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おおいた産業活力創造戦力
  地場産業と進出企業が連携しともに発展していく「21世紀型の産業クラスター(産業集積)」の形成推進、新たな事業に挑戦する機会をつくり、知恵とアイデアを共有しながら創意工夫でチャレンジする企業や商店などへの支援による活力あふれる産業づくり。
もうかる農林水産業「The・おおいた」ブランド確立戦略
  消費者の立場に立った安全・安心な農林水産物の生産に「おおいたらしさ」を付加し、全国に通用する安全・安心、美しい、おいしい「The・おおいた」ブランドの確立。
住んでよし来ても楽しいおおいた戦略
 地域資源に磨きをかけ、魅力ある地域づくりで観光客を誘致し、観光と地域づくりが一体となった総合的な「ツーリズム」の振興。

安心して心豊かに暮らせる大分県 知恵と努力が報われる活力ある大分県
輝く竹炭ペンダントで地域の活性化を
  磨いた「竹炭」をペンダントにして販売する、こんな事業が県のコミュニティビジネス支援事業として助成を受け、豊後大野市大野町で始まりました。竹炭とは思えない輝きを放ち、美しい貼り絵が施されたペンダントは、竹炭製造の「アグリ窯」森田さんと竹田市の押し花工房「いちりん草」安松さんらが設立した「竹楽庵」で開発されたものです。
  「竹炭の研磨作業を市内の障害者施設などに委託することで、障害者の雇用促進にもなります。竹の伐採が里山の保全にもつながりますし、高級品として売り出すことで竹炭に付加価値が付いて収入の増加も見込まれます。将来的に直販店を持てば、そちらも雇用創出になります」将来展望を語る森田さん。試験販売も好調で、「竹炭ペンダント」が地域の特産品として定着する日も遠くなさそうです。
竹炭ペンダントの写真
竹炭に貼り絵を施したペンダント

日田市上津江町で「田舎暮らしのおすそ分け」を事業化
 「もともと地区の結束が強く、地区全体でツツジやシャクナゲなど花を植えて景観を整え、大学などを通して都市との交流も行っていました。地域づくりや田舎暮らしの経験を収入にも結びつけようと、コミュニティビジネスの事業化調査事業に応募しました」すでに食品営業や農家民泊の営業許可も取得した代表者の高畑さん。他に技術体験や直販、通信販売などで、都市住民との交流を図ります。若い後継者も多い「しらくさ郷の華」。その名のとおり、華やかな活動を見せてくれそうです。

しらくさ郷の華のメンバー集合写真 地元の食材を使った料理を前に
「しらくさ郷の華」のメンバー達
 
夏秋トマト、大分方式乾燥材、タチウオ・・・ 「The・おおいたブランド」を全国に
 夏秋トマトでは九州トップの産出額を誇る・竹田市荻町。現在、九州を中心に出荷していますが、関東の大手スーパーから品質(味)を買われ、11月から契約取引を開始します。
 安全、安心な農産物の消費者ニーズが高まるなか、減農薬、減化学肥料栽培による高品質で安定的な出荷量の確保が産地に求められています。
 JA大分みどりトマト部会長の工藤さんは、「産地戦略として、台風にも強い耐候性ハウスを積極的に導入し、安定生産を確立するとともに防虫ネットや害虫の繁殖を抑制するテープの活用等で農薬の使用を大幅に減らしています。
また、受粉を行うマルハナバチを導入することで、実の詰まったおいしいトマトが生産されており、このような取り組みを買い手側に積極的にPRしていきたいと思います」と語ってくれました。消費者に安全、安心なトマトを届けるため、さまざまな工夫をこらしているようです。
 大分方式乾燥材を使った住宅の第1号が9月に大分市で上棟されました。「内部の割れが少なく、従来のものより生木に近い香りや色を持ち、非常に品質のよい木材です。ぜひ広めていきたいですね」大分方式乾燥材の生産工場として認証された佐伯広域森林組合宇目加工場の工場長、今山さんの説明です。ブランドとして売り出すためには一定程度の量が必要ですが、約3〜6か月かけて天然乾燥させるため、保管場所の確保とそれに伴うコストが問題だそうです。「森林組合だから赤字でもよい、ということにはなりません。利益を山に還元するためにも高価格で売りたいです。そのためにはどうやって売っていくかが今後の課題です」と言います。
 国東町の浜松さんはタチウオを中心に魚の「売り方」を工夫しました。「不漁の時期が平成10年頃から続き、このままではだめだとインターネットを利用した通信販売を始めました。産地直送のタチウオやタコ、サザエなどを新鮮なままお客さんに提供したいんです。関東中心に口コミで年間60人程度の顧客ができ、一人では発送が追いつかないほどでした」と、2〜3年前の様子を話してくれました。漁が忙しい現在は、通信販売を一時中断していますが、「一度こういう経験したことで、自信がつきました。仲間が集まればまた始めたいですね。農産物などを入れてもいいかもしれない」と将来に向けての意欲を見せます。
今山さんの写真
佐伯広域森林組合宇目
加工場工場長 今山さん
工藤さんの写真
大分みどり農協トマト部
部会長 工藤さん

荒廃農地は「牛」まかせよう
 豊後高田市蕗地区の永松さんの荒廃農地で草を食べているのは畜産試験場の「レンタカウ」。急傾斜をものともせず元気に雑草を食べる牛たちですが、どうして荒廃農地で放牧されているのでしょうか?
  「耕作放棄地をそのままにしておくと、鳥獣害が発生するし、景観も悪くなります。そこに繁殖牛を放牧すれば、雑草を食べてくれるから景観がよくなる、鳥獣害も減る、子牛を売ることで収入も得られる、えさ代不要で低コストといいことづくめ」と利点を語るのは、農地所有者で「西高の農地を守る放牧の会」会長の永松さん。耕作放棄地に牛を放牧するこの事業は提案型地域産業支援事業(夢未来創造事業)として採択され、県の助成を受けています。事業の本格実施の前に「レンタカウ」で試行中なのです。雑草だけでも痩せることなく育った牛たち。ユニークな試みで、西高地域の荒廃農地が放牧地として再生されそうです。

養殖どじょうで、料理名人の技で、温泉場の活力で、合併地域周辺部の活性化を
 県内水面研究所が開発した「どじょうの高密度養殖」の技術をもとに「どじょうによる里山産業の創生事業」で宇佐市院内町、安心院町の地域おこしを図っているのは「大分どじょう村塾」の中津留さん。
  「比較的高価で取り引きされるどじょうの養殖は、中山間地域でのビジネスになります。どじょうが生息できる無農薬の環境も消費者にアピールできます。どじょう養殖に取り組む地域を、経済の『エコノミー』と環境の『エコロジー』、2つの意味を持つ『エコ集落』として活性化させたいと思います」どじょう料理をもっと広めて地域の特産にしようと、試食会や料理講習会も企画しています。
  また、地域の料理名人の技を生かして、本物の田舎料理が味わえるレストランや工房をアフリカンサファリ近くで開設する「安心院名人の里づくり事業」も始まっています。
  「私は商売人ですが、地域の元気がなくなれば商売も元気ではなくなります。だから、まず地域を元気にして観光客を呼び寄せたい、そのためにも地域の高齢者が持っている技を生かし伝える場、収入が得られる場をつくりたい、そう考えたんです」事業の中心となる賀来さんの本業はガソリンスタンドの経営ですが、すでにレストランや直売所の経営実績もあります。その経験を生かした安心院名人の里「仙人田茶屋」。11月のオープンが楽しみです。
  宇佐市での取り組みは「合併地域活力創造特別対策事業」に採択されました。10月に合併したばかりの由布市でも、この事業を活用して「自主自立した湯平地域の創造」に取り組もうとしています。農業と観光を連携させ「観光客の増加」「個性ある湯平温泉の創造」「農業等の地域資源の活用」を図り、地域収益の増加や地域活力の創造を目指そうというものです。
  地域住民が一体となった「湯平温泉場活力創造会議」の発足後は、「温泉資源の活用」「農業との連携」「食の魅力アップ」など5つの戦略ごとに分科会を設け、それぞれが計画をつくります。12月には全体計画を作成し、「合併地域活力創造特別対策事業」採択を目指します。風情ある石畳、豊富な温泉、川のせせらぎ、新鮮な農産物、そして観光客に気軽にあいさつしてくれる地域の皆さんのおもてなしの心。湯平の魅力を最大限に生かし、足りない部分を補いつつ、活気あふれる温泉場にしようと、地域の皆さんの挑戦が始まります。

大分どじょう村塾の写真
養殖どじょうのブランド化が課題
大分どじょう村塾

魅力ある湯平 元気な湯平会議の写真
湯平温泉場活力創造会議


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