本文
「創業」は、雇用や新たな製品・サービスの創出などを通じて、地域経済の活性化に大きく貢献しています。
今回の特集では、創業して頑張っている人やこれから創業する人への支援策などをご紹介します。
IT分野で創業を目指す人や創業間もない人を支援する施設「 iプラザ」を訪ね、入居者のcolorfulism(カラフリズム)の猿渡 優希子さんにお話を伺いました。 「私は大阪で3年間、映像関係の仕事をしていました。その時に映像の面白さを実感し、故郷大分の人達にも、日常の身近な場面で気軽に映像に触れる機会を持ってほしいと思い、大分での創業を決意しました。企業へ就職をしなかったのは、自分のやりたいことやこだわりを貫いて働きたいと思ったからです」と語る猿渡さん。 また、iプラザに入居したことで、スムーズに創業できたと言います。 「一番ありがたいのは、困った時にすぐ相談に応じてくれるインキュベーション・マネジャー(※)の存在です。創業に必要な手続きや経理、デザインの公募情報などを教えてもらっています。近くにいる創業間もない人達との情報交換も良い刺激になっていますね。 ハード面でも、24時間セキュリティ完備の事務室や高速インターネット環境を無償で提供してもらえるので、少ない経費で事務所を構えることができました。社会的信用が得やすく、顧客と打ち合わせがしやすい環境が整ったので助かっています」。 足場を固めて、一歩ずつ前進している猿渡さんに今後の目標を伺いました。 「地元に密着した形で、映像のいろいろな使い方を提案していきます。今は、子どもに読み聞かせをする時に映像を使うことを計画中です。読む声に合わせて絵が動いたり音が鳴ったりすると、子ども達が楽しんでくれると思ったからです。また、より多くの人に映像の魅力を感じてもらえるよう個展を開くなどして、映像の可能性を広げていきたいです!」と笑顔で語ってくれました。
| colorfulism(カラフリズム)代表者
|
左:猿渡さんの作業風景 中央下:カラフリズムオリジナルキャラクター 中央上・右: iプラザの外観と内部の様子
一方、iプラザのインキュべーション・マネジャーである宇都宮 良枝さんは、「創業に関する相談は、事業計画の作成や資金調達方法、商品開発、販路開拓など人によってさまざまです。その解決に向けてアドバイスや情報提供をするほか、関係機関と連携して、専門家を派遣するなど一人ひとりに合った支援をしています。なにげない会話の中から見えてくるものもあるので、事業以外の話を聞いたり、創業者相互に意見交換をする機会も設けています」と語ります。 このように創業者をサポートしている宇都宮さんに、これから創業を考えている人へのアドバイスを伺いました。 「まずは、自分が始めようとするビジネスをしっかり研究して、「仕事の目」を養うことです。どんな業種でも消費者ニーズや販売形態、規模、品揃え、客層、価格設定、サービスなどの市場調査は欠かせません。 しかし、一番大事なことは創業の動機や目的を明確にすることです。明確な動機や目的があれば、思うような成果がでない場合でも、軌道修正をしながら事業を継続し、発展させていく力につながります」と宇都宮さんは教えてくれました。 | インキュベーション・マネジャー |
「新しく事業を始めたい」と考える時には、自分の思い描く事業がビジネスとして成立するのか、資金や人材、販路をどのように確保すればいいのか、どのような支援が受けられるのか、といった不安はつきものです。
そこで県は、今年度から中小企業支援機関や金融機関と連携しながら、その悩みや疑問を解決するためのフォーラムや実践的なセミナーなどを開催します。
このほかにも県内には創業を支援する機関や相談できる機関が数多くあります。これらを効果的に活用しながら、あなたも創業への第一歩を踏み出してみませんか。