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ベビーブームの昭和20年代、4万人を超えていた県内の出生数が、平成15年には1万人にまで減っています。また、現在5人に1人となっている県内の老年人口(65歳以上)の割合は、平成42年には3人に1人に増えると見込まれます。
こうした状況を踏まえ、大分県では少子化対策に最優先で取り組もうと、この3月に県の次世代育成支援行動計画「おおいた子ども・子育て応援プラン」を策定し、平成17年度を「次世代育成支援元年」と位置づけました。 |
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子どもを生み育てることは、個人的な問題であると同時に、社会全体の問題でもあります。農林水産業の後継者問題や空き店舗対策に悩む商店街、現役世代における税や社会保障の負担の増大にも少子化が影響しています。地域社会の活力低下や子どもの健全な育成が妨げられることへの懸念もあります。
「おおいた子ども・子育て応援プラン」では、「子どもが心身ともに健やかに育つ社会の実現」「安心して子どもを生み育てられる社会の実現」を目指し、子育て家庭への支援をはじめ、子育てと仕事の両立支援や、子どもの教育の充実、子育てしやすいまちづくりなど幅広い施策を重点的に実施することとしました。
子育て応援社会の実現には、県民の皆さんのご理解と主体的な取り組みが不可欠です。家庭、地域、学校、企業、行政が一体となった取り組みで、子どもたちの笑顔あふれる大分県づくりを目指しましょう。
おおいた子ども・子育て応援プラン:
http://www.pref.oita.jp/12400/jisedai/oitaplan/ |
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子どもが健やかに生まれ育つ環境づくり |
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出産前後、特に妊娠満22週から生後7日未満の「周産期」は、妊娠合併症や分娩時の新生児仮死など、母体、胎児、新生児の生命に関わる事態が発生しやすい期間です。周産期の突発的な緊急事態に対応するため、4月1日、県立病院に産科と新生児科の機能を集中させた「総合周産期母子医療センター」が開設されました。新生児集中治療管理室(NICU)や県内初の母体・胎児集中治療管理室(MFICU)、新生児救急車「カンガルー号」などの設備に充実したスタッフ、そして明るく楽しい雰囲気の外来診察室等を備え、24時間体制でお母さんと赤ちゃんを守ります。 |
新生児集中治療管理室(NICU) |
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地域における子育ての支援 |
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親子が気軽に交流できる「つどいの広場」や、育児相談や情報提供、子育てサークルへの支援を行う「地域子育て支援センター」など地域における子育ての支援を行います。
別府市では、平成16年10月に北部児童館が、この4月には子育て支援拠点施設「ほっぺパーク」が開設しました。どちらも木の温もりが感じられる建物です。保育所、児童館、子育て支援センターの3つの施設からなる「ほっぺパーク」には、地域住民が会員制で子育てを助け合う「ファミリー・サポート・センター」も設置されています。
「友達を誘って来たい」とうれしそうな小学生や「ここで元気に遊んでほしい」と願うお母さん。「ほっぺパーク」はそんな期待と願いにきっとこたえてくれるでしょう。
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県産材がふんだんに使われた
「ほっぺパーク」のスペース
ウォーク(ホール兼遊戯室) |
ゲームクライミングにチャレンジ でき
る北部児童館の 「のぼるんジャー」 |
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子育ても仕事もしやすい環境づくり |
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育児休業制度の普及啓発などにより、子育ても仕事もしやすい環境づくりを進めます。 育児休業を2回取得した藤本みゆきさん(中津市・三信建材社)は「子どもと一緒に過ごせてうれしかったです。社内のみなさんの協力や、義父母と実家の援助もあって助かります」と語ります。同社の上家専務によると「平成4年から社内のOA化と合わせ女性の登用を進めてきました。 建設資材の営業事務は電話の受け答えがきちんとできるまで3年はかかります。やっと一人前になったころ、結婚や出産で退職されるのは惜しい。そこで平成12年から育児休業制度を導入しました」とのこと。貴重な戦力だから周囲も育児休業取得に協力し、制度を利用できるから女性も働き続けることができる−歯車がうまくかみ合い、子育ても仕事もしやすい職場になっているようです。
「一番うれしかったのは夫が『家族経営協定を結ぼう』と言ってくれたときですよ。自分が認められたって思いました」九重町で170頭の牛を飼養している繁殖農家の鷲頭洋子さんは、夫の栄治さんと平成9年度に家族経営協定を結びました。協定内容は、農家の経営方針や家族の役割分担等。こうしたことを話し合いで取り決めたことで、自分の働きが認められ、農業経営にも広がりができたようです。息子の将治さんも平成11年に家族経営協定に加わり、平成15年には牛肉や米、みそなどの食材をほとんど自給する農家レストラン「べべんこ」の営業を始めました。
町外で働いていた娘が2人ともレストランのために戻ってきたのは、畜産農家として働く両親や祖父母の姿をずっと見てきたからかもしれません。
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藤本みゆきさん
(中津市・三信建材社)
鷲頭洋子さん(中央)と
長女の郁代さん(左)、
次女の恵理香さん(右)
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子どもの生きる力をはぐくむ教育環境づくり |
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子どもの生きる力をはぐくむ学校づくりと合わせ、家庭や地域の教育力を高めるため、子どもが体験的に学ぶ機会や、芸術文化に接する機会の提供に努めます。「別府アルゲリッチ音楽祭」では、例年トップアーティストによる子どものための無料コンサートを行っています。
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子どものための無料コンサート
(第6回別府アルゲリッチ音楽祭) |
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きめ細かな対応が必要な子どもと親への支援 |
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児童虐待の防止に努め、障害児やひとり親家庭へのきめ細かな支援を行います。
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夏休みなどの長期休暇中に
障害児の日中活動の場を
確保する
「障害児長期休暇支援事業」
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子どもにとって安心・安全なまちづくり |
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子育てしやすい住環境づくりや安心して外出できる環境づくりを進めます。また、子どもを犯罪や交通事故から守るため、県警ではパトロールや防犯・交通安全教室を実施しています。 |
「こまったときはいつでもおいで」
県警の安全教室
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