平成16年12月の大分県内の*有効求人倍率は0.80でした。これは、九州平均を大きく上回る数値ですが、若年者や中高年齢離職者、障害者など、自分の希望に沿った仕事を探すことが難しく、厳しい状況に置かれている方も少なくありません。そこで県では、就職についての相談窓口の設置や仕事を探す人の能力開発など、雇用のミスマッチの解消に取り組んでいます。 |
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厳しい雇用情勢の中でも、とりわけ就業が困難な障害者に対し職業能力開発の機会を拡充するため、今年度新たに始まったのが「障害者職業能力開発事業」です。これは、社会福祉法人やNPO法人などに委託して障害者への職業訓練を実施するもので、今年度は4法人に事業を委託しました。
その一つ、別府市の社会福祉法人「太陽の家」では、5人の方が3か月間の「モノづくりコース」の訓練を受けました。品質、コスト、納期についての基礎知識を習得した後、実際の作業を経験し、仕事の流れや作業に必要な技術を身に付けていきます。授産施設や関連企業での部品の組み立て作業のほか、食堂での配膳作業やスーパーでのレジ打ちなど、さまざまな仕事を体験することができました。
また、社会人としての基本的なマナーや会社の仕組み、社内での人間関係についても学んでもらおうと、「ビジネスマナー」や「コミュニケーションスキル」などにも時間を割いています。
訓練中の皆さんにお話を伺ってみました。「周囲の方が親切で、いろいろと教えてもらっています」と言う平田さんや姫野さん。「こつこつやる作業が自分に向いているように思えます」と言うのは、ソケットのビス止め作業を黙々とこなしていた前田さんと大野さんです。スーパーでレジを打つ新畑さんは、「慣れない時は袋詰めが難しかったです。お金を扱うので大変気を使いますし、お客様が待っているのを見ると焦ってしまいます。でも、最近はお客様の顔も少し覚えました」と笑顔で話してくれました。
訓練を終えた5人の方が何より望んでいるのは、「この訓練を次の就職に生かしたい」ということです。平成16年の県内の民間企業の*障害者雇用率は2.03%と、全国でもトップクラスの高い数値でした。障害者雇用に理解のある企業が全体をけん引してきたのです。「太陽の家」で訓練のカリキュラムを組んだ事業部の西山課長も「雇用情勢が厳しい中ではありますが、試験的に雇用してもらうなど、何とか就職につなげていきたい」と頑張っています。その結果、平成17年1月末現在、平田さんと新畑さんの2名が期間を定めて「太陽の家」の関連企業に雇用されることになりました。
このほか、県では、若年者や中高年齢者への就業支援にも取り組んでいます。若年者の就職支援について、相談から職業紹介までワンストップでサービスを提供する「ジョブカフェおおいた」の設置や、中高年齢の離職者を対象にカウンセリングや職場研修を行う「中高年齢離職者インターンシップ事業」など、さまざまな事業を実施することにより、雇用のミスマッチを解消し、誰もがいきいきと働ける就業環境の整備を目指します。
*有効求人倍率=有効求人数を有効求職者数で割った数値。
*障害者雇用率=常用する労働者・職員数に対する身体・知的障害者の雇用割合 |
オアシスひろば21 地下1階の
「ジョブカフェ おおいた」 |
■ジョブカフェおおいた
平成16年4月1日開設
住 所:大分市高砂町2番50号
オアシスひろば21 地下1階
TEL.097-533-8878 FAX.533-8667
http://www.sorin-oita.or.jp/
から「ジョブカフェおおいた」を選んでください。
窓 口:月曜日〜金曜日(祝日、休日を除く)
8:30〜17:00(12:00〜13:00を除く)
対象者:中・高・大学生を含む30歳未満の若年者(雇用保険受給者を除く)
1.情報の提供
- 県内企業情報の提供
- 登録者個別情報(住所・氏名等は非公開)の登録企業への提供
- 職業訓練や就職面接会等の情報提供
2.就業支援
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新規登録企業数 |
758社 |
新規登録求職者数 |
2,550人 |
相談件数 |
5,008件 |
紹介件数 |
3,932件 |
就職件数 |
679件 |
インターネットアクセス件数
(平成16年9月〜12月) |
28,430件 |
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■障害者職業能力開発事業
平成16年度〜18年度実施予定
対象者:公共職業安定所に求職申し込みをしている障害者の方
訓練期間:3か月
※平成17年度の委託先や募集人員、 申込期間等は3月頃決まる予定です。
問い合わせ先:
県労政能力開発課
TEL.097-536-1111
内線3328 |
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ビス止め作業 中の大野さん(左)と前田さん(右) |
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