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県では、防災・減災に向けハード対策だけでなく、防災士の養成、避難所対策といった、自助・共助の取組を支援することで、地域防災力向上を図り『安全・安心の大分県づくり』に取り組んでいます。
災害はいつどこで起こるかわかりません。まずは身近で起こりうる災害を知りましょう。
近年の異常気象により、洪水や土砂災害等の自然災害も増加傾向にあります。降水量の増大に伴い被害が甚大化、広域化しています。
被害規模や発生確率から南海トラフ巨大地震が県の防災対策の喫緊の課題です。県内では2万人を超える死者、約3万棟の建物被害(全壊・焼失)が想定されています。
また、その他にも奈良県から大分県由布市に達する中央構造線断層帯や、日出町から玖珠町に至る日出生断層帯による地震では複数の市町で震度7が想定されています。
県内には、土砂災害の恐れのある場所が多くあります。県では、土砂災害の恐れのある箇所の調査を行い、「土砂災害警戒区域」に指定しています。
土砂災害警戒区域について、市町村は避難場所・避難路などを記載したハザードマップを作成することになっています。
ハザードマップを確認して、災害に備えましょう。
地域住民と市が協働で土砂災害ハザードマップを作成しています。
ハザードマップ
問:砂防課 097-506-4634
県では、子どもたちが災害に関するリスクを予測し回避できる能力を身につけ、安全な社会づくりに貢献できるよう防災教育を推進しています。毎年モデル校を選定し、防災教育に関する効果的な取組を実践・研究する「防災教育モデル実践事業」を行い、これまで幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校の中から、31校のモデル校が地域や学校の特性を生かした防災教育を行っています。
・楽しく理解し災害に向き合う
ICTの活用やゲームなどを通し、子どもたちが楽しみながら災害について学びました。自分や家族の命を守るだけでなく、高齢者の手助けなど、地域のリーダーとして牽引し、他の地域が置かれている状況にも寄り添える心も育みました。
○情報収集・整理・分析
防災番組の視聴やインターネット等で情報を収集。写真、図、動画などにまとめ、他の生徒に発表・クイズを出すことで楽しく理解。
○歴史民俗資料館・災害当時を知る人の話
過去に起きた災害を知り、災害意識が強まった。
○防災カードゲーム
カードに示された危険にどう対処するか、実際に身体を動かし学習。
○防災マップ
西日本豪雨で使用されたインターネット上の地図を使い、オリジナル防災マップを作成。実際に使用した、東広島市役所の方にインターネットのテレビ電話で作成のノウハウや被災状況、市の対応等を聞き理解を深めた。完成した防災マップは地域の方にも発信。
・地域を知り新たな視点で見つめ直す
「ふるさと本匠を愛し、貢献する児童生徒の育成~思考力・判断力・表現力の育成をめざして~」をテーマに、主体性や地域を支える力を育む実践を重ねました。活動の最後には、気づきや発見などを要望書にまとめ、子どもたちから防災について地域に発信することで、地区ごとに防災意識に温度差のある状況が変わっていくきっかけとなりました。
○防災キャンプ
非常時を想定したキャンプ。備えの必要性や周りへの配慮、助け合う大切さを体感。
○被災地訪問
西日本豪雨による被害のあった愛媛県西予市野村地区を訪問。本匠地区とよく似た地形で、防災の必要性を痛感。
○小中合同避難訓練(3回実施)
中学生が作成したチラシを地区に回覧。避難経路や避難方法を確認。
○地域・行政・家庭との連携
本匠地区文化芸術祭や専門家を交えての公開研究発表会。子どもから、地域の方に提言することで、地域の防災意識が強まった。
防災教育を通して、子どもたちは災害についての意識を高めています。災害による被害を最小限に留めるには、子どもを含めた地域全体が災害を知り、自ら行動することが大切です。防災教育は決して子どもたちだけのものではありません。地域の防災の歴史を知るなど簡単なことから、考えてみましょう。