―高校改革プランのポイントは何でしょうか? |
山崎 現代社会の要求や、子どもたちの多様なニーズに柔軟に対応できるような学校づくりですね。そのために、通学区域を全県一区とし、学校規模を適正化するために再編整備を図り、現在の6通学区域内に普通拠点校と総合学科または総合選択制の高校を1校ずつ設置するよう提言しています。
高校では、社会性や協調性を養うため、生徒が互いに磨き合い鍛え合うことや、専門性を保った教員の確保が大切ですが、小規模校ではそれが困難です。また、専門学科に入学後、進学を希望する生徒もいますが、小規模校ではそうした生徒にニーズに対応できないことが多い。そこで総合選択制や総合学科で、そうしたニーズに応えようとするわけです。 |
―小規模校なりのよさもある、地域の学校を残してほしい、という声もありますが。 |
山崎 適正規模校と小規模校とは対立するものではなく、きめ細かな指導など、小規模校のよさを生かすことは十分可能です。
また、今後の生徒数減少を考えれば、1学級10数名程度の学校から廃校になってしまうことが、本当に子どもや地域のためになるのでしょうか。卒業後の進学や就職を見すえ、ニーズに応じた多様な教育環境を提供することの方が、子どもにとってはるかに有益です。 |
―今回の改革で,県全体の学力向上が図られるのでしょうか? |
山崎 生徒の選択肢が広がる、ということは、高校にも「生徒から選ばれる高校」になるための努力が要求されることになります。適正規模の教員配置や、よい意味での競合は、学力向上につながるでしょう。また、特定の学校に集中することを防ぐためには、特色ある学校づくりや、教員の意識改革が必要です。社会の変化や生徒のニーズの多様化を素早く察知し柔軟に対応することや、自分たちの仕事の検証を行うことが大切です。教員の仕事の評価は大変難しいことですが、やらなくてよいわけではありません。閉鎖性を打破し、保護者や地域に開かれた学校になる必要があります。
生徒の選択肢を広げ、よい意味での高校間の競合を図ることは、豊かな人間性と社会性の醸成や学力の向上につながります。子どもたちが充実した高校生活を送ること、そして自分の希望に沿った進学や就職の実現を可能にすること、それがこの改革の目的であり、大分県を「発展」させることでもあるのです。 |