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女性の皆さん、出番です

印刷ページの表示 ページ番号:0000259108 更新日:2012年7月23日更新

 家庭、地域、職場など、さまざまな場所で活躍する女性たち。少子高齢化社会の中で、女性に求められる役割がますます大きくなっています。今回の特集では、現場の第一線で自分らしく輝く女性の姿を追いました。

地域の宝を活かし、地域に根ざす

ももは工房の皆さん

 日田市大明(だいめい)地区には、味噌の香りと笑い声があふれる場所があります。農事組合法人大肥郷ふるさと農業振興会の加工部門を担っている「ももは工房」です。この工房で働く5人の女性は、平成10年3月、共同営農方式で農地を守るために結成した振興会の一員です。「私達も地域づくりのために何かしたい。ここで作られる米・麦・大豆を加工して、もっと価値を高めて売り出したい」という思いから、平成12年3月にももは工房を立ち上げました。

 「味噌づくりを始めたのは、地元でとれた素材の味を生かして、みんなに安心して食べてもらえるような商品を作りたかったからです」と話すのは、ももは工房代表の森山豊子さんです。懐かしい味がする味噌を作るために、母親や地域の人に作り方を聞いたり、県外に視察に行ったりして1年間研究を重ねました。「いい麹を作るのに苦心しましたが、母親からの『味噌は笑顔で作りなさい』という教えを胸に、笑いながら作りました。

 パッケージ決めや販売も手探り状態でした。ある日、お店の人から「味噌が爆発!」と連絡が入った時はびっくりしました。当時はビニール袋に詰めて出荷をしており、味噌の発酵が進んで膨らんだようです。今のパッケージには、「呼吸中です」という印を付けた穴を開けていますが、こういうことも経験しないと分からなかったですね」と当時を振り返ります。

 年間18tを目標にして作り始めた味噌は、評判を呼び、今では25tにまで増えました。「ここまで頑張ってこれたのは、応援してくれる家族や地域の人達のおかげです。商品の数も少しずつ増えてきて、毎日が忙しい」と嬉しい悲鳴。

 味噌・豆腐づくりの体験教室

また、豆腐と味噌作り体験や麦踏みなどのイベントを通じて、地域とお客さんとの交流も大切にしています。「いろいろな人と触れあうことで、いつも元気をもらっています。体験を通じて四季折々の地域の良さを感じてもらえれば嬉しいですね」と微笑みます。生き生きと働くももは工房の皆さんの笑顔は、地域の活力源となっているに違いありません。

 

棟梁として働く

 

阿南美根棟梁

 「職業選択をする時に、男性だから、女性だからということは関係ありません。やる気があれば何でもできます」と話すのは、藤丸建設株式会社で棟梁として働いている阿南美根さんです。阿南さんは、25歳の時にコンピュータ関連の仕事から一転し、「男女不問」の求人を見て、大工の道に飛び込みました。自分の手で創り出す仕事がしたいという思いと大工への憧れの強さが阿南さんを突き動かしたといいます。

 道具の扱い方や専門用語などを一から猛勉強して3年目に棟梁になった阿南さん。「棟梁になると、設計図をもとに使用する材木に切る位置などを記す『墨付け』が任せられます。これを間違うと、家を組み立てる時に寸法が合わず、工事が中断するので責任重大。正確さが求められるため、かなりの集中力を要します。10年経った今でも、墨付けをして棟上げが終わるまでは、気が張り詰めてゆっくり眠れませんね。それでも、喜んでくれるお客さんの顔を見ると疲れが吹き飛びますし、嬉しいです。家造りには、それぞれの夢や希望がたくさん詰まっているので、それを形にする仕事にやりがいを感じていますし、毎回気の引き締まる思いです」と真剣な眼差しで語ります。

 棟梁という仕事に誇りを持ち、「体が動く限りは続けたい」と笑う阿南さん。その姿に、「職種と性別は関係ない」という言葉の意味を改めて感じることができました。

藤丸建設有限会社の皆さん

同僚の声

いい家造りには、建築士と棟梁の信頼関係が欠かせません。阿南棟梁は、きめ細やかな気配りと的確な判断力、決断力を兼ね備えていて、とても信頼しています。以前は、私も同じ棟梁として働いていましたが、一人の人間として尊敬しています。

神田 真美さん

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