大分県庁のホームページ 『新時代おおいた』のバックナンバー
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チャンスをつかめ!ネットビジネス新時代
アイデアさえあれば世界の中心に立てる。
前号の本誌「新時代おおいた」でこんな言葉をご紹介しました。
発言主は大分県出身でグーグルジャパン社長の村上憲郎氏。
インターネットを使えば、日本のどこにいようとも
世界に向けて打って出ることができるんだよ、という意味が込められています。

ここ大分県にもそれを実現している人たちがいます。
ネット上に店舗を作り、連日全国から何千人という客を集めているのです。
どうしてそんなことができるのでしょうか?
特別な才能や技術があったのでしょうか?
あるいは莫大な費用が必要なのでしょうか?

今回の特集では、インターネットの進展が切り開いた新たなチャンス
「ネットビジネス」の世界の一端をご紹介します。
あなたの明日のビジネスに役立つヒントが見つかるかもしれません。
成功の秘訣はたゆまぬ努力
  「ネットショップを始めたきっかけはささいなことでした。商品管理のためにパソコンを導入したんですが、あまり使っておらず、『もったいないなぁ』と思ったんです」とおっしゃるのは石野さん。中津市で布団・家具の販売業を営んでいらっしゃいます。
  幸いパソコンに抵抗感が無かったという石野さんは、ご自身の手で一から「石野ふとん店」のショッピングサイトを立ち上げました。今では1日に約1,500人のアクセスがあるそうですが、始めから順風満帆だったというわけではありません。
  「最初はまったくアクセスがありませんでした。どうやったら見てもらえるか、試行錯誤をずっと繰り返して、完全に軌道に乗るまで、3年くらいはかかりましたね」。どうやらネットショップは、開設さえすれば客が来るというような単純なものではないようです。石野さんはどのように取り組まれたのでしょうか。
  「ネットショッピングをする場合、まずは商品を検索しますよね。自分のサイトを見てもらうためにはその検索結果の上位に表示されることが大切ですので、まずは自分なりに勉強して順位を上げる工夫をしました。それから、いろいろなサイトに登録したり、分かりやすいように商品に説明文を詳しくつけたり、あらゆることに取り組みましたね」
  そんな努力の成果もあり、今やネットショップのほうがメインになったという石野ふとん店。「これからは商品点数をもっと増やして、ラインナップの充実を図りたいですね。在庫を抱えなくてもそれができるというのは、ネットショップの大きなメリットですから」。より魅力的なショップを目指し、さらに努力を重ねる毎日です。
石野淳藏さん

「知識も技術も無かった」50代での挑戦
  「靴は試着して買う物、という先入観があったため、ネットでは難しいんじゃないかと思っていました」とおっしゃる首藤さん。臼杵市に実店舗を構える「靴のシュトー」の代表です。「しかし店の売り上げは下がるばかりですし、何とかしなければという危機感がありました。同業者がネットショップを始めてうまくいっているという話を聞き、よし、やってみようと思ったんです」
  ネットショップを開きたい場合、前述の石野さんのように独立したショッピングサイトを立ち上げる以外にも、インターネット上のショッピングモール(電子商店街)に出店するという方法があります。パソコン初心者の首藤さんはこちらを選びました。「デジタルカメラで写真さえ撮れれば大丈夫、といううたい文句に引かれて(笑)」。モール運営会社が持っているノウハウを教えてもらえたのも良かったとおっしゃいます。
  「ネットショップを始めて、売り上げは3倍近くになりました。もしネットが無かったら、店を辞めていたかもしれないですね」。そんな経験から、強く思うことがあるそうです。「私は、これから小売店が生き残るためにはネットショップしかないんじゃないかと思っているんです。ネットでは都会も田舎も条件は一緒です。いえ、むしろ人件費や土地代の安い分、地方のほうが有利と言えます。ぜひ大分の人にこそ挑戦していただきたい。元気な店舗が増えれば地域も元気になると思います」
  最後にこれから始めたいと考えている方へのアドバイスを伺うと、「やる前からあきらめている人が多いんじゃないでしょうか。とにかくやってみることが大切です。58歳の私にもできたんですから」と力強く語ってくださいました。
首藤章さん


ネットビジネスは地域商業活性化の切り札:清水りえ主査
  県ではネットビジネスの可能性に着目し、県内事業者のネットビジネス参入を進めるための取り組みを始めています。商業・サービス業振興課の清水主査にお話を伺いました。   
— ネットビジネスのメリットとはどのようなことですか?
  インターネットショッピングの市場は右肩上がりで拡大を続けており、今後も成長が見込めます。今、ネットビジネスに参入したとしても、まだ十分チャンスはあるわけです。加えてその市場は世界中に広がっています。
  また、実店舗を持つのに比べ、初期経費が安くて済むという利点もあります。特に、既に実店舗をお持ちの場合は、販路拡大に非常に有効です。実店舗があるということがネット上での信頼につながり、有利に働くという面もあります。
— 逆にデメリットは?
  ネット上の無数の店舗の中から探し出してもらわないといけないわけですから、常に勉強や努力が必要です。ネットビジネスは一つの大きなチャンスですが、知恵と工夫とチャレンジなくして成功はない、ということは知っておいていただきたいと思います。
  また、意外に思われるかもしれませんが、成果が現れるまでには時間がかかります。我慢強く努力を続けていくことが大切です。
— もし新たにネットショップを始めたいという人はどうしたら良いのでしょうか。
  まずはネットを利用して、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。参考になるようなサイトが見つかったら問い合わせてみるとか、あるいは知人でネットショップをやってらっしゃる方がいれば教えてもらうとか、いろいろ方法はあると思います。さらにウェブコンサルタントと言われる専門家もいますので、そういう方に相談をするというのも一手です。
— 県としては、ネットビジネスの広がりによりどのようなことを期待しますか。
  地域の中に一つ元気な店舗があれば、波及効果があります。雇用も生まれるでしょうし、「うちも頑張ろう」と思う他の店舗もあるでしょう。そうやって元気な店舗が増えていくことで、地域商業の活性化につながることを期待しています。
問 商業・サービス業振興課 商業・サービス業支援班 TEL 097-506-3285 FAX 097-506-1754 E-mail  a14300@pref.oita.lg.jp


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