本文
特集1 笑顔で子育て
特集2 たくさん食べよう県産魚!
風紋 調印の階段
トピックス しない!させない!飲酒運転
県民ひろば 九州オルレ「奥豊後コース」を歩こう
お薦め図書コーナー 心ひらいて とよの国の食彩
子育て満足度日本一を目指す大分県。今回の特集では、みんなで支え合い、育ち合う子育てについて紹介します。
出産後に県外から大分に移り住み、育児をしている河野(こうの)七海(ななみ)さんは「最初は、気軽に相談したり、共感し合える友達が近くにいなかったので不安でした」と言います。 「子どもが小さいうちはあまり外出できなかったので、普段は愛おしい我が子に対して行き詰まってしまう時がありました。そんな時は、泣いてもすぐには抱っこをせずに少し距離を置いて『言いたいことが伝わらず、もどかしいのは大人も子どもも一緒だ』と考えて冷静になるよう心がけていました。 歩き始めてからは安全な遊び場所を求めて児童館に行くようになりましたが、優しくて頼もしい先生や同世代の親子がたくさんいて、友達もできました。知り合いのいない場所に足を運ぶことに勇気が必要でしたが、今では行ってよかったなと思っています」と語ります。 そんな河野さんに、笑顔で育児をする秘訣を聞いてみると「子どもとこれだけ長い時間一緒にいられるのは今だけなので、できるだけ前向きに楽しんでいます。日々成長する子どもの姿や自分に向けられる笑顔が一番の元気の源です」と生き生きとした表情で語ってくれました。 |
↑河野 七海さん 颯生君親子 |
育児を積極的に行う、いわゆる「イクメン」の篠原丈司(しのはら たけし)さんにお話を伺いました。 「最初の頃は『ウンチが出ているよ。手伝おうか?』と言い、『手伝うという発想がよくない』と妻に怒られていました。家族だから一緒にやっていこうという気持ちが大事だと気づかされたいい経験ですね」と篠原さんは微笑みます。 また、篠原さんはこう言います。「私の子育てのモットーは、自分が楽しむこと、ほめて自信を持たせること、絵本の読み聞かせで読書習慣を身につけさせることです。また、一番大切なのは、何でも話し合える夫婦関係を築くことだと思っているので、お互いに忙しい時でも意識して時間を確保しています。家事・育児の分担や教育方針についてはもちろん、自分自身のことや将来についてじっくり話して、二人で決めていることが家庭円満の秘訣です。これからも子育てを満喫します」と笑顔で語ってくれました。
|
↑篠原 丈司さん 愛子ちゃん親子 |
6歳未満の子どもをもつ男性が一日に家事や育児に充てた時間の割合に関する2011年の調査では、大分県は「1日86分」で全国第7位。5年前の同調査の「1日36分、最下位」から大きな躍進となりました。
今後、更なるイクメンの活躍に期待です。
ホームスタートは、「子育てに悩んでいるが頼る人がいない、ちょっと誰かに手助けしてほしい」というママの気持ちに寄り添う家庭訪問型の支援制度です。平成20年度からホームスタートを始めた豊後大野市にある「やしの実ひろば」の土谷 修(つちやおさむ)さんにお話を伺いました。 「未就学児がいる家庭に、子育て経験者が週に1度、2時間の訪問を4回程度行っています。悩みを抱えている母親の声を聞き、少しでも支えになりたいという思いから始めました。家庭に訪問するのは8日間の研修を受講後した子育て経験のあるボランティアの方です。ボランティアだからこそ、対等な関係でいられると考えています。主な活動は、母親の話をじっくり聞いたり、一緒に家事や育児を行ったりすることです。利用は無料ですので、悩んだ時には、一人で抱え込まずに気軽に利用してほしいですね」と優しい眼差しで語ってくれました。 ほかにも豊後高田市や別府市、杵築市、宇佐市、日出町で広がり始めているホームスタート。母親の心に響く温かい支援の形がここにありました。 ↑ホームスタートの様子
|
↑やしの実ひろば 土谷 修さん |
親への第一歩を踏み出したパパとママは、初めての子育てに奮闘中です。そんな時に、人生の先輩として親子の気持ちに寄り添いながら、心にゆとりを持って手助けをしてくれる大切な存在がおじいちゃんとおばあちゃんです。助産師会 佐用百合子(さよう ゆりこ)さんと敷嶋 廣子さんは、こう言います。「環境の変化や科学の進歩によって今と昔とで変わったところもありますが、人として育ってほしい心のあり方や大事なことは変わっていません。子育ての主役であるパパ・ママがどうしたいのかを聞いて、楽しく子育てができるようにサポートをお願いします」。 ←孫の穂花ちゃんと遊ぶ和田 和子さん |
↑大分県助産師会 佐用 百合子さんと敷島 廣子さん |
◆たくさん抱っこをしましょう◆
抱っこは赤ちゃんにとって心の栄養です。周りの人が信頼関係を築く手段にもなりますので、抱き癖は気にせずにどんどん抱っこをしてください。
◆大人が食べ物をかみ砕いて与えないでください◆
大人の口で食べ物をかみ砕くと、虫歯菌が食べ物を通じて赤ちゃんにうつります。口移しで食べさせるのはやめましょう。
◆オヤツやおもちゃの与えすぎにご注意ください◆
我慢させることも大事です。親の教育方針を考慮して、あげるタイミングを図りましょう。
しつけは、子どもを一人前の人間に成長させるために必要なものです。その一方で、どんなに愛情があってもしつけの方法を間違え、子どもにとって不利益になる行為をしてしまうと虐待になります。そのような追い詰められた状況になる前に、一人で悩みを抱え込まずに私達医師や子育ての支援機関などに相談してください。あなたの勇気が子どもの笑顔を守ります。子育てで悩むのは当たり前のことですし、親としての成長の一過程です。 子どもがいけないことをしたら叱ることもあるのでしょうが、できなかったことや期待はずれだったことに対して叱らないでください。失望せずに、できたことを一緒に喜びましょう。一人ひとりの個性を大事にして、良いところをたくさん見つけて、伸ばしてください。 また、親が笑顔でいることが子どもの笑顔につながりますので、地域の皆さんは、日頃の温かい見守りをお願いします。何かいつもと何か違うなと思ったら、様子をたずねてみてください。お互いに助け合える関係づくりが、これからの地域での子育てには欠かせません。 |
大分市では、子育ての悩みや関心のあることをグループで話し合いながら、自分に合った前向きな子育ての方法を学「N Pお母さんひろば」が年に2回開催されています。N PとはNobody's Perfect(完璧な親なんていない)という意味で、このひろばは、親としての役割などについて考える交流の場となっています。 今回は、その講座を卒業後も定期的に集まっているお母さんたちに話を伺いました。 子育てには正解がありません。子育てサークルや地域の人との交流を通じて、子育てのヒントを探してみませんか? |
↑右から山本 史恵さん親子、山部 和美さん親子、谷口 奈緒美さん親子 |