夏季休暇中の感染症対策にご協力ください
概要
県内において、百日咳、伝染性紅斑、水痘およびヘルパンギーナの流行が確認されています。百日咳は現行の統計開始以降、年間累計数を更新し、伝染性紅斑は第23 週(6/2~6/8)から警報基準を、水痘については第28 週(7/7~7/13)から注意報基準を超えています。また、ヘルパンギーナも第25週以降、増加傾向にあり、注意が必要です。
夏季休暇中は、人々の移動が平時と比較して活発化することが予想されます。外出や旅行等を控える必要はありませんが、基本的な感染対策を行い、健康に過ごしましょう。体調がすぐれない場合は、無理せずに外出を控え、事前に医療機関へ連絡して受診しましょう。
基本的な感染対策
百日咳
百日咳患者は、2025年において第28週までに428人報告(速報値)されており、2018年からの全数把握疾患としての調査以降、年間累計で最多を更新しています。百日咳は百日咳菌に感染して発症し、特有のけいれん性の咳発作を特徴とする呼吸器感染症です。主な感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染ですが、接触感染にも注意が必要です。咳が出るときはマスクを着用するなど咳エチケットを徹底することのほか、手指消毒・手洗いの励行など基本的な感染対策が大切です。また、予防接種も感染対策として重要であり、生後2月以降に計4回、定期接種である五種(四種)混合ワクチンの接種を行いましょう。
伝染性紅斑
伝染性紅斑の第28週における定点当りの報告数は2.81人で、第23週から警報基準を超えており、注意が必要です。頬の特徴的な発疹(紅斑)出現の7~10日程前にあらわれる微熱やかぜの症状の時期に、ウイルスの排泄量が最も多く、二次感染予防策が難しいため、日頃から手洗いの励行や咳エチケットを心がけることが大切です。また、妊娠中に感染すると、胎児への感染や流産のリスクとなる可能性がありますので、伝染性紅斑と診断された家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。
水痘
水痘の第28週における定点当りの報告数は1.39人で、注意報基準を超えました。水痘は、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスの初感染によって引き起こされる、かゆみを伴う発しんが全身に出現する感染症です。主に小児に多くみられ、通常は予後良好です。しかし、成人や妊婦、乳児、免疫不全の方、合併症のある方は重症化するリスクが高まりますので注意が必要です。感染対策として、ウイルスが多く含まれている水疱に触れた後の確実な手洗いや、家庭内での感染を防ぐためにタオルの共用を避けるといった接触感染対策が重要です。また、水痘は定期予防接種(生後12から36月までの子どもに対して計2回)となっており、未接種の方は予防接種を受けましょう。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナの第28週における定点当りの報告数は5.61人で、警報基準は超えていないものの、第25週以降、増加傾向にあり注意が必要です。発熱と口の中にできる水疱が特徴で、感染経路は飛沫、接触および経口感染です。予防には手洗いや咳エチケットが有効です。発症後4週間後頃までは、便からウイルスが排泄されるため、排便後やおむつ交換の後は、手洗いを徹底しましょう。
海外へ渡航される方へ
自身の予防接種歴を確認し、接種を受けていない予防接種がある場合は、予防接種を受けることを検討してください。帰国後に発熱・発しん等の症状が出現した場合は、必ず事前に医療機関へ連絡をし、マスクを着用して受診してください。なお、移動の際は、周囲の方への感染を拡げないよう、公共交通機関の利用は避けてください。また、海外で感染症にかからないようにするために、感染症に関する正しい知識と予防方法を身に付けましょう。厚生労働省のホームページも参考に、渡航先の感染症流行状況の把握や必要なワクチン接種を行う等の対応を講じましょう。

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)