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県政だより 新時代おおいた VOL.38
県政だより 新時代おおいた vol.38 表紙写真
vol.38 2005年1月発行
特集1 新春座談会「知事と語ろう大分の未来」

特集2 特色・魅力・活力ある高校づくり

特集3 住民サービスの新たな担い手−NPO−

風紋 「将来に夢と希望の持てる新市づくり」

地産地消・とよの国の食彩

県民レポーターによる訪問記

心ひらいて

風の四季

地域の風だより

県内の各世帯に配布(奇数月に発行)しています。 ご意見・ご感想をお聞かせください。
メール a10400@pref.oita.lg.jp
【表紙の写真】 4年間定時制高校で頑張った大分中央高校4年生・別府市の白井真利子さん

 
 「苦手な科目もあるけれど、どの先生の授業もいろいろな工夫があって、全部面白くて楽しいです。社会に出た後のことも考えて授業をしてくれるので、とても役に立ちます。」笑顔で話す白井さんは定時制の大分中央高校4年生。片道2時間弱の通学を4年間続け、今春卒業します。4年間の頑張りを支えてくれたのは、学ぶ楽しさを教えてくれた高校生活だったようです。
  3年生の後半から生徒会会長も務めた白井さん。行事等の企画は授業が終わる午後9時から始まるため帰宅は11時を過ぎることも多かったけれど、みんなと一緒に作り上げる過程が一番楽しかったそうです。生徒会会長としてみんなを引っ張っていった強さと明るさを、今後も発揮してもらいたいものです。


特集1 知事と語ろう大分の未来
鈴木麻理 (OABアナウンサー (司会・進行))
 新年明けましておめでとうございます。
2005年の幕開けを迎えました。きょうは県内各地で活躍する皆さんと広瀬知事をお迎えして、これからの大分県の姿についてお話を伺ってまいります。
まず広瀬知事に昨年を振り返っていただきます。
広瀬勝貞 (大分県知事)
 2月の鳥インフルエンザの発生、夏から秋にかけて4回にわたる台風襲来と、日ごろからの危機管理が大事だと痛感した年でした。
 同時に、県民の皆さんのご協力やご尽力をいただき、安心・活力・発展の新しい大分県づくりを順調に進めた年でもありました。
  たとえば、大分県の豊かな天然自然を守り、それに磨きをかける「ごみゼロおおいた作戦」は、県民の皆さんの参加で、活動に火が付きました。
  企業誘致や生産拠点の拡大も、新日本製鐵大分製鐵所の世界一の高炉(第2高炉)の火入れ、東芝大分工場の300ミリウェハーの新棟竣工、ダイハツ車体の操業開始、そして、大分キヤノンのデジタルカメラ工場の竣工と、元気な話題が続きました。
  もう一つ、人づくりですが、小学校1学年における30人学級の導入や高校改革についての議論が本格化するなど、いろいろなことがスタートした年でした。
鈴木
  災害もありましたが、実りある1年でもありましたね。
  実りといえば、安心院町の松本地区が昨年、第43回農林水産祭むらづくり部門で最優秀賞である天皇杯を受賞しました。松井さんは、その松本の区長兼営農組合長として、農業振興やグリーンツーリズムに取り組んでおられます。

  県民一人が1個のごみを拾えば、大分県全体で121万個のごみが無くなる―「121万人県民一斉ごみゼロ大行動」の取り組み

付加価値の高い農業と活力有るむらづくり
松井義彦 (安心院町松本地区区長 松本営農組合長)
 松本地区では、大豆の集団転作に取り組もうと、平成12年に営農組合を設立し、機械の共同購入や営農センターの建設などを行っております。
  また、大分市内の豆腐製造・販売業者の方が、松本の大豆でおいしい豆腐を作ってくださったのですが、その売り場に野菜や加工品も出品し、アンテナショップ的に利用させていただいています。こうした取り組みを通じて、収益の増加も見られました。ホタルの里の音楽界などいろいろなイベントを通して都市との交流も行っています。
鈴木
 時代の流れと共に農業のスタイルも変わってきましたね。
広瀬
 そうですね。保護中心だった農業政策も、いまや競争のほうにシフトしているようです。消費者が好むような安全でおいしい物を作ること、知恵を出してもうかる農業を行うことが大事ですね。
  松本地区の皆さんのように生産性や付加価値を高め、「業」として成り立つ農業の実践が、これからの農業の一つのパターンになっていくのではないでしょうか。
  また、グリーンツーリズムなどの組み合わせも大変魅力的です。農林水産業の皆さん方がしっかりと仕事してくださることが、自然を守っていくことになる。大事なことだと思います。
鈴木
 続きまして、漁業を営んでおられる広戸さんに、取り組みをお伺いしてみましょう。

  「最後に納豆も作るよ」−総合的な学習の時間を利用して、松本地区で大豆づくりに取り組む小学生

森は海の恋人
広戸とよ子 (県漁協女性部臼杵支部役員 豊の濱塾塾生)
 漁業のすばらしさは、頑張れば頑張るほど自分のものになっていくこと、生涯現役でいられること、そしてなにより新鮮で究極の味を味わえることです。
  子どもたちにも漁業の素晴らしさを伝え、魚好きな子どもを増やしたいですね。
  また、「森は海の恋人」といわれます。木を植えることによって森の養分が海に流れて海が豊かになるのです。年々資源が減少していく中で、数十年後の豊かな海を夢見て私も森林ボランティアに参加しています。
広瀬
 大分県の漁業もなかなか厳しい時期ですが、消費者の皆さんに、もっともっと魚を食べてもらえるよう、魚の食べ方やさばき方を教えること、味を教えていくことが大事ですね。学校給食でもそういう取り組みを行っていきたいと思います。
  それともう一つ、森は海の恋人というお話がありました。広戸さんは毎年植樹際に出かけておられますが、多くの漁業者が森を守るため運動に参加されておられます。非常に大事なことですね。
鈴木
  今後が楽しみですね。
  次は、仲谷マイクロデバイス株式会社代表取締役社長の仲谷さんに工業面、特に半導体産業の現状についてお話を伺います。

  海の魚も森の恩恵を受けている―漁業者による植樹活動が森と海とをつなぐ

大手企業の進出と地場企業の連携
仲谷義文 (仲谷マイクロデバイス(株)代表取締役社長)
 携帯電話やDVDなど、半導体を使った機器が皆さんの生活の中でどんどん増えています。大分でもキヤノンの新工場が建設されたように、デジタルカメラの普及も著しいですね。半導体産業は、毎年二桁ずつ成長している、最近では珍しく成長率の高い産業です。
  しかし、半導体産業は世界中の競争にさらされていますから、勝ち残るのは大変です。幸い、日本の消費者は非常にセンスがよく、新しい物を好みます。マーケットの支えがありますし、非常に優秀な事業者がそろっていますから、最先端のジャンルを目指す限り、日本の半導体産業は生き残っていくだろうと思います。
  大分県には、東芝をはじめ最先端の工場があり、地元企業もそれを支えて、トップクラスのエンジニアリングを保持しています。世界に負けないように、なによりも日本のマーケットに対応できるよう、日々奮闘しているという現状です。
鈴木
 大手の企業が進出してきて、地場の企業との連携が課題になってきますね。
広瀬
 そうですね。大手の企業が来てくれるのは大変ありがたいことですが、企業の進出に伴い、地場の企業の人の仕事が増えることも非常に大事なことです。
  大手企業は、世界で競争していますから、コストにも品質管理にも納期にも厳しい。大手と連携するためには、地場の企業も技術開発や経営革新を行わなければならない。そういう努力を積み重ねて、仲谷さんのような地場の企業が育っています。今後が非常に楽しみですね。
  県でも、産学官で地場の企業を応援する体制づくりや、アドバイザーの派遣といった支援を行っています。
鈴木
 次に留学生への支援について、立命館アジア太平洋大学(APU)の就職担当部署にお勤めのマクドナルドさんにお話を伺います。

  デジタル家電や携帯情報端末向けの最先端システムLSIの生産を行う東芝大分工場
(手前が300ミリウェハー対応の新棟)

留学生への支援と交流の拠点作り
マクドナルド・キャトリオナ (MacDonald Catriona  
立命館アジア太平洋大学キャリアオフィス(就職担当部署)勤務)
 APUでは約1800人の留学生がいますが、日本で就職したいという学生が非常に多く、日本の会社がどんな人材を求めているのかをよく聞かれます。
  高度な言語能力と国際的な考え方を持つ人材を募集している企業がほとんどですから、日本語をしっかり勉強し、いろいろな国の学生と友達になることが大事だ、と学生に伝えています。
  また、就職か進学か迷っている学生も多いので、自分の日本での職歴や大学院生としての経験から、サポートを行っています。
鈴木
 大分県にとっても、留学生の皆さんにとっても、相互にメリットのある関係を作ることができるといいですね。
広瀬
 大分県の人口あたりの留学生の数は東京についで2番目に多いのです。その留学生の生活支援や地域との交流活動の連絡拠点として、大学や産業界とともに「大学コンソーシアムおおいた」を設立しました。ここを中心に、留学生と県民との交流を深めていきたいと思います。
鈴木
 では、今年の目標を皆さんから一言ずつお願いします。
松井
 まず、加工や販売も組み合わせて農業の営農組合法人化を目指すこと、それから、山に囲まれた松本地区の地理的条件をうまく利用して、エコファーマーなどの取得を目指すこと。この2点が今年の目標です。
仲谷
 カスタマー・サティスファクション(顧客満足)という言葉がありますが、お客様自身も気付いていないようなことを先んじて察知し、いろいろな提案ができるような会社を目指したい、そういう仕組みをどんどん会社の中で作りたいと考えています。
マクドナルド
 就職活動についてもっと勉強し、より多くの留学生が卒業後も大分県に残って仕事ができるよう、支援したいと思います。
鈴木
 最後に、知事から今年の目標と県民の皆さんへのメッセージをお願いします。

  「大学コンソーシアムおおいた」の留学生による地域活動支援事業の一環で、小学生に英語を教える留学生

 

長期総合計画の策定・行財政改革の実行・市町村合併への支援
広瀬
 まず目標の一つ目ですが、今年は大分県の長期総合計画を作る年です。県民の皆さんのアイデアを活用しながら、これならやっていけるという安心・活力・発展のプランを作っていきます。
  二つ目は、行財政の基盤づくりのため、行財政改革2年目の今年も、着実な改革を実行することです。
  三つ目ですが、今年は市町村合併が本格的に実施される年です。県民の皆さんに「合併してよかった」と思われるような合併でなければなりません。そのため、新市の周辺部対策をはじめ、各地域をしっかりと応援していきます。
  今年も県民の皆さんと共に知恵を出し、汗を流して新しい大分県づくりに取り組んでいきます。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。


(1月3日放送 OAB新春特別番組要旨)

平成17年度中に合併(予定)の市町村(平成16年12月末現在)
合併(予定)期日 合併(予定)市町村 新市名 合併方式

H17.1.1

臼杵市・野津町 臼杵市 新設
H17.1.1 大分市・野津原町・佐賀関町 大分市 編入
H17.3.1 中津市・三光村・本耶馬溪町・耶馬溪町・山国町 中津市 編入
H17.3.3 佐伯市・上浦町・弥生町・本匠村・宇目町・直川村・鶴見町・米水津村・蒲江町 佐伯市 新設
H17.3.22 日田市・前津江村・中津江村・上津江村・大山町・天瀬町 日田市 編入
H17.3.31 豊後高田市・真玉町・香々地町 豊後高田市 新設
H17.3.31 宇佐市・院内町・安心院町 宇佐市 新設
H17.3.31 三重町・清川村・緒方町・朝地町・大野町・千歳村・犬飼町 豊後大野市 新設
H17.4.1 竹田市・荻町・久住町・直入町 竹田市 新設
H17.10.1 挾間町・庄内町・湯布院町 由布市 新設
‥県議会への合併関連議案未上程




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