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少子高齢化や人口減少などにより社会のかたちが変わり、これまでは家族や地域の助け合いで解決してきた子育てや環境、防災、まちづくりなどさまざまな悩みが解決できなくなり、新たな課題となってきています。
このような行政や企業だけでは対応が難しい課題を、行政や住民の皆さんと一緒に解決しようと活躍するNPOが、地域を支える大きな力として期待されています。 県では、ふるさとの自然環境を守りながら地域を元気にする、新たな取組を始めました。
県が取り組む「地域を担うNPO協働モデル創出事業」では、県内のNPOから地域課題を解決する提案を募集し、審査会を実施。昨年と今年で8事業を採択しました。
採択されたNPOの活動を、地域の課題を解決する「協働」のモデルとして支援し、その取組やノウハウを県内に広めていきます。
〇「NPO」って何?“Non Profit Organization”の略で「民間非営利団体」のことです。地域や社会をより良くしようと、それぞれに目的を持って自主的な活動を行っています。
〇ボランティアとどう違うの?ボランティアは、個人活動で無報酬が基本ですが、NPOは組織で動き、その運営や次の活動のために収入を得ることが認められています。
〇NPOとNPO法人は違うの? NPOは公益のために非営利活動を行う団体であれば、自由に名乗ることができますが、NPO法人は所定の手続きを行い、法人格を取得した団体だけが名乗ることができます。
『一人ひとりが自分らしく生きられる社会を』
NPO法人 共に生きるは、発達障がいの当事者・家族による相談窓口の開設や勉強会の開催などにより、同じ障がいのある人を支援する体制づくりに取り組んでいます。「当事者だからこそ知識ではなく体験を通して共感し、相談者の声に寄り添えるのです」と、理事長の江藤さん。差別や偏見をなくしていくために、講演会の開催や研修会への講師の派遣など啓発活動も行っています。
「発達障がいにより悩みや生きづらさを抱えた当事者・家族が障がいの有無に関わらず、自分らしい生き方を手にして欲しいと願っています。皆さんに寄り添い、一緒に考えることで次のステップへの橋渡しをお手伝いしたいですね」
理事長 江藤裕子さん
講演会や勉強会ではアンケートを行い、次の活動に活かします。
『地域の資源で地域を元気に』
年を重ねてもいきいきと暮らせる地域づくりをめざすNPO法人 いきいき安心おおいたは、由布市挾間町の鬼瀬地区で荒廃した竹林を整え、環境を守るとともに、伐採した竹の利活用に取り組んでいます。理事長の平山さんは「企業や福祉施設と連携し、廃竹材が原料の肥料や固形燃料を製造・販売するほか、更なる新しい活用方法も模索しています。地域資源である竹を活かし、竹の価値を高め、収益を地域に還元する。その循環によって働く場所をつくり、高齢者の元気や若者の定住のきっかけになれば」と話してくれました。
「少子高齢化は小規模集落共通の課題です。取組のモデルを創り、他の地域にも広げていきたいですね」
理事長 平山順一さん(左) 副理事長 安部ノリ子さん(右)
廃竹材による肥料や固形燃料。大分県の豊かな竹資源を活用します。
大分県NPO情報バンクおんぽ
県が運営するウェブサイトです。NPOやボランティアの基礎知識をはじめ、NPOに関する助成金やイベントのお知らせ、NPO団体の検索や活動状況報告など、幅広い情報を発信しています。
問/大分県消費生活・男女共同参画プラザ
☎097-534-2052
めじろん共創応援基金
皆さんの善意が地域課題の解決に取り組む約800のNPO団体の公益活動を支援し、県民全体で支える地域社会につながります。
問/公益財団法人おおいた共創基金
☎097-556-3116
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問/大分県消費生活・男女共同参画プラザ
(県民生活・男女共同参画課 県民活動支援室)
☎097-534-2052