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特集1 起業の夢を応援します!
特集2 差別のない社会のためにできること
風紋 OPAM 県立美術館が開館
県民ひろば1 その電話、詐欺かもしれません!
県民ひろば2 夏におすすめ!癒し・冷やしスポットに行こう♪
おおいたゆかりの図書 心ひらいて とよの国の食彩
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新時代おおいたNO.101 [PDFファイル/11.88MB]
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「自分の店を持ちたい」 「新しく事業を始めたい」 「起業した会社をもっと成長させたい」―。
大分県では、そんな夢に向かって挑戦する人を応援します。
創業は、雇用や新しいビジネスを生み出すことでたくさんの仕事や人を地域に呼び込み、まちの賑わいや経済の活性化に大きく貢献します。
県では、平成24年度からおおいた創業促進事業に取り組み、商工団体や金融機関と連携しながら創業支援を行ってきました。26年度までの3年間の創業支援実績は1154件と、目標の「スタートアップ1000」を上回っています。
次の3年間の目標は、「スタートアップ1500」。体制をさらに強化し、創業のすそ野拡大や起業家の成長支援、ベンチャー企業の創出・育成に取り組みます。
6月9日に大分市東春日町のソフトパーク内に開設した「おおいたスタートアップセンター」は、大分県の新しい創業支援拠点です。創業を考えている人や成長を目指すベンチャー企業など、それぞれのニーズや特長に応じてワンストップでサポートします。
例えば、飲食店や小売店の開業を目指す人にはどこに出店するのか、資金の調達をどうするのかといった「はじめの一歩」の相談に乗り、必要に応じて地域の商工会・商工会議所などを紹介することで、より身近なサポートにつなげます。
販路や事業の拡大を目指す起業家には、事業計画やマーケティング、活用できる補助金についてのアドバイスのほか、県内外の企業や金融機関などの支援機関と顔を合わせてつながりを作る場の提供など、「次の一歩の後押し」を行います。
「創業支援は、植えた木を育てるのに似ています」とセンター長の櫻木さん。豊富な経験を活かして、起業家を支援します。「木が育つ過程で枝葉の見栄えや育ち具合ばかり気にしていると、風が吹いた時に倒れてしまう。立派に育つためには、地中にしっかりと根を張ることが大切です。私たちは、起業家の皆さんがしっかりと根を張って成長していくためのお手伝いをします」。
また、創業の準備段階や経営が安定するまでの創業間もない時期は、黙々と行う作業に孤独を感じる人も多いと言います。「経営の相談をしたい、先輩の話を聞きたい、仲間と交流したいなど、迷った時や困った時に『センターに行けば何とかなる』という拠り所にしたいですね」と語ってくれました。
オープンしたばかりのスタートアップセンター。利用者にとって居心地がよく刺激ある空間は、スタッフだけでなく、互いに切磋琢磨する起業家の皆さんと共に作られます。
「私たちが行うのは指導ではなく、支援です。そして、創業とは未来をデザインすることです。大分県の未来を一緒にデザインしましょう」
創業支援スタッフの皆さん
スタートアップセンターは、センター内だけでなく地域にも足を運び、市町村や関係機関と協力して支援事業を実施します。
◆市町村が「創業支援事業計画」に基づいて行う事業と連携し、相談対応、専門家派遣、セミナーの開催などをサポートします。
◆センターが主催する創業セミナーを、地域や民間の創業支援施設などでも開催します。
◆商工団体や市町村の担当者が創業支援に必要なスキルを学び、事業化の手助けを行う「インキュベーションマネージャー」の資格を取得できるセミナーを県内で実施。創業支援の専門家育成を支援します。
県では、大きな成長を目指す起業家への重点的な支援も行っています。
≪大分県起業家成長促進補助金≫
有望な事業計画を持つ創業後5年未満の事業者の成長を促進するため、マーケティングや商品改良、販路開拓などにかかる経費の一部を、最大3年間支援します(補助率2/3、上限200万円)。
※一次募集は終了。採択状況により追加募集あり。
※問合せはスタートアップセンターまで
≪第13回『大分県ビジネスグランプリ』≫
県内産業の活性化やベンチャー企業の創出を図るため、独創的な商品やノウハウ、アイデアを募集。それらのビジネスプランを活用した創業、または新しい分野への進出を目指す中小企業者を、プランの新規性や成長性、実現性などを評価・審査し、発掘します。
優秀なプランには補助金が交付されます。
昨年の第12回『大分県ビジネスプラングランプリ』で最優秀賞を受賞したのが、イジゲン株式会社のスマートフォン用まち歩きアプリ「AIRPO(エアポ)」です。
代表取締役の鶴岡さんは、「大分を元気にするために、まちなかに人を呼び、まち歩きを楽しむ仕組みを作りたかった」と言います。AIRPOユーザーは加盟店を訪れるだけでポイントが貯まり、さまざまなサービスと交換することができます。手のひらサイズの端末を設置するだけで加盟店になれるため、店側にとっても手間がかからず、小規模店でも導入しやすいよう運用コストは低価格に抑えられています。
「東京や福岡に行かなくても、地元の大分で展開する1つのロールモデルになれれば」と、東京で7年間IT企業に勤めた経験を活かし、平成25年に大分市で起業した鶴岡さん。受賞して変わったことは、「評価をいただいたことで、営業先で話をしやすくなりました」。補助金は主にプロモーションに使い、県内はもちろん全国各地にAIRPOを展開し、会社を上場することが当面の目標だそうです。
また、鶴岡さんは勉強会を開くなど、起業を目指す若い世代の後押しもしています。後に続く人たちには、「まずはやってみる。途中で放り出したら何も残りません。やると決めたらやり通すことだと思います」と、真っ直ぐなエールを送ってくれました。
イジゲン株式会社 代表取締役 鶴岡英明さん