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新時代おおいたNo.116

印刷用ページを表示する掲載日:2018年1月31日更新

新時代おおいた116
【HTML版】
特集1/新春対談 世界のお客様を、「おんせん県おおいた」へ

特集2/次代の文化を担う若い活力~高校文化部の挑戦~
風紋/新年おめでとうございます
県民ひろば1/庄の原佐野線(元町・下郡工区)開通!
県民ひろば2/県産いちごの新ブランド「ベリーツ」誕生!
おおいたゆかりの図書/心ひらいて/おおいたの食彩 

【PDF版】新時代おおいたNo.116 [PDFファイル/8.83MB]

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 特集1 新春対談 世界のお客様を、「おんせん県おおいた」へ

広瀬 明けましておめでとうございます。
 今日は全日本空輸株式会社社長、大分県出身の平子裕志さんにお話を伺います。

特集1

平子 明けましておめでとうございます。
 大分県には18 歳まで住んでいましたが、今でも大分県は私の人生の真ん中に存在しています。

広瀬  平子さんは、航空会社に身を置かれて、国内外を飛び回っていますから、大分県のいろいろな話が耳に入るでしょう。そこで、平子さんから見たふるさと大分県の良いところを聞かせてもらえますか。

平子 3年ほどニューヨークにいた経験もあり、出張等で海外のエアラインの幹部の人たちと話すこともあります。日本の話になると、彼らからは、まず日本食を食べたい、それから自然とか景勝地の観光をしたい、最後は温泉に浸かりたいと、この3つが必ず返って来る言葉です。大分県は、この3つを高いレベルで兼ね備えている県だと思います。
 私の経験で申し上げますと、母の実家が佐賀関ですから、豊後水道の海岸で水泳をし、その時に食べたアジやサバ、後になっていわゆる関アジ、関サバというブランド魚になるわけですが、その魚の味は忘れられません。それから、やまなみハイウェイを通って湯布院から、飯田高原、九重連山の方に連れて行ってもらいました。あの雄大で、かつ優しさのある自然が非常に大きな記憶として残っています。
 また、父は宇佐の出身ですから宇佐神宮にはよく行きました。宇佐神宮は広い境内に白い玉砂利が敷かれており、朱塗の社が鮮やかだったと覚えています。幼心にも厳かな雰囲気を感じました。
 最後は、やはり別府ですね。別府八湯と言われるように泉質も違いますし、入浴の方法もそれぞれ違うということで、いろいろな楽しみ方があると思います。

広瀬 温泉については、今年5月に世界初となる「世界温泉地サミット」を別府市で開催します。世界の温泉都市に声をかけ、温泉と観光や医療、美容について話し合うこととしており、「おんせん県おおいた」の良いPRになると思っています。
 大分県は、良いところがたくさんありますが、PR力が不足しています。
 このPRについては、去年10月、ANAと県の間で、「大分県の地方創生の推進に向けた包括連携協定」を締結しました。大変心強く思っています。
 このPR等についても、ご指導、応援をしていただきたいと思っています。

航空業界(ANA)の現状と将来

広瀬 平子さんは、世界中にネットワークを展開し、お客さんを運んでいますから、人の行き来の需要がよく見えるのではないかと思います。今、世界の航空需要はどうなっていますか。

平子 世界の航空需要は近年、一貫して伸び続けています。特にアジアや中南米、中東は、人口増大と経済発展に伴って、2033年まで平均6%以上の高い伸び率が予測されています。

広瀬 航空需要に応える航空会社も大変ですよね。この需要の拡大にどう対応されていますか。他の航空会社とアライアンス(※1)を組みながらお客様の満足を得ていくというようなところもありますね。 

平子 ANAはスターアライアンスというアライアンスに加盟をしています。
 エアラインは、各国で法律の規制があり、世界中を網羅するネットワークはできない仕組みになっていますので、アライアンスを結ぶことで世界中を網羅するネットワークを構築します。
 お客様は乗り継ぎ先で加盟エアラインのネットワークを使い、ANAの提携している乗り継ぎ先の便に乗れる仕組みや、マイレージを貯めるプログラムの共有、ラウンジの共有というような他社のリソースをお借りしてお互いに都合しあう仕組みができます。

広瀬 航空需要が伸びるのは良いですが、路線の拡大やアライアンスを結ぶなど、なかなか大変ですね。

平子 ANAは国内線で50都市116路線、国際線で43都市、65路線あり、1日では国内線が800便、国際線が200便飛び、年間5200万人のお客様を運んでいます。世界では15位まで成長させていただきました。

広瀬 国内の航空需要の動向は、どうご覧になっていますか。

平子 国内線の需要は、やはり人口減少、特に生産年齢人口の減少が影響していると思います。LCC(※2)の出現は、従来航空に関心のなかったお客様に対してかなり安い料金で航空サービスを提供し、新しい需要を掘り起こしています。
 ANAグループにもPeachとバニラエアという二つのLCCがあります。それぞれ関西空港と、成田空港とベースが違うので、二つの航空会社がお互いに切磋琢磨して需要開拓をしています。
 そこに私どものフルサービスキャリアという、ANAという会社がありますので、両輪で日本、あるいは世界のお客様に対して航空サービスを提供していくという戦略を立てています。

観光・ツーリズムの振興、インバウンド

広瀬 大分県では、今年、六郷満山1300年祭、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭、来年はラグビーワールドカップ2019と大きなイベントが続き、たくさんのお客様がお見えになります。
 これに先ほど挙げていただいた大分県の良いところを組み合わせて演出し、お客様に満足していただくことが大事だと思います。
 ANAでは「ONSEN・ガストロノミー」を打ち出していますね。

平子 「ガストロノミーツーリズム」は、欧米で普及している一つの旅のスタイルです。歩きながら、その土地ならではの食材を楽しみ、歴史や文化を知る旅のことです。
 ここに日本が世界に誇る「温泉」というキーワードを入れ「ONSEN・ガストロノミーツーリズム」という言葉を作りました。「おんせん」というのも漢字の「温泉」ではなくてあえてローマ字で「ONSEN」としました。海外のお客様が「ONSEN」と聞いて「Japan・ニッポン」とすぐに思い浮かべていただけるように、広めていきたいと考えています。

広瀬 大分県ではグリーンツーリズムやブルーツーリズムが盛んですが、これもガストロノミーの一種かもしれませんね。森や里村の素晴らしい景色を歩きながら楽しむフットパス、あるいはサイクリングもありますね。

平子 最近は体験型ツーリズムというのが非常に流行っていて、何らかの体験を伴う旅行をしたいという方が増えています。ANAもエアービーアンドビー(Airbnb)(※3)との提携を発表しましたが、旅の幅を広げていく、選択肢を増やすという意味において、これが寄与できればいいなと考えています。
 また、先ほど話のあった「包括連携協定」でも、観光振興だけでなく、芸術・スポーツ振興、地域活性化、移住・定住、さらに災害時の物資支援等についてまで、ANAグループの旅の知見や経験、ノウハウを活用していただけると考えています。

広瀬 大変ありがたい協定ですね。

ふるさと・大分への思い

広瀬 最後に大分県の後輩たちにご訓示をいただけますか。

特集1

平子 大分県は地理的には瀬戸内海に面しています。昔は瀬戸内海の文化が強く、そして大阪商人との取引もあったことでしょう。16世紀には大友宗麟が南蛮貿易を進め、ポルトガルとの交易拠点になり、大分市は南蛮文化や西洋医術の発祥の地でもあります。こだわりが少なく何事も受けいれる柔軟性と進取の気性を兼ね備えた県民性だと言われています。
 江戸時代の儒学者、広瀬淡窓が日田に咸宜園を開設しました。咸宜とは「ことごとくよろし」という意味で、皆が平等に広く学問を学んで個性を生かす、これを咸宜というふうに表したのだろうと思っています。若い人たちには、ぜひ、この咸宜の精神を持って固定観念にとらわれずに、広く学び、個性を生かして、あらゆる可能性を信じてチャレンジしていただきたいと思います。

特集1

広瀬 先祖の名前が出まして大変恐縮ですが、咸宜の精神ということで大変貴重なアドバイスをいただきました。ありがとうございました。 

(1月2日放送OBS新春特別番組要旨)

※1 アライアンス(Alliance)とは、英語で「提携」「同盟」という意味です。 複数の航空会社が提携、同盟をすることにより1つの提携グループをつくります。

※2 LCCとは、ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略称で、効率的な運営により低価格の運賃で運航サービスを提供する航空会社を指します。

※3 エアビーアンドビー(Airbnb)とは、『空いてる部屋や家を貸したい人』と『借りたい人』とのマッチングサイトで、今人気のシェアリングエコノミーサービスの1つです。


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