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新時代おおいたNo.86

印刷用ページを表示する掲載日:2013年1月30日更新

新時代おおいた86号

特集1    新春対談 大分の食を世界へ~安全・安心の食を広めたい~
特集2    2013 未来をつなぐ 北部九州総体
風紋     新春対談
トピックス   みんなで防ごう!振り込め詐欺
県民ひろば 県内のアンテナショップを巡ろう
お薦め図書コーナー 心ひらいて  とよの国の食彩

 

特集1 大分の食を世界へ~安全・安心の食を広めたい~   

新春対談表紙

【参加者】

糀屋本店 浅利 妙峰さん(佐伯市)
合名会社まるはら 原次郎左衛門正幸さん
大分県知事 広瀬 勝貞

広瀬知事 浅利さん 原さん

広瀬 明けましておめでとうございます。

 今日は、「大分の食を世界へ~安全・安心の食を広めたい~」と題して、大分県から日本の食の魅力を全国、そして世界へ発信しておられるお二人をお招きしてお話を伺います。糀屋本店の女将浅利 妙峰さんと合名会社まるはらの4代目当主 原 次郎左衛門正幸さんです。

 浅利さんは、糀ブームの火付け役で、糀を使った発酵食品の魅力を発信しておられます。そして原さんは、地元日田にある三隈川の鮎を原料にした鮎魚醤を作っておられます。

食の原点~調味料の力~

広瀬 まず浅利さんは、調味料として塩糀を作るようになったのですよね。そもそも、なぜ塩糀を調味料として作って売り出そうと思われたのですか。

浅利 塩糀は、もともと江戸時代から漬け床としてべったら漬けなどに使われていましたが、あまり知られていませんでした。糀はタンパク質をうまみに変える働きがあるので、料理がおいしくなるのです。

そこで、糀をもっと広めたいと思い、塩の代わりに調味料として使うという可能性を探りました。
私が最初に試してみたのはイカです。佐伯市はイカが捕れますから、身は刺身に、足は塩辛のように切って塩糀を入れて混ぜてみました。そうしたら、普通は塩辛になるまでに2~3日はかかるところがすぐにおいしく出来上がりました。

これはいいと思い、卵など他の食材でも試してみたらどれもおいしくて、「私は料理の天才!」という感じなりまして。それで、これを広めると糀業界にもうひと華咲かせることができると思ったのがきっかけです。

広瀬 次に原さんは、古くからの醤油屋ですが、伝統の味も守りながら新しいものづくりにも挑戦されていますね。「鮎魚醤」を作った経緯を教えてください。 

 ある時、地元にある鮎の養殖業者が勉強会に行って「規格外の鮎を有効活用するにはどうしたらいいか」という質問をしたところ、「魚醤を作ってはどうか」という回答がきたそうです。
そこで、魚醤なら醤油屋ということで私の所に話がきたのが始まりです。そして、県の産業科学技術センターに相談をして研究員と試作を重ねた末、思いがけず面白い魚醤ができました。ひょんなことから魚醤に取り組むようになりましたが、醤油業界も非常に厳しい今、新しい調味料を開発したいなと思っていましたのでタイミングがよかったですね。

広瀬 すごいですね。

 さて、私が浅利さんの素晴らしいと思うところは、塩糀を作るだけでなく積極的に全国各地で講演をして広めておられることですね。講演を聴きに来られた方々の反応はいかがですか。

浅利 最初は、皆さん緊張されているので一緒に「ふるさと」を歌います。そうすると、心がぱあっと開いてお話もよく聞いていただけます。塩糀を作ると、同じ発酵調味料である味噌や醤油と違い1週間でできます。それに料理も簡単に作ることができて、おいしくなります。普通は「お母さんの味を作る」というと「難しいからできない」となるかもしれませんが、料理に塩糀を使うと、簡単なのに「これお母さんが作ったのよ」と堂々と出せて、しかもおいしいんです。

広瀬 毎回、講演の最後には「ぜひ料理を手作りして家族に食べさせてください」とおっしゃっているそうですね。

浅利 はい。最近は、忙しさから家族バラバラの食事になりつつありますよね。でも、私は家族が揃って、笑い合って、おいしいねと言いながら食べることが本当の心の幸せにつながると思っています。なので、その一時をぜひ手作りの味で楽しんでもらいたいです。

 
広瀬 原さんは、鮎魚醤のほかにもさまざまな新商品にチャレンジされるそうですね。

 今年は、県産品である冠地鶏のレバーと心臓を使った「肉醤」を3月に発売予定です。試作品をレストランに提供したところ、評判は上々で、期待しています。

 実は、平安時代に京都にあった7軒の醤油屋は、穀物の醤油と魚の醤油、肉の醤油の3種類を作っていたといいます。穀物の醤油が今の醤油になり、魚醤が少しあり、肉醤は今では全く無くなってしまいました。それを今回復活させることになり、当社が世界で唯一3種類の醤油を作ることになりました。

広瀬 それは楽しみですね。

大分の調味料を世界へ

塩糀と鮎魚醤をつかった料理 塩糀と鮎魚醤

広瀬 いまや、世界は人も物も文化も国境を越えて行き来するグローバルな時代だと言われています。次は、先駆者として世界に日本の食文化やおいしいものを伝えているお二人の活動について伺います。

 原さん、今では世界で高い評価を受けている魚醤ですが、最初に海外でこの真価を分かってくれたのはパリの三つ星レストランのシェフだそうですね。

 そうなんです。パリの見本市に行った時、たまたまそのシェフが魚醤を味わってくれて、「これは普通の魚醤ではない。すごい味だ」と言ってすぐに店のフレンチ料理に取り入れてくれました。

 おかげで、毎年「世界レストランランク100位」が発表されていますが、その中の4軒で当社の魚醤が使われています。パリ、ニューヨーク、東京のお店で、皆さん世界一と言ってくださいます。

 一番の特徴は、魚醤独特の嫌な香りがないことです。消臭効果もあります。また、当社の魚醤は、従来のものよりアレルギー物質がほとんど含んでいないので、安全面でも高い評価をいただいています。

広瀬 浅利さんの塩糀は、純日本風の調味料なので世界ではどうなのかなと思っていたのですが、評判がいいそうですね。

浅利 塩は世界中にある調味料です。塩を塩糀に変えるだけで、世界中で課題になっている減塩につながります。また、糀には素材の良さを引き出す発酵酵素が備わっているので、日本食に留まらず、世界各地の食材にも合うんですよ。実際にドイツやベルギー、パラグアイなどでも使い方を伝えてきました。

広瀬 ドイツというと、ソーセージなどにも使えるのですか。

浅利 はい。実際に、ドイツで豚の挽肉と塩糀、香草を入れて混ぜて小指ぐらいの形に伸ばしてフライパンで蒸し焼きにしたものを100人分作って食べてもらったら、2~3分で無くなりました。どこで塩糀が買えるのか、どうしてこんなに美味しくなるのかという声が多く聞かれ、嬉しい驚きでした。

広瀬 それではここで、世界を舞台に活躍しているお二人の夢や今後の目標についてお聞かせください。

 私は、さきほど申し上げました「世界レストランランク100位」中4軒のお店で魚醤を使っていただいておりますので、10軒を目標に頑張ります。また、新商品もできますので、さらにバラエティーのある魚醤や肉醤でも世界に再度チャレンジしたいです。

浅利 私は、今後も日本食の素晴らしさを伝えつつ、塩糀と各国の食材や文化との融合を図りたいです。

 酵素がたっぷり含まれている塩糀を使った料理を食べてお腹が元気になる、そしてその先に食卓を囲む世界の人たちが笑顔になる。さらに言えば、武器で戦争をするより仲良く美味しいものを食べようと、糀の活躍によって世界平和が実現できると考えています。

世界に誇る大分の食材

広瀬 県内には、お二人に肩を並べて世界に誇る特産品を作っておられる方がたくさんいらっしゃいます。

「かぼすブリ」や和牛のオリンピックと言われる「全国和牛能力共進会」の第5区(繁殖雌牛群)で日本一に輝いた「豊後牛」もありますね。

浅利 「かぼすブリ」は、本当に血合いの部分が赤くて綺麗で、食感もプリプリでとてもいいですね。生産者の方々の愛情の深さがおいしさに反映しているんだなと思いました。

 豊後牛は、本当に肉がおいしいですね。うま味が多くて、さすがに日本一になった牛だなと思いました。

更なる飛躍を目指して     

浅利さんと原さん かざり

 

広瀬 最後に、今年の抱負と県民へのメッセージをお願いします。

浅利 今年は、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス、メキシコ、ドミニカ、キューバなど海外に行くチャンスたくさんあるので、そこでも塩糀や発酵食品の力を伝えてきます。目指すは、ノーベル平和賞!何度も言いますが、食で世界中の人のお腹を元気にしたいです。大きな大志を抱き努力していますので、皆さん応援をお願いします。

広瀬 私も推薦状を書かせていただきます。原さんはいかがですか。

  私も、またニューヨークに行って大分の調味料を売り込みたいです。皆さんへのメッセージとしては、一歩一歩着実に進むことも大事ですが、何かチャンスがあったら思い切って世界に向けて羽ばたいてみるのも面白いということです。一流シェフのハードルは高いように見えますが、実はそうでもないんですよ。 

広瀬 勇気を持って当たってみると、「良い物はいい」と理解してもらえるということですね。

今日は、お二人の話を聞いて、これから日本の食文化が世界に大きく羽ばたいていくという可能性を感じました。
また、良い物を作って世界に広めているお二人の努力を拝見し、大変頼もしく思いました。
これからどんどん大分県の特産品を作って世界に売り出していき、世界の活力を県内に持ち込む年になったらいいなと思います。

今日はありがとうございました。

(1月2日放送 OAB新春特別番組要旨) 


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