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新時代おおいたNo.98

印刷用ページを表示する掲載日:2015年1月30日更新

新時代おおいた98号

特集1     新春対談 アートでおおいたに魔法をかける
特集2     大分の食品産業を応援します!
風紋      VWと人事塞翁が馬
トピックス   教えて!介護保険制度のしくみ
県民ひろば  県の魅力や取り組みを分かりやすくお届けします!
お薦め図書コーナー 心ひらいて  とよの国の食彩   

 

 特集1  新春対談 アートでおおいたに魔法をかける

新春対談【対談者】

NPO法人BEPPU PROJECT  代表理事  山出淳也さん

NPO法人denk- pause   代表理事  八坂千景さん

大分県知事 広瀬勝貞

 

広瀬 明けましておめでとうございます。

 さて、アートといいますと、皆さんすぐ、なんだかよく分からないとか、絵画や彫刻を思い出して、自分には理解できないとか、お思いになる方が多いと思いますけれども、今日はその思いをちょっと横において、アートの魔法に浸っていただければと思います。アートで多くの人を魅了してきたお二人をお招きしています。

 NPO法人BEPPU  PROJECT  代表理事  山出淳也さんです。山出さんは、昨年6万人以上のお客さんを呼び大変賑わった「国東半島芸術祭」の仕掛け人です。

 もうおひと方は、NPO法人denk|pause 代表理事  八坂千景さんです。八坂さんはコンサートプロデューサーとして、音楽の魅力を皆さんにお届けされているほか、まちづくりにも大変熱心に取り組まれています。

広瀬知事 八坂千景氏 山出淳也氏

 アートの力

広瀬 早速お伺いします。お二人にとって「アート」とは何でしょうか。

山出 「気づき」だと思います。

広瀬 八坂さんはいかがですか。

八坂 「出会い」だと思っています。

広瀬 「気づき」とか「出会い」というと、我々もいつも体験していることですから、案外「アート」って難しくないなって感じがします。山出さんがおっしゃる「気づき」について、もう少し踏み込んでお伺いしたいのですが。

山出 アートは、これまでにない考え方に気づくことができる媒体です。ですからアートが目的ではなくて、アートを通じて我々の心が動き始める、ものの見方が自由になっていく、そういうものだと思っています。

広瀬 昨年、「国東半島芸術祭」を私ものぞいてみたのですが、美しい自然に気づき、そして作品を見た後に土地の人と話をすると、皆さんやさしく、あたたかい気持ちの方ばかりだなと思いました。

山出 そうですね。地域の方が心からお客さまをおもてなしされていました。設置されている作品は「自分たちの作品」と言って、自分たちの言葉で、自分はこう感じるんだということをお客さまに伝えてくださいました。

広瀬 八坂さんは、アートは出会いであるとおっしゃいましたが。

八坂 私の場合、音楽と出会ったことが一番大きいです。アートというと、どうしても美術よりになるので、自分の中では「アーツ」という複数形で話をすることが多いのですが、一人の音楽家と出会ったということが大きな出来事でした。

広瀬 よく一期一会という話がありますが一音一会ですね。

八坂 まさにその通りです。

広瀬 出会いには、いろんな人と出会って感動する楽しみ、同じ人に何回も会いながら感動が深まる楽しみもあります。例えば、別府アルゲリッチ音楽祭。アルゲリッチさんに毎年会うたびに、なんとなく音楽が分かってくるような、自分も成長するような楽しみがあるものです。

 私自身はアートとは「元気づくり」だと思っています。アーティストの思いが凝縮され、爆発したときに作品になると言われています。それを我々お客さんは受け取って元気になり、その元気がまたアーティストに跳ね返ってくるというように、元気のやり取りの中で元気が出てくる。それが二人だけから面的に広がってきて、さらにまちづくりまで広がっていく。そういう力が、アートにはあるのではないでしょうか。

 

 アートとビジネス

広瀬 八坂さんは、いろんなアーティストを呼んできて、それを皆さんにお伝えするという仕事をやっていますよね。

八坂 そうですね。先日マーティン・ヘルムヘンというドイツ人のピアニストのピアノリサイタルを開催しました。私の活動は、コンサートを主催する以外にも、招聘をしたピアノコンサートの企画を、他のホールや他県の主催者の方に買っていただくということも含めてやっています。アーティストも日本に来て演奏するということに大変喜びを持っていますので、そのアーティストの喜びとお客さまの喜びと二つの感動を得て続けてまいりました。

 コンサートの様子マーティン・ヘルムヘンのピアノリサイタル

広瀬 あのような著名な方を呼んでくることができるのは、コンサートプロデューサーの実力によるんですか。

八坂 いろんな方々が支えてくださってのことです。大分だけでなく他の地域でも聴いていただきたいと思い、他の主催者さんにも声をかけて、初めてコンサートが実現します。

広瀬 県内にはいろんなホールがありますから、八坂さんが活動していただいているおかげでずいぶん行き渡りますね。

八坂 大分市だけではなく、いろんな地域にすばらしいホールがありますので、各地域でコンサートをして、その地域の人が来るというのが重要です。平日の昼間のコンサートなども開催していまして、特定の人だけが毎回というのではなくて、普段来ることができない人たちにも提供できるといいなと心がけています。

広瀬 さて、山出さんの方は同じくアートというのをビジネスのフィールドに広げていった「Oita Made」というお仕事をされていると伺いました。

山出 簡単にお話しますと、主原料が大分県産のもの、大量生産をしない手作りのもの、その生産者が、大分県に対して強い思いをもっている方々とパートナーになって一つ一つ商品を紹介しています。その紹介の仕方をアートやデザインの力を借りてパッケージを新たに作り直すとか、紹介の仕方を変えていくとか、そのような形で50商品以上のものを扱っています。ただデザイン的にきれいにするということではなくて、その生産者の思いをどうやってストレートに伝えていくか。それによって、その商品のファンから生産者のファンに、さらにその生産者が大切に守っている土地、大分県のファンになってもらおうと思っています。

oitamadeOita made

広瀬 アートを活用してビジネスの世界で付加価値をつけていくとか、真の価値を訴えていくとか、いろんなことができますよね。大分県は観光立県、おもてなしを非常に大事にしていますので、ホテルや旅館でもアートの一味があるかどうかでお客さまの満足度が違いますよね。

 

 アートとまちづくり

広瀬 もう一歩先に進めて、アートとまちづくりというと、フランスの西部にナントというまちがあります。基幹産業の造船業が衰退したため、皆さんで議論して、フランスにある芸術文化、アートでまちづくりをやってはどうだという話になったそうです。それまであった工場を美術館にしてみたり、オフィスをアーティストのための工房にしてみたり、あるいは造船技術に若いアーティストのセンスを入れて、巨大な機械仕掛けの象を作って、これに人を乗せて街をのし歩いたりして、人気を呼んでいました。市予算の15%を芸術文化に充てるなど、そんなアートのまちづくりもあるんだなと思いました。

山出 それを日本語では「創造都市(クリエイティブシティ)」と言います。ナントの場合は、失業率が40%を超えるなど、ほとんどまちが破綻しかけた時期があったとも聞いています。その中での大きな決断だったと思います。住みたいまちをどうやってつくるか。そのために文化や芸術の力が大きく意味があるのではないか。そういう、日常的に芸術文化があふれたまちに住みたい人たちがどんどん集まってきます。大学も移転してきました。それがまちの元気をつくるんだと思います。

広瀬 これからのまちづくりを考えるとき、アートの力というのは無視できないですね。

フランス・ナントフランス・ナント「機械仕掛けの象」

山出 我々は芸術祭を開催しますが、芸術祭のために芸術祭を開催するわけではありません。芸術祭が一つのプラットホームのような形になり、いろんな方々に関わっていただきたいと思っています。皆さんと一緒に芸術祭をつくっていく、手作りなんです。それによっていろんな人たちがアートを通じて元気になったり、いろんなことに気がついて新しいおもてなしをつくっていこうとか、どうやったらこのアートの魅力を伝えていけるかとか、また、別府や大分県の魅力を伝えていけるかとか、一緒に考えていく。そのために芸術祭という形を活用しています。

香々地プロジェクト 国東半島芸術祭 香々地プロジェクト 撮影:久保貴史

広瀬 八坂さんのトイレンナーレもおもしろいまちづくりの試みですよね。

八坂 3年に1度のアートフェスティバル「トリエンナーレ」という名前を、「トイレンナーレ」という、トイレを舞台にした芸術祭になぞらえました。その実行委員長をさせていただいています。普段アートに携わらない人が必ず行かないといけないトイレにアートがあります。そこから、気づきや出会い、元気になるといったところにつながっていけばいいなと考えています。

 トイレンナーレ おおいたトイレンナーレ 撮影:yasunori takeuchi

 アートが花開く

広瀬 最後に、今年のお二人の抱負、計画を伺います。

八坂 昨年、大分県芸術文化友の会「びび(※)」がスタートしました。iichiko総合文化センターの隣に県立美術館ができましたので、このエリアを中心に、この「びび」を活かして、大分県の芸術文化の振興をしていきたいです。 

山出 今年7月から9月にかけて、いよいよ3回目になる「混浴温泉世界」が開催されます。大分市ではトイレンナーレを、また国東半島でもツアーを開催します。

広瀬 今年は大分のアートが爆発する大変楽しみな年です。ここ大分県立美術館OPAMも、4月24日に開館記念展がスタートします。モダン百花繚乱「大分世界美術館」と銘打ってモダンをキーワードに、国内外の巨匠の名品が200点以上集まります。この美術館は皆さんの美術館です。お気軽にお越しください。

    今日はありがとうございました。

対談の様子 撮影:大分県立美術館 OPAM

(1月2日放送 OAB新春特別番組要旨)

 

 


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