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新時代おおいたNo.105

印刷ページの表示 ページ番号:0001034310 更新日:2016年2月24日更新

NO.105 

【HTML版】
特集1/明日の農林水産業を担う 新しい力
特集2/目指せ!ものづくりのプロフェッショナル
風 紋/幼児教育は難しい
県民ひろば1/UIJターン就職の促進に向けて
県民ひろば2/密着!県職員の1日リポート~総合土木編~
おおいたゆかりの図書 心ひらいて  とよの国の食彩   

【PDF版】
新時代おおいたNO.105 [PDFファイル/9.48MB]
【電子書籍版】
大分イーブックスのページへ(外部サイトへリンク)

特集1 明日の農林水産業を担う 新しい力

 農林水産業は、新鮮で美味しい食材を提供し、食卓を豊かに彩ってくれるだけでなく、地域に働く場所をつくり、そこで暮らす人を増やすことで、地域の元気にもつながります。

 豊かな自然あふれる大分県で、これからの農林水産業を担う人々を応援する取組を紹介します。

 トマト畑 林業 漁業

未来の担い手を応援します!

 昨年11月に発表された2015年農林業センサスによると、大分県の農業就業人口は5年前から9000人以上減少し、約3万5000人で、65歳以上が7割を占めています。林業や漁業の担い手も年々減少していて、農山漁村地域は過疎化や担い手の高齢化、後継者不足に加えて、肥料や飼料、燃料といった必要経費の高騰など、さまざまな課題を抱えています。

 しかし一方で、県内の農林水産業の新規就業者は増加傾向にあり、平成26年度には371人と調査記録がある平成13年度以降では最多となっていて、40歳未満の若い世代が多いのも特徴です。また、林業における素材生産量の100万㎥突破や、県産乾しいたけや子牛の平均価格の上昇、農林水産物の輸出額が前年比の1.5倍となる15 億円に増加するなど、明るい兆しも見えています。

 県では、新たに就業を志す人が、夢を持って働くことができる「変化に対応し挑戦と努力が報われる農林水産業」を目指して、さまざまな支援を行っています。
農林水産業新規就業者数

農業

 野菜や果樹、花きといった品目や産地など、多様な選択肢がある農業の研修制度は、「就農学校」と「ファーマーズスクール」の主に2つです。どちらも農業経験がない人も一から栽培技術や農業経営を学ぶことができ、授業料は無料。そのほとんどが新規就農者を支援する国の「青年就農給付金」の対象にもなっています。

 また、研修を受けた市町が就農先となるため、地域でも農地の確保や住居探しといった支援・相談などきめ細やかなサポートをしています。

農業の研修制度2  農業の研修制度 

農業も子育ても竹田で

岸本夫妻  トマト  
 竹田市にある「とまと学校」では、現在男性3人、女性2人の研修生がいます。愛媛県から移住した岸本聡司さん・朋子さん夫妻は、農業で食べていけるようになるためには、地域で確立された品目を選び、しっかり指導を受けることが大切だと感じ、県の就農バスツアーで訪れた竹田市のトマトを選びました。「住まいや農地、水利権など、農業をゼロから始めるのは本当に大変で、地元の協力が不可欠だと思います。竹田は自然豊かで人も温かい。子育てもしやすいですね」と聡司さん。

 学校では同じように頑張っている仲間がいることが心強いというお二人は、「以前は野菜の苗を扱う会社に勤めていたので、ゆくゆくは経験を活かしていろいろな品目に挑戦してみたいです」と話してくれました。 

“ワクワク”が原動力

 野田夫妻 野田夫妻2
 野田錬吾さん・雅代さん夫妻は、豊後高田市に移住してスイートピー栽培を学んでいます。大阪出身の錬吾さんは、「就農のための資金や地域での人づきあいなど不安はありましたが、思い切って飛び込んでみて良かったです」と話してくれました。

 この道40年のベテランである就農コーチから指導を受け、農業の奥深さや面白さを実感する日々。そんな農業に感じる“ワクワク”が、原動力になるとお二人は言います。「農業は大変なものだと覚悟してこの道に入りましたが、工夫や努力次第で経営や状況をより良くしていくことができるのだと、先輩方を見ていて感じます。皆さん、とても前向きでいい顔をしていらっしゃるので、自分たちもそうなれるよう頑張りたいですね」

 

問/大分県新規就農相談センター(大分県農業農村振興公社内) ☎097-535-0400
   大分県農業農村振興公社のページへ(外部サイトへリンク)

   県農山漁村・担い手支援課 ☎097-506-3586
   県農山漁村・担い手支援課のページへ(県庁内リンク)

 

林業

 木材やしいたけの生産の場となり、水源のかん養、土砂災害や地球温暖化の防止など、多くの役割を持つ森林。その森林を現場とする林業は、最初から独立経営することが難しいため、まずは林業会社や森林組合での雇用が中心です。そういった新規に雇用された就業者向けの研修「緑の雇用」のほか、今年4月には就業前から支援する「おおいた林業アカデミー」の取組もスタート。森林・林業に関心がある人を対象に実施する相談会や職業体験会などと併せて、担い手の確保を図ります。

 林業の研修制度

愛着ある山で働く

曽根田さん 曽根田さん2
 佐伯市の林業会社「(株)山克」で働く曽根田啓介さんは、地元の出身。現場での先輩の指導や大分県林業研修所の研修などを受けながら、2年前から林業の担い手として活躍しています。「祖父も林業をしていましたが、家族からは生半可な気持ちでできる仕事ではないよと言われました」と就職当時を振り返ります。実際に油断は大きな事故やけがにつながるため、常に周囲に注意を払いながら作業する必要があり、気の抜けない仕事です。そんな大変な仕事だからこそ「他にはない達成感や充実感があります」と曽根田さん。

 「山は元々好きでしたが、この仕事に就いてからますます愛着が湧いています。いつかは起業して、70代、80代になってもこの仕事を続けられたらと思います」

問/林業労働力確保支援センター(森林ネットおおいた) ☎097-546-3009
   森林ネットおおいたのページへ(外部サイトへリンク)

   県林務管理課 ☎097-506-3823

水産業

 都市圏を中心に開催する漁業就業支援フェアでPRや情報提供を行うとともに、国の制度を活用した漁業長期研修や漁業学校での研修により技術や知識を学ぶことができます。

 中でも関あじ・関さばで知られる大分市佐賀関では、国の長期研修制度を活用してIターン者を受け入れています。ベテラン漁師が師匠となり、1年間伝統の一本釣りを指導することで、平成21年度から27年度までに7人の漁師が誕生しました。

漁業の研修制度  佐賀関漁港

長く続けられる漁師に

 久城さん 久城さん2
 漁業就業支援フェアで佐賀関の研修を知り、埼玉県からIターンした久城真志さんは、昨年11月に一本釣り漁師として独立しました。「研修に来て1匹目を釣った時のことは鮮明に覚えています。自分でも釣れるんだ!と思ったんですが、実際は師匠のおかげで、

 ”釣らせてもらったんだ“と後で気が付きました。先輩方にはまだまだ遠く及びませんが、これは経験を積んでいくしかないですね」と意気込みを語ります。最近は一本釣りだけでなく、経営の安定に向けて先輩漁師からタチウオ漁の手ほどきも受けるなど、研修後もいろいろと周囲に助けられていると言います。

 「健康第一に長く漁師を続けたいですね。今の目標は、家族や友人に大分にいつでも遊びにおいでと言えるよう、しっかり自分の足場を固めることです」

問/大分県漁業協同組合 ☎097-532-6611

   県水産振興課 ☎097-506-3955

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