大分市荏隈にある県社会福祉センター。昭和43年に開設以来、4つの相談機関(中央児童相談所、婦人相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所)と婦人寮を統合した総合的な福祉センターとしての役割を担っています。
しかし施設の老朽化とともに、社会情勢の変化に伴いセンターの機能の見直しが求められていることから、昨年度「あり方検討委員会」が設けられました。委員長を務められた別府大学大学院教授の金子進之助さんはこうおっしゃいます。
「見直しを行った社会的な背景としては、障害者自立支援法が施行され、身体・知的・精神の3障がいサービスの一元化が図られたこと、また、児童虐待やドメスティック・バイオレンスの深刻化など家庭機能が低下していることなどが挙げられます。そこで大きなコンセプトとして、3障がいの総合的な福祉を推進する『障がい者総合相談支援センター(仮)』と、こどもや女性、家庭の問題に対応する『こども家庭相談支援センター(仮)』の設置を提案しました」
委員会ではセンターの機能についても話し合われました。「市町村が福祉サービスの一義的窓口として位置づけられる中、県にはより高度な専門性や広域性が期待されています。従来の業務に加えて、市町村の職員へ適切なアドバイスができることや地域に働きかけを行えること、現場から見て必要な行政施策を県に提言できることなどです。人材の育成などにも取り組んでいただき、専門機関としてより一層、機能を発揮していってほしい」と金子さん。
最後にセンターに期待することを伺うと、「ぜひ『来て良かった』と思える場所にしていただきたいですね。そのためには明るく温かい雰囲気の施設、また、さまざまな用途に使える充実した設備が望まれます。厳しい財政の中ではありますが、県民の皆さんの安心のためにも、ホッとできるような施設を実現していただければと思います」と語ってくださいました。
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