
歳出合計図

平成20年度予算のポイント三位一体改革を乗り越える持続可能な財政基盤の構築は道半ばながら諸課題に対応する前向きな予算編成◎人件費の抑制および「選択と集中」により事業費を確保(7億円 )◎8年連続でプライマリーバランス(県債費関連を除いた基礎的財政収支)の黒字を堅持政策県庁を目指し、部局連携を強化(縦割りから横割りへ)◎県庁内の部局が垣根を越えて連携し取り組むテーマとして ▽子ども・子育て応援社会の形成 ▽地球温暖化防止対策の推進 ▽産業間連携と地域資源の活用によるニュービジネスの創造 ▽おもてなしの心のこもったおおいた国体・おおいた大会の実現  など10分野を設定し、116事業(129億円)を展開

暮らしやすい、住んでみたい、訪ねてみたい
「安心・活力・発展」の大分県づくり

を目指し、次のような事業に取り組みます
暮らしやすい大分県づくり
社会福祉センターを改築し、相談機能強化
医師、看護師、助産師の確保対策
肝炎治療費助成、がん等の医療体制を整備
ノンステップバスの導入など、誰もが利用しやすいバス環境整備
被災住宅に対する再建支援拡充と戸建て住宅の耐震改修への助成開始
小規模集落で里のくらしを支援
CO2削減のための森林整備
鳥獣被害防止対策を強化
中学1年への30人学級拡大
宇佐養護中津分校を新設
学校、家庭、地域が連携した「協育」ネットワーク構築を全県で展開
高齢者の反射材着装運動
運転免許証ICカード化
住んでみたい大分県づくり
農業の企業誘致と異業種参入を推進
消費者ニーズに対応した県域生産・流通・販売体制を構築
燃料、飼料、餌料の高騰対策
50億円の基金を創設し、地域資源を活かす地場企業を支援
自動車関連産業で新規参入・取引拡大を目指す地場企業を支援
訪ねてみたい大分県づくり
福岡都市圏向けに大分ブランドの戦略的広報を実施
竹を活用したおもてなしなど新たな観光ブランドを確立する「竹ものがたり」事業を実施
くじゅう高原に新たなツーリズム「トマト街道」を展開
JR豊肥線、久大線の高架を完成
チャーター便誘致(台湾)とソウル線定期便の運航を継続


県民の全安・心安のために生まれ変わる会社福祉センター

 大分市荏隈にある県社会福祉センター。昭和43年に開設以来、4つの相談機関(中央児童相談所、婦人相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所)と婦人寮を統合した総合的な福祉センターとしての役割を担っています。
  しかし施設の老朽化とともに、社会情勢の変化に伴いセンターの機能の見直しが求められていることから、昨年度「あり方検討委員会」が設けられました。委員長を務められた別府大学大学院教授の金子進之助さんはこうおっしゃいます。
  「見直しを行った社会的な背景としては、障害者自立支援法が施行され、身体・知的・精神の3障がいサービスの一元化が図られたこと、また、児童虐待やドメスティック・バイオレンスの深刻化など家庭機能が低下していることなどが挙げられます。そこで大きなコンセプトとして、3障がいの総合的な福祉を推進する『障がい者総合相談支援センター(仮)』と、こどもや女性、家庭の問題に対応する『こども家庭相談支援センター(仮)』の設置を提案しました」
  委員会ではセンターの機能についても話し合われました。「市町村が福祉サービスの一義的窓口として位置づけられる中、県にはより高度な専門性や広域性が期待されています。従来の業務に加えて、市町村の職員へ適切なアドバイスができることや地域に働きかけを行えること、現場から見て必要な行政施策を県に提言できることなどです。人材の育成などにも取り組んでいただき、専門機関としてより一層、機能を発揮していってほしい」と金子さん。
  最後にセンターに期待することを伺うと、「ぜひ『来て良かった』と思える場所にしていただきたいですね。そのためには明るく温かい雰囲気の施設、また、さまざまな用途に使える充実した設備が望まれます。厳しい財政の中ではありますが、県民の皆さんの安心のためにも、ホッとできるような施設を実現していただければと思います」と語ってくださいました。


金子進之助さん 現在の社会福祉センター
金子進之助さん 現在の社会福祉センター


平成20年度を小規模集落対策元年に
 日本全体が人口減少社会に突入し、中山間地等の条件不利地域にある小規模集落では高齢化が進み、集落の機能が低下し、日常生活にも支障をきたすのではないかと懸念されています。社会問題にもなっているこの問題について、現状を把握するため、県では昨年、「小規模集落実態調査(対象:人口100名未満かつ高齢化率が原則50%以上の32集落)」を実施しました。
「小規模集落が現在抱えている問題・図」と「集落機能の現状と10年後の見込み・図」
 調査により浮き彫りとなった楽観を許さない小規模集落の実態。いち早く予防的な対策を講じる必要があることから、県は今年度を「小規模集落対策元年」と位置づけ、次のような対策に力を入れて取り組むことにしています。
知事を本部長とする小規模集落対策本部を設置し、集落の抱える問題を把握するとともに、地域の実情に応じた対策を検討
多くの集落で問題となっている鳥獣被害への対策を強化
小規模集落支援のためのさまざまな事業実施に対し助成
地域社会における商業機能の維持を図り、住民の日常生活の利便性を確保するため、商工会等が実施する宅配サービスを支援
 県としては、これまでも旧町村部対策として実施してきたコミュニティビジネス支援のような活性化対策には引き続き取り組んでいくとともに、交通手段確保や集落機能の維持といった生活対策にも力を入れていきます。住民の皆さんがこれからも安心して小規模集落に住み続けられるよう、市町村と連携しつつ、「セイフティネット」の構築に重点を置いて取り組んでいくこととしています。



原油高騰に実効ある対策を

  「ハウスみかんの生産にかかる経費のうち、燃料代は7割以上を占めてます。収入は変わりませんから、原油高騰の影響は非常に大きいものがあります」とおっしゃるのは越智春樹さん。おおいた中央柑橘園芸農業協同組合連合会ハウスみかん部会の部会長を務めておられます。
  ハウスみかんの栽培では、11月から5月までのおよそ半年もの間、重油を燃やしてハウスを加温しなければなりません。原油高騰のあおりをまともに受け、「これまでも高齢化等により他の作物への転換や廃業を余儀なくされる農家はあったが、原油高騰がハウスみかん農家の減少を加速させている」状況だと言います。
  先の見えない原油高騰。生産者の負担を軽減するため、県は今年度、次のような対策に取り組みます。

農業 保温効果や暖房効率を向上させるためのビニールハウスの多層被覆化や循環扇導入などに対する支援を拡充・強化
林業 椎茸農協が組合員リース用に導入する乾燥機の購入費に対し上乗せ助成
水産業 主要な漁港へのセルフ式燃油補給施設の設置および改修に対し助成

  このような県の対策を、生産者はどのように受け止めているのでしょうか。「原油高騰に対し、生産者自身の努力でできることは限られていますので、県の対策は非常にありがたい」と越智さん。さらに、「今後は市町村との連携のもと、この支援がよりスムーズに行くようお願いしたいと思います。また、重油を使わないボイラーなど省エネ技術の開発やその普及にも力を入れていただければ」と期待を込めます。
  「ハウスみかんは杵築の基幹産業。これが衰退すると地域全体に波及していきます。杵築のハウスみかんの火を消さないように、なんとか生産者みんなで頑張っていきたい」とおっしゃる越智さん。生産者の努力を支える実効ある支援策が求められています。

越智春樹さん 越智春樹さん

県予算について詳しくは、大分県庁ホームページ「大分県財政のすがた」
http://www.pref.oita.jp/11400/)でご覧いただけます。



【前へ】 【次へ】

大分県庁のホームページ 『新時代おおいた』のバックナンバー