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地方公務員災害補償制度(以下「災害補償制度」という。)は、地方公務員等が公務上(注)の災害(負傷、疾病、障害または死亡をいう。以下同じ。)または通勤による災害を受けた場合に、その災害によって生じた損害を補償し、及び必要な福祉事業を行い、もって地方公務員等及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に貢献することを目的とする制度です。
この災害補償制度の大きな特徴は、公務上の災害について使用者の無過失責任主義をとり、地方公共団体等に過失がなくても補償義務が発生するものとされることです。民法(明治29年法律第89号)上の損害賠償が原則として過失主義をとっていることとこの点において異なります。
また、通勤による災害についても、使用者としての責任を論ずることなく、使用者の支配下にない通勤途上の災害について補償が行われるという点で、民法上の損害賠償とは異なります。
さらに、災害補償制度は、一部に年金が採り入れられており、加えて、補償を超えた福祉事業をも行うこととされており、被災職員及びその遺族の生活の安定と被災職員の社会復帰の促進を考慮した制度であって、賠償責任保険的な性格とは異なった制度となっています。
(注)「公務」には、一般地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第8条第1項第5号に規定する一般地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の業務を含む。
地方公務員等の公務上の災害(以下「公務災害」という。)または通勤による災害(以下「通勤災害」という。)に対する補償は、職員(注)については法の規定により地方公務員災害補償基金がその実施に当たり、非常勤職員については、法第69条に基づき定めることとされている条例、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律(昭和31年法律第107号)、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律(昭和32年法律第143号)等の法令により、地方公共団体等が補償を実施する仕組みとなっています。
(注)「職員」とは、次に掲げる者をいう。
1 常勤職員
2 常時勤務に服することを要しない職員のうち次の(1)、(2)または(3)に該当するもの
(1)定年前再任用短時間勤務職員、暫定再任用短時間勤務職員、任期付短時間勤務職員、育児短時間勤務に伴う短時間勤務職員 等
(2)常勤的非常勤職員
(3)(1)及び(2)以外の常時勤務に服することを要しない地方公務員及び一般地方独立行政法人の役職員のうち、船員法(昭和22年法律第100号)第1条に規定する船員であって労働基準法(昭和22年法律第49号)別表第一に掲げる事業に従事するもの