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epi.28 働く女性応援企業 社会福祉法人 新友会を取材しました!

印刷ページの表示 ページ番号:0002134625 更新日:2022年3月14日更新

社会福祉事業など7つの事業を展開する社会福祉法人

ひまわりの家

「働く」「暮らす」をキーワードに、障がい者の方の個性と能力に応じた最適な就労支援を提供する就労支援事業や、支援を通して生活の質の向上をお手伝いする社会福祉事業など7つの事業を展開しています。なかでも、障がい者の方が働く場をより多く提供できるよう、農業の事業を拡大し就労の機会を増やす努力をしています。

制度を整えるのは、“女性が多いから”ではない

小塩さん画像 産休や育休は、女性が取得するものとされていた十数年前。今では男性も育休取得し、育児への参画を推奨する企業も増えてきました。今回ご紹介する社会福祉法人新友会では、女性職員の取得だけではなく、男性職員の育休取得を奨励。平成27年には男性職員初の育休取得者が出るなど、社会の流れに先行してきた、その制度と文化形成について聞きました。

お話を伺ったのは、採用担当の小塩さん。2児の父である彼も、新友会の制度や文化に助けられてきたのだとか。 「産前産後休暇や育児休暇、介護休暇に関しては、しっかり整えています。とくに育児休暇は、保育園が見つかるまで延長することができるようにしました。また、急病等で出勤が難しい場合には年休を取得して頂いたり、時短勤務で対応できるようにしたりと柔軟に働けるように制度を整えています。平成27年には、男性職員が育児休暇を1ヶ月単位で取得した実績もあります。制度自体は昔からありましたが、これを機にきちんと整備することに決め、平成29年にはくるみんマークを取得。女性だけではなく、男性も育児に参画できるようにという考え方は、福祉施設ならではの視点だったのかもしれませんね。もちろん、若い世代が将来を考えても、安心して働き続けられる現場でありたいという願いの上です。」と小塩さん。

とはいえ、制度を利用する社員以外の現場は、人手不足や急な早退などで苦労しているのでは?なんて考えてしまいますが…。そこのところ、どうなのでしょう? 「確かに、現場のスタッフには苦労をかけている面も、大いにあると思います。でもそこは現場頼りにはせず、人材配置や採用を行うなど負担を軽減できるように努めています。また、現場任せにしないのは、新人教育も同じ。今までは直属の先輩が1人教育担当についていましたが、今度からチーム制かつ、メンターをつけることで手厚いフォロー体制をつくりました。スタッフ1人1人の負担を減らして、業務に打ち込めるように、制度面から今後も整えていくつもりです。」 なるほど、現場のスタッフになるべく負担がかからないよう、制度や人員面でフォロー体制を整える。これなら、育休や産休に入りにくいと考えるスタッフの方の精神的な部分も多少救われるかもしれませんね。

専門的な知識が必要だからこそ、資格取得フォローも手厚く

社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士。この3つは、福祉業界においてメジャーとされる資格。新友会では、これらの資格を持たずとも入社は可能ですが、やはり利用者の方と接する中で専門的な知識を得たいと思う場面も多くあるのだとか。その場合、働きながら通信で勉強し、実技試験等の試験を受ける必要があります。もちろん、取得すれば資格手当が出ますが、働きながらの勉強や費用負担は大きな壁となっているのも現状。そんなスタッフの声を受けて、資格取得支援改革に踏み切ることにしたそうです。 「資格の取得やキャリアアップに意欲的な社員のためにも、今年度から学習に関する費用の負担を、会社がバックアップすることに。また、実技研修等で有給が必要な場合にも特別休暇としてフォローします。金額面と休日面を支えることで、働きながら家事をこなし、勉強に励む女性スタッフが増えていることもあり、今回の制度改革に踏み切りました。」と小塩さん。 福祉業界では人材不足が叫ばれる昨今。スキルを持った人材を採用するよりも、内部からプロフェッショナルを育てる方向に舵を取り、今後もスタッフの意欲を重視した制度改革を行なっていくようです。

思いやりの連鎖ができれば、施設はもっとあたたかい場所になる

小塩さん画像ここからは、実際に働くスタッフの方にお話を聞きたいと思います。今回、お話を伺うのは、介護福祉士の川野さんと羽矢さん。お二人は15年以上も新友会で働く、ベテラン社員。実際に産休・育休制度を利用した羽矢さんは、「現場に戻る難しさを実感した」といいます。 「育児休暇を1年と3ヶ月取得しました。その中で、子どもと一緒にいる時間と同じくらい、自分が働く時間を大切にしたいという思いで、復帰。スタッフの皆さんがあたたかくて、もう一度この人たちと一緒に働きたくて…。でも子どもの急病で早退したり、お休みをいただくことも多く、現場には迷惑をかけっぱなし。子育てをしながら現場に戻る難しさを痛感しましたね。いつも周りのスタッフに助けられて…「気にせんでいいけん、はよ帰り!」とあたたかく送り出してもらったり、子どもが小さい時は精神的にも助けられた面が大きいですね。」と現場にとにかく助けられたと語る羽矢さん。

小塩さん画像 スタッフを現場で支える立場として川野さんは「出産や介護でやむを得ない状況を除いて、仕事を辞めるという選択肢がないスタッフが多いと思いますね。やっぱり、みんな現場のあたたかさや寛容さを見ているからだと思います。自分がしてもらったから、次のスタッフにも同じようにしてあげたい。そんな思いやりの連鎖ができれば、施設をはもっと良くなるはず。だから現場ができるのは、育児休暇などの制度を利用する人が負い目を感じることなく働けるように、そして、他の現場スタッフに制度の大切さを説いていくことなんですよね」。 そもそも育児や介護を理由に辞職するという考え方がない、というのに驚きました。羽矢さんも「子どもが大きくなったら、時短勤務をやめて正規で働きたい!」とにっこり。お二人の話を聞いていると、思いやりの連鎖は少しずつでも完成しつつあるのだなと実感させられます。制度を利用する当事者だけではなく、周りのスタッフまでもに少しずつ浸透している新しい文化が、いつの日かひまわりのように大きく花開いていくことを予感させます。

事業所概要

企業名 社会福祉法人 新友会
事業内容 社会福祉事業、就労支援事業
所在地 〒879-7871
大分市大字辻911番地
TEL 097-595-0888
URL http://3-flower.jp/

※ 2021年4月現在